誰かの顔色を窺う日が来るなんて思わなかった


 だって他はどうでも良かったから








御顔色を窺ひつ








「こんな日が来るなんて思わなかったなあ…」
「ん?」


 ソファーに座る新一の隣に座って、ぼそっと呟いた快斗に新一は首を捻る。


「誰かの顔色を窺うなんて日が来るなんて思わなかったんだよ」

 あ、悪い意味じゃないからね?俺は今これで幸せだから。

「窺ってるのか?」

 しかも窺って…幸せ?


 快斗の答えに余計に首を捻ってしまった新一に快斗は苦笑する。
 まあ自分で言ってても不思議だから仕方ないんだけど。


「そう。すっごく幸せv」

 だって顔色を窺うって事はさ、嫌われたくない証拠なんだよ?
 それだけ大切なものが俺にも出来たってことv

「………んー…解らなくもないんだが…」


 快斗のにこにことした顔とは対照的に新一は何やら考え込んでしまって。
 快斗はその先を急かすでもなくただゆっくりと彼の考えが纏まるのを待つ。

 何時もの推理ポーズのまま暫く考え込んで、ようやく言いたい事が纏まったのか新一は口を開いた。


「別に嫌わないのに…」
「え?」
「別に窺わなくても嫌わない…」

 そんな生温い関係じゃない。


 そんな新一の熱烈な告白に快斗が反応しない筈がなく…。
 快斗の頬は一瞬にして最高潮の緩みへと達する。


「ん〜v 俺ってば愛されちゃってるねえ〜vv」

 もう新一君てば俺にメロメロなのね〜vv

「ばーろ…」

 勝手に言ってろ…///


 新一がどんなに素っ気無くあしらおうとした所で赤く染まった頬が快斗の言い分が正しい事を証明してしまっているのだけれど。


「うんv 勝手に言ってる〜vv」

 大丈夫v 俺は解ってるから〜vvv

「………///」


 真っ赤になった新一を抱き寄せて、珍しく素直な言葉を紡いでくれた恋人の温もりを心行くまで堪能する。
 本当に好きなら顔色を窺う必要なんてないのかもしれない…。








END.


ごふっ…(吐血)
無理に終わらせてるのがバレバレ…(爆死)

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