鏡を見てるみたいだ…そう思った
〜鏡〜
ベットの中で寄り添って。
腕の中からじっとこちらを見詰めてくる青い双眸に笑みを零す。
「そんなに俺の顔見詰めちゃってどうしたの?」
俺ってそんなに見惚れるほどいい男?
「別に」
ちげーよ。誰がいい男だ。
「気になるなぁ」
酷いなぁ。結構良い線いってると思うんだけど?
「気にするな」
まあ良い線いってるのは認めてやるけど。
言うつもりがないのか聞くつもりがないのかお互い話を逸らしつつ、それでも見詰め続ける視線の強さは変わらなくて。
「似てるのかな?」
「え?」
「いや、俺達似てるのかなって」
よく間違えられるでしょ?
「お前エスパー?」
魔術師だけじゃ飽き足らず超能力者の称号まで欲しいのか?
「あれ? もしかしてビンゴ?」
別に称号が欲しい訳じゃないんだけど。
「何かムカツク」
ったく、勝手に俺の考えてる事見透かしやがって。
不機嫌そうに身体を捩る彼を更に腕の中に閉じ込めて。
余計に不機嫌になった瞳の蒼に更に笑みを零して。
「俺は似てないと思うんだけどね」
そんな綺麗な瞳真似できないし。
「奇遇だな俺もそう思うぜ」
俺はお前みたいに格好良くねえし。
お互い同じ事を思っていた事にお互いに吹き出して。
そのままそっと寄り添って眠りについた。
鏡を見てるのは周りの人間だけなのかもな…。
END.
朝、鏡を見てたらなんとなく。
分類に困るブツだよな…ι
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