自分の音を聴く習慣
自分の音を聴く習慣
皆さんは、ピアノを演奏する上で、
『間違わないで弾くのが一番大事!』
と、思われますか?
生徒さんの中には、
「間違えないで弾けたらそれでよし!」
と思ってしまっているケースが多いような気がしています。
ある程度は間違えないで弾けるよう、曲を弾き込まなければなりませんが、ただ楽譜通り弾いてみたところで、
『本当の音楽の喜びや奥深さ、楽しみ』
といった事は、なかなか味わえないのではないでしょうか。
年齢や進度に関わらず、演奏上大切な事は、
『一つ一つの音の響きを聴きながら丁寧に響きをつなぐ』
でしょう。
そうすればレガートや強弱など、自然な形で音楽的表現ができるようになります。
その為には、
『頭のなかで出したい音や表現したいフレーズがしっかりとイメージ』
されていなければ、実際にはそんな音は出せません。
ですから教師は生徒さんに、曲や音のイメージをしっかりと伝える必要があると考えています。
長い全曲通して一つ一つの音を全部集中して音を出し、その出した音の質を全身で聴いて弾くことは、大人の私でも大変難しいことです。
しかし、小さいお子さんは小さいなりにも、短い時間でしたら出来ると思います。
たとえ短いワンフレーズだけであっても、集中して自分が出した
『音の質を全身で聴きながら演奏する』
という事を知ってもらいたい。できれば身につけてもらいたいと考えています。
実際には、小さいお子さんに集中を求めるのは、とても難しいことなのですがね。(^_^;)
また、単に
『楽譜通りに1本調子に弾きました!』
といった事を積み重ねていると、いつかピアノが弾けなくなり、ピアノから離れてしまうように思っています。
いつまでも『楽しい、楽しい音楽』だけやっていたのでは、ピアノの上達は難しくもあります。
『楽しい、楽しい音楽体験』
は導入期にはとても大切な事ですが、それ以後は楽しい事と平行して、
『集中して自分が出している音の質や響きを聴く事習慣』
が身につくように、レッスンの中で配慮していきたいと考えています。
『情操教育』とよく言われますが、上達する喜びや、目標達成感、そして音楽の持つ『芸術性、神聖、喜、哀』などを味わう体験もお子さんの情操教育となるのではないでしょうか。
難しい事を書きましたが、実際のレッスンでは生徒さんの様子に合わせているんですよ。
生徒さんがとても元気な時や、逆に元気がない時は音楽に集中出来ませんから、学校の様子を聞いたり雑談しながら、次第とピアノに向かえるようにしたりしています。
生徒さんの精神的成長や性格、音楽的な経験に合わせるレッスン内容に自然となってくるようです。
次は、演奏で必要なイマジネーションについて。