最初はちょっとばかりからかって楽しもうと思っただけだったのに
言われたくない事に触れてきたのは彼らだから
しっかりとその責任はとってもらう事にした
二人と二人の不思議な(?)生活
(科学者の思い付き編)
「それで私の所に相談に来た訳ね」
まったく真夜中だっていうのにいい迷惑よ。
地下室の椅子に座ったまま納得の言葉と共に溜息を吐き出した科学者の前で新一は首を縦に振った。
「あいつらが悪い」
人間だから触れられたくない所はそれなりにあるもので。
だからこそ、それに触れた彼らにはそれなりの責任は取らせるべきである、というのが新一の言い分らしい。
「貴方も人の事言えないじゃない…」
寧ろ先に言ったのは貴方の方じゃないの?
「快斗とかいとの分際で俺に逆らおうなんて百年早い」
「………」
正論に返ってきた新一の何とも素敵な発言に流石の哀も一瞬固まって。
けれどそんなのも慣れっこだから次の瞬間には自分を取り戻していた。
「いいわ。貴方が望む通りにしてあげる。」
「え…」
「その代わり貴方にも科学の発展の為に貢献して貰うから」
「科学の発展の為…?」
そんなにあっさりと承諾して貰えるとは思っていなかった新一はそれに戸惑って。
更に後に続いた言葉に首を傾げた。
「ええ。科学の発展の為には重要な実験なの」
「重要…」
にっこりとそれこそ「天使の様な笑み」を浮かべた哀に新一は背筋に悪寒が走るのを感じた。
「そう。まあほんの少し細胞を提供して貰うだけだから痛くも痒くもない筈よ?」
ね?安全でしょう?
と、更ににっこり度を増していく哀の笑みを新一はどこか遠くの世界の様に感じていた…。
to be continue….
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