『…あいつ…今日も来てたな…』
















とある休日。

本日の練習試合を快勝した湘北高校バスケット部の控え室では、

メンバーがそれぞれ今日の勝利を喜んでいた。

インターハイ出場への幸先のよい出だしなのだから当然だろう。

そんな中で、一人だけ憂い顔を見せるのは三井寿。

頭からタオルをかぶったままパイプ椅子に座り、その視線はぼんやりと空中を見つめる…















三井は今日、いつになく活躍した。

湘北高校の全得点、120点中の三分の一を得意の3Pで稼いだ男。

その働きは彼が師と仰ぐ安西監督にも認められて、

いつもならば一番喜んでいるはずの三井。













だが、彼の頭の中にあるのは今日の自分の活躍ではなく

ギャラリーで自分たちの応援をしていた一人の少女…。

の姿だ。

三井がバスケ部に復帰してからは毎日のように練習を見学に訪れていた

今日だって怯むことなく徳男たちの隣に陣取り、

あの流川親衛隊をも上回るほどの声援を自分に送ってくれていた…。













優秀な成績に加えて、その整った容姿と人懐こい性格で人気のあるのことは三井も知っていた。

三井がバスケを離れていた理由を知っているにもかかわらず、が明るく接してくれるのがうれしくて、

気がつけば、と会うたびにちょっかいを出していた。

最初はかわいい女の子と親しくできるのが嬉しいだけだったはずなのに

いつの間にかその気持ちは、を想う気持ちに変化してしまっていた。



































『…告ったら…うまくいくか?…あいつ…オレのもんになる…?…』





































昨日の部活終了後

流川は確かに、の好きな男は三井だと言った。   

だったらこの想いは伝わるだろうか…















































『あいつもオレが好きっつーなら、うまくいく…よなあ??』

















最初の憂い顔はどこへやら、三井の目が光る。

























『オレはあいつが好きだ。あいつもオレのことを好きだ。』





































『オレは今日、メチャクチャ運がいい』









































『運がいいっつーことは、今日あいつに告れば…返事はOK?楽勝じゃねーか!!!』



































三井寿、思索の旅からただいま帰還。

思いたったら即行動の三井は、ちょうどよく監督とキャプテンの話が終わっていたのをいいことに

鞄をつかんで控え室を飛び出した。















「待ってろよ。今から告ってやっからな!!!」























後書き

  一真の文章は、どうも論文調…。
  心理描写が下手くそで申し訳ないです。

  一真の中の三井は、不言実行タイプです。
  でもまあ、三井の場合は猪突猛進とも言う…  
  説教くさかったりいちいち細かい男はどーもダメですね。
  男は少しぐらい考えなしで、突っ走って後で後悔してるぐらいのほうがかわいいかとw

 




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