「しんいちぃ〜!しんいちぃぃ〜〜!!」


 泣き叫びながらリビングへと戻ってきた快斗に新一は首を傾げたのだった。








本当にあった怖い話?








「どうしたんだ?」
「出たんだよ!!」
「出たって何が?」

「幽霊!!」
「…………幽霊…?」


 快斗の言った言葉をきょとんとしながらも繰り返した新一に、快斗はぶんぶんと首を縦に振る。


「そう!幽霊がでたのぉ〜!!」


 泣きながら、けれどどさくさに紛れてぎゅうぎゅうと抱き締めてくる快斗に新一はどうやら自分の聞いた言葉が聞き違いではなかった事を確認して。
 可愛らしくことんと首を傾げた。


「幽霊って…あの幽霊だよな?」

 よく墓とかに出るっていう、一般的には白いぼやーっとした…。

「うん! あの幽霊!!」
「お前そういうの信じてたのか?」
「信じてないけど出たんだもん!!」
「………」


 何だか微妙に言いたい事が解らないと思いつつ、新一は何時もの様に顎に手をあててふむっと考えむ。
 信じてはいないがどうやら快斗は幽霊なるものを見たらしい。

 泣き叫ぶ快斗はとりあえずどうでもいいとして、幽霊云々は非常に興味深い。←既に推理モード(笑)


「お前はそれを何処で見たんだ?」
「屋根裏」
「……屋根裏?」

「うん。掃除しようと思ってドア開けたら人形が動いたのぉぉ〜!!」

「………」


 どうやら快斗は屋根裏の収納庫に入ったらしい。
 そこで人形が動くのを見た…。


「あ…」
「??」


 突然何か思い出したように声を発した新一に今度は快斗が首を傾げた。


「確かお前あそこに入るの初めてだったよな?」
「うん。初めてだけど…?」
「その動いた人形ってもしかしなくても入り口の真正面にある椅子に座ってる白磁人形か?」
「う…うん…」


 そうだけど何で解ったの!?と驚いている快斗に新一は一つ溜め息を吐いた。

 また犠牲者(…)が出たか…。


「アレは幽霊じゃない」
「え…? で、でも勝手に動いたんだよ!? 俺触ってないし…」
「…アレは機械人形なんだよ」
「機械…人形…?」


 突然告げられた答えに目をパチパチさせている快斗に新一はその詳細を説明してやる。


「そう、機械人形。扉が開いたら動くようにって、昔親父が面白がって作ったんだよ」
「な、何の為に…?」
「……『泥棒が入った時に面白いだろ?』とか言ってたけどありゃ唯の趣味だな」

 昔遊びに来た蘭が見て気絶したぐらいで今まであそこまで侵入出来た泥棒はいな……。

「新一?」


 いないと言い掛けて言葉を切った新一を不審に思った快斗が名前を呼べば、ニヤリと意地の悪い笑みが返って来た。


「お前が居るか♪」

 確かに親父の言う通りだな。

「………しんいちぃ…」


 確かに泣き叫ぶ面白い泥棒が見れたと楽しげに頷いている新一を快斗はじと目で睨むが効果なし。
 新一の楽しそうな様子は余計に増すばかり。


「親父に連絡すっかな♪」

 面白いもん見せてくれた礼は言わないといけないし。

「しんいちぃ〜!! それは嫌〜!!!」




 こうして工藤邸宅の怖い話し(?)は別の意味で泣き叫ぶ快斗を残し、無事(…)に解決したのであった。







END.


く…くだらない…ι
これで今日私が何を見てたかバレバレ(爆)
結構この手の番組好きv(笑)

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