CANDY☆【翌日・朝食編】

 3.


 キッチンへと姿を消した雪花を横目に、快斗が声を顰めて呟く。

「それで哀ちゃん…実際は?」
「なにが?」
「あのコ、本当はどうしたのでしょうかι」
「身元不明の家出人…とか拾ってきたんじゃ…」
「失礼ね。あのコの方から勝手に来たのよ」

 いきなり始まった詰問(?)に、哀は不機嫌を露にした表情(NOT照れ隠し)で答える。

「さりげなく…記憶操作とかして…」
「──るわけないでしょ? 私をなんだと思っているのかしら…?」

「「マッドサイエンティスト」」

 哀の言葉に見事にハモった新一と快斗。

 ってか、そんな事口にしたら…

「……2人とも、よっぽど私をそうさせたいみたいね(妖笑)。事実にして上げましょうか? 貴方達2人で」

 …ほら。お怒りになった。

 こーゆーことは思ってても口にしちゃいけないンですよぉ?(by.雪花)


「快斗サ〜ぁン? コレ、持って来て良いンすかぁ?」
「へ? あ、ごめんごめん!」

 キッチンから姿を現した雪花の姿に、快斗が慌ててかけよる。
 その状況に哀も小さく息を吐き、それまでの雰囲気をかき消した…。

「あれ〜? なんかあったンすかぁ?」
「…なんでもないわ」
「?」

 のんびりと問う雪花に、さすがの哀も自分のペースを崩すらしい(笑)。
 そんな状況を眺め、

「(…ツワモノ…?)」

と、新一が首を傾げたのは…誰も知らない(笑)。



 ──かと思いきや。

「? 今、なにか言いましたかぁ?」
「?!」

 …やっぱり只者ではない、桜月 雪花。(てか既に人間外…?)

「気のせいでしょうか…? なんか言われたような…」
「……気のせい、じゃねぇのか…?」
「…ですよねぇ」

 持っていたお皿を快斗に渡し呟く雪花に、新一は内心で安堵の溜息を付く。

「……何者、なんだ?」
「さぁ…私にもまだはっきりとは…」
「哀ちゃんが横に置いたの、なんとなく解るよ。オレ…ι」

 残りの料理を取りにキッチンへと戻った雪花の背中を見つめながら、残った3人が密談を交わす。

「まあ、役には立つでしょう?」
「諜報能力もずば抜けてるみたいだし…」
「お前よりもか?」
「うん。びっくりした」
「へぇ…」

 素直に雪花の能力を認める快斗に、新一も素直に受け止める。
 普段、どれだけふざけていても…快斗の言う言葉に嘘はないから…

「…正直、あのコの存在自体が謎よね」

 ポツリ…と呟いた哀に、快斗が曖昧な苦笑を浮かべる。

「でも、それを調べる気はないんでしょ?」
「……そうね」


「「調べたら、知らなくて良い事まで知りそうだし」」


 見事に重なった快斗と哀の声に、思わず口元を押さえる新一。

「…やぁっぱ、世の中には知らなくて良い事もあるよね!」
「そうね…。ヘタに突付いて、自分の身に降りかかるのはイヤだし…」

 真剣な表情で語りあう(?)快斗と哀。
 そんな2人の背後から…

「──何が降りかかるンですかぁ?」

 …と、顔を覗かせる雪花(…)。

「「「うわぁ!!!」」」

 気配を全く(強調)感じさせる事なく現れた雪花に、3人が驚きの声を上げる。
 新一と哀に至ってはらしくもない大声(笑)。

「?!…な、なんでそんなに驚くンですかぁι」

 3人の声に逆にビビった雪花(爆)。

「い、今…」
「気配なかったよな…?」
「………」

 さすがの灰原さんも、雪花の人間外の多さ(今までのトータル統計)に引き攣り気味ι

 しかしそこは雪花。
 3人の動揺をしっかりと把握(…)しつつ、

「あ、これはこっちでいいですかぁ?」

 …すっとぼけた。

「へ? あ、うん! 真ん中に置いてくれるかな?」
「了解しましたぁ♪」

 手に持っていたお皿各種(?!)を丁寧に並べていく雪花。
 その手腕(?)は、先の快斗の比ではない…ι

「それじゃ、これで全部ですよぉ?」
「え? ごめん、手伝って貰うハズがやって貰ってる…」
「気にしないでくださぁい♪ 突然、朝食に押し掛けてるようなものですからぁ♪」
「あら…誘ったのは黒羽君の方よ?」
「そうだよ! せっちゃんが気にする事はないよ?」
「あはは☆ そう言って貰えると嬉しいですぅ」

 雪花の発言に、哀と快斗が反応を見せる。
 その様子がナニやら必死に見えるのは……気のせいでしょう。

 …きっとね(爆)。






雪花の人外っぷりが更に表に…(爆)
心の呟きまで聞こえるって…最強だよな…(笑)

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