バスケットの中に居たのはリ○ちゃんサイズの恋人。
動きや喋り方からしてそれが人形とかそう言った類のものでない事は一目瞭然。
という事は……。
二人と二人の不思議な(?)生活
(お強請り編)
『哀ちゃんてば酷いよねえ。俺は荷物じゃないっつーの!』
ぶちぶちと文句を言いながら、「よいしょ」とバスケットをよじ登って出てきた快斗(らしい物体・笑)を新一はまじまじと見詰める。
「………快斗……なんだよなぁ?」
『うん♪』
にこっと笑った顔は確かに彼のそれで、大きささえ気にしなければ確かに目の前の人物は快斗なのだが…。
「じゃああれは誰だ?」
新一はそう言いながらテレビの画面を指差す。
そこに映し出されているのは怪盗KID。
それはつまり快斗は本来はあちらにいるという事。
『あ、俺仕事してるんだ』
哀ちゃん…タイミング狙って俺の事置きに来たな。
「………俺………?」
更に当惑気味に新一が目の前の快斗に問えば、快斗は苦笑しながら、
『哀ちゃんが3週間ぐらい前に俺の細胞持ってったの覚えてる?』
と尋ねてきた。
「………そういう事か…ι」
『そういう事♪』
漸く事態の飲み込めた新一は一気に脱力した。
詰まる所、お隣の科学者は快斗から取った細胞をしっかり培養したらしい。
「でも…」
『ん?』
そこまで納得した新一は当然その先を考えて、難しい顔になる。
「何で記憶があるんだ?」
細胞を培養しただけなら記憶はない筈だろ?
『あ、それ俺も思ったんだよねえ』
哀ちゃんのとこで目が覚めた時、一番最初に思ったもん。
まるで他人事の様にさらりと言った快斗に更に脱力感を覚えて、ソファーの背凭れに深く寄りかかった新一に快斗は苦笑しつつ説明してやる。
『哀ちゃん曰く「記憶転送装置のお陰よ」だってさ』
細胞取る時に序に記憶も取ったって。
「記憶…転送装置……」
アイツそんな物まで作ってたのかよ…ι
深々と溜め息を吐いた新一を見上げながら快斗はかわいらしーく小首を傾げる。
『だから、俺のこと此処に置いてくれない?』
哀ちゃんのとこから追い出されちゃったみたいだから俺今行くとこないの。
姿形は確かに恋人のもので。
しかもそのサイズは非常に可愛らしいリ○ちゃんサイズで。
しかもしかもそれに可愛らしく首を傾げるというオプション付きで…。
「もちろん置いてやるに決まってるだろ」
新一がそう即答したのは無理もない話しだった。
to be continue….
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