硝子越しに見えたその姿に
思わずバスを降りてしまった
〜途中下車〜
降りる筈ではなかった停留所でバスから飛び降りて、少し遠くなってしまった後姿を走って追い掛けて。
交差点の信号で足止めされていた彼に後ろから抱き着いた。
「し〜んいち♪」
「っと……か…いと?」
軽めに抱き着いた快斗の反動で新一は少しだけ前のめりになってしまい、慌てて快斗はその身体を支える。
「お前なんでここに居るんだよ?」
確か友達と遊びに行くって言ってたよな?
「ん? バスから新一が見えたから追いかけて来ちゃったv」
ほんとは行くつもりだったんだけどね。
「お前友達は…」
「あ、信号青だよ〜♪」
新一にみなまで言わせる前に快斗はその手を引っ張り横断歩道を渡る。
「ったく…ちゃんと連絡はいれとけよ?」
快斗に手を引かれて、呆れた様に言いながらも新一は内心で喜んでしまっている自分に苦笑する。
まったく何時だって目の前の恋人は何よりも自分を優先してくれる。
それが何だか酷くくすぐったくて、ついつい口では捻くれた事を言ってしまうけれど本当は凄く嬉しかったりするのだから。
「は〜い♪」
新一の言葉に快斗は小学生の様な良い子のお返事を返す。
その返事に苦笑しながらも新一は素直に手を引かれたまま快斗と共に帰路につく。
「新一?」
「ん?」
「大好きだよv」
「……ばーろ///」
何よりも新一を優先する快斗と、それを内心では喜んで甘受している新一。
快斗の途中下車はこれからも増える一方かもしれない…。
END.
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バス乗ってて見えたら奴なら降りるだろう…(爆)