Midnight clandestine meeting





 冷たい風が吹き続けるとあるビルの屋上。
 そこに、今日の気温からは考えられない程の薄着をした少年が1人…

「……名探偵…大丈夫ですか?」
「………」

 一仕事を終え、いつも通りに中継地点へと降り立った怪盗。
 そこにいた本日の招待客の姿を視界に入れ…最初の言葉が、その身体を気遣うものだった(笑)。

「こんなに気温が下がるとは思わなかったンだよ」

 腕を摩りつつも呟く少年。
 普段は何があっても強がっている彼が、ここまで素直に言動で現すとは……はっきり言って異常である。←酷。

「…とりあえず、話進めよーぜ?」
「しかし…」
「さみぃンだよ!」

 摩っていた腕を下ろし、ポケットに入れていたMOを差し出す。
 そんなコナンの姿にキッドも右の掌を広げ、ぽんっとCD-ROMを出現させた。

「前に渡した情報の裏付けと補足データが入ってる」
「…こっちも似たようなもんだな。あと、気になった宝石のデータか」
「ありがとうございます」
「時間が無かったからな…MOだけど」
「充分です」

 …淡々と進められるやり取り。
 既に何度と繰り返された情報の交換。

 予告状に記された特別な暗号は、2人だけの密会への招待状…


「それより、本当に大丈夫ですか?」

 交換した情報の入ったディスクを再びマジックで仕舞うと、キッドはそう心配げな表情でコナンを見た。

 ──例年よりも冷え込んだ、と言われる今日の気温。

 ましてここは屋上だ。
 吹きつける風と体感温度はそれ以上で…

「ああ…、なんとかな」

 同じように受け取ったディスクを仕舞いながら呟くコナン。

 しかし、その言葉を紡ぐ唇は…青白く震えている…


「……では、今日はこの辺で…」
「そうだな…」

 キッドの言葉にそう一言だけ返事をし、そのまま扉へと歩き出す。
 こうして密会するようになってから、コナンはいつもキッドより先にその場所を後にする。
 そして、その姿を見送ってから、キッドも天空へとその羽根を広げる。

 …だが…


「本日は、もう少し私にお付き合いください」


 コナンを背中から抱きしめる形でその動きを封じ、伝わる冷たさに一瞬眉を顰め…それからキッドはにっこりと微笑んだ。

 突然背後から覆い被さった『白』。
 何処か安心感のある、心地良い体温…

 慌ててコナンが顔を上げれば、頭上で微笑む魔術師が1人──


「な、なんだよ!!」
「本日の用件は先ほどで終わりましたよね?」
「あ? …ああ、そうだな」
「ですから、これから少しだけ私に付き合って下さい」
「はぁ?!」

 心地良いと…それに安心してしまった自分を誤魔化すように暴れれば、キッドはきつくなく、それでいて決してその腕の拘束を解かない強さでコナンを抱きしめ問う。

 今日の用件──ディスクの交換──は確かに終わっている。

 だから大人しく頷けば、今度は有無を言わせない言葉が返って来る。
 それにらしくも無い声を上げれば、キッドはその辺りも予測済みとばかりに言葉を紡ぐ…。

「ですから、この後の名探偵のお時間を少しだけこの怪盗に分けて頂きたいのです」
「……なんでだよ」

 自分を落ちつかせるように溜息を付き、身体の力を抜く。
 それが解ったキッドの腕の力も弱まると、コナンはくるり…と身体の向きを変えた。

 …膝を付いた状態のキッドを見上げる。

 間近で混ざり合う、2つの視線…


「貴方との時間が欲しい…」

「…………」

 真剣なその眼差しに、コナンの身体は金縛りにあったように動かなくなる。
 そして…

 ……その言葉が、キッドの本心なのだと解る──


「分けて、頂けますか…?」

 小さく切なげに呟かれた言葉に、コナンの心音は本人の意思とは別にその鼓動を早める。

 この鼓動の意味するものがなんなのか…
 金縛りにあったようなあの感覚がなんなのか…

 …今の段階では解らない。


 ──でも…



「1時間、だけなら……いいぜ」


 この腕の中は、居心地が良いものだったから…



 …まあ、いいか。







きゃぁvv素敵ですよv『深夜密会』ですよ〜vv(興奮)
しかもラブラブだぁ〜v(落ち着けι)
最後のコナンさんが…コナンさんがvv
続きのお買い物も…v(妖笑) 雪花姉素敵なブツをありがとぉ〜♪

Midnight shopping

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