科学者から提示された交換条件
それはつまり…?
二人と二人の不思議な(?)生活
(取引成立?編)
「灰原…」
「何かしら?」
にっこりと爆弾を投下してくれた目の前の科学者に新一は一つ溜息を吐いた。
そして自分の身の安全(…)の為、先程お願いした事項を取り下げることにしたのだが…。
「悪かった。さっきの件は忘れてくれ」
「あら、それは出来ないわよ?だってこうでもしなきゃ永遠にもう一人が出てこないままじゃない」
「………」
―――てめえの都合か由梨香!!(by 新一)
「工藤君。作者に叫ぶのは勝手だけど、貴方だってもう一人が必要な筈よ?」
新一の心の叫びをさらっと拾って(…)哀は更ににこやかな笑みで先を続ける。
その言葉に新一は首を捻った。
「どうして必要なんだ?」
「だって貴方一人で黒羽君1.5人の相手が出来るの?」
「1.5人って……ι」
どうやら哀の中では『かいと』は一人として認識されていないらしい(酷い!!by かいと)
その余りに余りな言葉には流石の新一もがくっと肩を落としてしまう。
「あら、間違ってないでしょう?」
あのサイズじゃ間違ってもKIDなんて出来ないわよ?
だとしたら半人前で充分じゃない。
「確かに間違っちゃいないんだろうけど…」
その言い方はどうなんだ?と少々快斗とかいとに同情気味の新一。
しかし、その頭には先程まで自分が快斗とかいとに言っていた中々素敵な発言など片鱗も残っていない。
結局…どっちもどっち(爆)
「それに…このままだと小さい黒羽君の方がきっと欲求不満で死ぬわよ?」
「欲求不満…?」
哀の言葉の意味が解らない、とことんと可愛らしく首を傾げた新一に哀は再び爆弾(…)を投下した。
「だって今のままじゃ彼は貴方と手を繋ぐ事も貴方に抱きつく事もキスも出来ないし、それ以上の事なんてもってのほかじゃない」
「!?」
「だから小さい工藤君も必要でしょう?」
「………」
なんとも微妙な理由に新一は複雑な表情を浮かべる。
確かに快斗とはその…まあ、つまりそういう事もある訳だが。
しかもあまつさえお世話になって、薬まで処方された事も過去にあったりはしたのだが…ここまであからさまに言われてしまうのも……非常に複雑である。
まあ、幼馴染の彼女に言わせれば「理解のある主治医でいいじゃない♪」で済んでしまうのだが。
「解った…」
これ以上反論すればどんな爆弾が降って来るか解らない。
流石にこれ以上の爆弾は避けたかった新一は(仕方なーく)その条件を受け入れる事にした。
「じゃあ早速細胞を貰うわね♪」
阿笠邸に珍しく機嫌の良い科学者の声が響いたのは言うまでもない…。
to be continue….
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