体育館では、いつものようにバスケ部の白熱した練習が行われていた。
入り口付近は女子生徒でいっぱい。
1年の…なんとか…という部員の親衛隊だとか何とか…
以前に教えてもらったが、覚えていない。
同じクラスで男バスのマネージャーをしている彩子のコネで、二人はいつもギャラリーから練習を眺めていた。
手すりにへばりつくように練習を…いや、三井寿を眺める。
は置きっぱなしにされている椅子に座って読書タイムだ。
バスケを離れていた三井が部に復帰して一ヶ月
毎日見られる光景である。
「おおっ、さん!今日もいらしている!!」
アリーナは今、休憩時間。
ギャラリーを見上げた花道が、の姿を見つけてガッツポーズをとる。
入り口付近で騒いでいる女子とは違い、ただ練習を見つめる。
の知名度もあるが、態度のいい観客のは部員に歓迎されていた。
ほとんどの部員は遠くからの姿を眺めるだけだが
花道や宮城、三井は早速のすぐ下へと集まってくる。
「さんっ!天才桜木の華麗なリバウンド見てくださいましたかっ!!」
「うん。上達したね〜、花道も。さっすが天才☆」
に褒められ、花道は『ほんわ〜』という表情をする。
思わずバックに花が飛ぶほど幸せそうな顔だ。
『さん…やはりこの桜木が目当て!?』
勘違いも甚だしいが、どこか憎めない男だ。(by)
「ちゃん、そんなとこじゃなくて下で見ればいいのに」
「いいの。ここのがみんなの動きよく見えるし」
の返事に、宮城は困惑している。
実は、も誰かが目当てで見学に来ていると踏んでいる宮城だったが…それが誰なのかがいまいち謎。
『う〜ん…謎だ…。まさかオレ???はっ!!でもオレには彩ちゃんが…』
宮城…あほだ…(by)
「パンツ見えんぞ?いい眺めだぜ」
「ふふ。可愛いパンツでしょ」
上を見上げてニヤリと笑う三井。
このときばかりはも本から顔を上げた。
ほかのみんなへするのと同じように答える。
相手が好きな男でも、媚びを売ったりしないのがのいいところだ。
それでも内心は緊張している。
彼女の心理が手に取るようにわかり、は少し笑って再び本へと目を戻した。
「そろそろ練習再開だぞ」
木暮に声をかけられ、三人は仲間の元へ戻っていく。
三人がに背を向けると、の視線は自然に三井の背中を追っていた。
『…がんばってね。三井センパイ…』
三井の後ろ姿を見つめてガラにもなく乙女気分に浸っていただが
ふと…視線を感じて下を見た。
「楓じゃん」
「…ウス…」
後書き
ようやくさんと三井が絡んだといのに・・・これだけ???
ごめんなさい・・・。
ようやく流川の登場ですね。
次回は流川とさんの絡みがメイン。
さん、もうしばらくお待ちください・・・。
次のお話