『愛してる』
だから駄目なんだ…
〜DA・KA・RA(side K)〜
「好き…だなぁ…」
何時もの様に遠くから彼を見詰めながら呟く。
それはもう毎日の日課。
自分を追いかけてくる名探偵の時の格好良い姿。
本屋で厳しい目をして本を吟味している姿。
学校からの帰り道で幼馴染と笑い合っている姿。
何時でも何処でも何をしていても彼は輝いていて、眩し過ぎる程の光を自分に与えてくれる。
その光に何度救われたか知れない。
手を伸ばしたいと思った。
彼が自分に少なからず好意を持ってくれている事も知っている。
もし手を伸ばせば彼からも手を伸ばし返してくれるかもしれない。
けれど…。
「駄目だよな…」
そう呟く自分が居る。
もし万が一にも彼が自分に手を伸ばしてくれても、その手を取ってずっとずっと共に歩んで行けるという保証はないから。
きっと自分の方が彼もよりも早く…。
自分が味わった様な苦しみは…大切な人を失う痛みを彼に味あわせたくはないから。
「だから…駄目なんだ」
傷付ける事が解っていながら手を伸ばすことなんか出来ないから。
だから伸ばしかけた手は、告げる事の出来ない想いはそっとそっと仕舞い込む。
――『愛してる』だから駄目なんだ…
END.
この曲は大黒さんの曲で一番好きvv
………イメージ的にこんな感じ?(違)
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