わかる「時間」1

 

 (以下「」内は上記本よりの引用)

 

1 時間の考え方

ニュートンの考えとアインシュタインの考え方について比較してみます。

(1) ニュートンの考えた時間

 絶対的な時間を考えた。時間は外界の何者にも関係なく均一に流れる。

(2) アインシュタインの考えた時間

 時間は伸び縮みする。時間は速度や重力によって進み方が変わる。

2 二人の考えた時間の比較

(1)ニュートンの考えた時間の考察

 私の周りにあるものすべては、私と同じ時刻にある。今あるものはすべて今、という時刻にある。

 私が今打っているパソコンは、今、という時刻を私と共有している。

 外の太陽の光は、8分前に太陽を出て、8分間光速で進んできて、今、私のところに到着した。

 このように、実際の観測では、(今)という時刻は、身の回りに関しては、全てに共通な瞬間である。(今)の中に、過去や未来は混ざっていないと考えられる。

 このこと、日常生活で時間の違いがないことを、相対性理論では「光速に近い速度で動く場合や、ひじょうに大きな重力のもとで顕著に現れる効果です。日常の生活では、どの人の時間も同じ速さで流れていると考えてよいでしょう。」と事実と相対性理論が一致することを述べている。しかしそうだろうか。科学はそんなにあいまいなのだろうか。

(2)アインシュタインの考えた時間の考察

ア 速度によって時間の進み方が違う。

例1 エベレスト山頂の時間

 海抜0mの時計にくらべ、「100年あたり300分の1秒ほど速く進む」

 このことから、3万年で1秒、300万年で100秒の違いがでる。3億年で10000秒の違いがでる。これは、2時間と46分ほどである。

 このことから、エベレストができてから今日までに、海面と、エベレスト山頂では、2時間ほどの違いが出ている。エベレスト山頂は2時間未来にあるということになる。

 すると、ヘリコプターで山頂に飛んだ人は(撮影などでけっこう行っている)、2時間未来に行ったということになる。未来に行けるヘリコプターはタイムマシーンである。

 こんなことはありえない。現在の機械で、2時間未来に行くことのできる機械は存在しない。

 エベレスト山頂は海面と同じ時刻、(今)、を共有している、ということができる。決して未来ではない。アインシュタインの考え方は、現実に一致していないといえる。

 この例においては、ニュートンの絶対時間のほうが事実に一致しているといえる。

 イ 「私たちには気がつかない」

 速度や、重力による時間の変化は「あまりにも小さく、私たちには気がつかない」

考察1 上記、エベレストの例から

 1時間や、1日くらいでは差は人間には見分けがつかなくても、時間は累積されるから、3億年たてば、計測できるほど時間の差は出てくるはずである。上に見たように、その時間の差は現実には何一つ現れてはいない。

考察2 GPS衛星の例

(例)GPS衛星の原子時計では計れる、ということである。実際「相対性理論のずれ」を補正しているという。

 人間の手で、ずれを補正しているということであろう。補正は、地上の時計に合わせているのであろう。

 時計の進み方が違うということは、地上とGPS衛星との本質的な時間の進み方も違うということなのであろう。そして、GPS衛星の時間の進み方が早いという主張である。

 (考察)

 誇張された図(P19)では、地上の時計15秒に対して,GPSの時計は18秒進んでいる。

 この例から考えてみる。地球上で1日たつと、GPS衛星の時間は24時間×18÷15時間進んだことになる。28.8時間である。

 地上の時計が24時間進む間に、GPS衛星の時計は、28.8時間進むことになる。本質的な時間もこれに準じて進んでいるということである。

そこで、仮想実験をしてみる。

 2009年1月1日午前0時に計り始めるとする。

 時刻の差の表

地上の時刻

GPS衛星の時刻

1月1日0時

1月1日0時

1月2日0時

1月2日4時48分

1月3日0時

1月3日9時36分

1月4日0時

1月4日14時24分

1月5日0時

1月5日18時32分

1月6日0時

1月6日23時20分

1月7日0時

1月8日4時14分

 この表で見ると、6日たつと、ほぼ1日の差が出ることになる。この差を,GPSの時計を補正することで地球時刻に合わせているということである。

 時計はいくらでも合わせることができる。時計は実際の時間ではなく、ただ、針の回転あるいは、原子の振動であるからである。(原子の振動である場合は、時計を進めるには電子の振動を無視して、針だけ進めなければならない)だが、実際に経過した時間を人工的に合わせることはできない。

 GPSの時計を地上に合わせる反対に地上の時計をGPSに合わせてみよう。これも可能なはずだ。1日ごとに合わせるのは面倒なので、7日午前0時にそれまでを一括して合わせる。すると、1月7日0時から1月8日4時14分まで地球上の時間が飛んでしまう。その間の地上の時間はどうなったのだろう。

 GPSの時計は自由自在に動かすことができる。しかし,GPSそのものが経過した時間を動かすことは人間にはできない。それは地上の経過時間を人間が動かすことができないことと同じである。

 もし、時計の針を動かしてGPS衛星の本質的な時間も変わるなら、どのような乗り物でも時計の針を動かすだけで、本質的な時間が変わるはずである。すると、車に乗って、車の時計を進めたり戻したりすると、西暦3000年の未来の世にも、西暦100年の過去にもすぐ戻れるはずである。

 SF小説では、時計を、西暦100年1月1日に合わせると、タイムマシーンは、現在からその日にタイムとラベルする。アインシュタインの時間の伸び縮みは、いくら時刻が変わっても、その時刻には飛んでいかずに、いつまでも現在の(今)に0.001秒も違わずにぴったりついてくる。

まあ、GPS衛星が、とつぜん消えて、明日の地球に現れたら困るものね。

 したがって、相対性理論が正しければ、西暦2009年1月7日0時の空に、西暦2009年1月8日4時14分のGPS衛星が浮かんでいるということになるわけだ。1日と、4時間14分未来である。われわれは望遠鏡で、未来を見ることができるということである。

 アインシュタインの論では、GPSの速度や高度(重力)が違えば、時間の進み方がそれぞれに変わる。今、たくさんの人工衛星が、地球上空を飛んでいる、それぞれに、速度も、重力も違うから、それぞれに地球上と、違う時刻である。その人工衛星も、自分の時刻の地球に飛んでいかずに、ちゃんと現在の(今)という時刻の地球上空を飛んでいる。律儀なものだ。

 これは、速度も、重力も(今)という時刻を変えることはできないということの証明である。アインシュタインではなく、ニュートンの時刻のほうが現実には一致するのである。

 もちろん、この図は誇張されている。実際は、ひじょうに小さなずれだから人間には気づかないから大丈夫であるという論理なのだが、そんなことで科学はいいのだろうか。時刻が違えばどんな小さな時間でも、同時刻の世界にタイムとラベルすべきなのだ。

 相対性理論家は、違った時刻の事物が、今という時刻に同時に存在するという現象を説明する必要がある。そして、それが、エベレスト山頂や、GPS衛星の時刻にではなく、必ず地球上の地表の(今)の時刻に必ず一致するという理由も説明しなくてはならない。その理由を説明できる相対性理論家はいないでしょうが。

 ニュートンの絶対時間なら、何の説明の必要もない、事実と一致するからである。単純明快である。

 このことから、時間は伸び縮みしないということが明らかになる。

したがって、P37にある、ロジャー・ベンローズが。「地上で静止していた時計と、航空機で運んでから地上に戻ってきた時計の進みとの間に食い違いが生じることが直接的に観測されているのです。」ということも、違う時刻なのにどうして今という時刻を共有しているのか、ということを説明できなければならない。

3 結論
昨日のあなたが今日にこれないように、今日のあなたは昨日にはいけないのです。

 (追記:GPS衛星の時間のずれは後で説明)

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