「村山博士が語る宇宙の果てをめぐる最新宇宙論」(Newton2013年5月号)への疑問8 (p30〜31)
著者 高田敞
問題
{宇宙は急速膨張する前、原子(1ミリメートルの1000万分の1程度。約10−10メートル)よりもはるかに小さい時代があったらしい}
考察
すごい話ですね。この宇宙には現在観測できる範囲にも、銀河が1千億個はあるといわれています。それがそんな小さなところに詰まっていたというのですから、すごい話ですねえ。どうやって詰め込んでいたのでしょうね?不思議ですねえ。
(1)ビッグバン宇宙論とは
手品師が現れます。バケツの中を見せます。なにも入っていません。バケツに風呂敷をかぶせます。ワン、ツウ、スリーで、風呂敷を取ります。すると地球がボンと出てきました。信じますか。私は信じません。そんなことがあるわけないからです。常識で考えると解るでしょう。ビッグバンとは、これの、超巨大なことが起こったという主張です。もちろん手品師は抜きです。
ビッグバンはそんなことじゃない、って。そういうでしょう。もちろん。ではバケツの手品とどこが違うか考えてみましょう。
ア バケツの手品と、ビッグバンの違い
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バケツの手品 |
ビッグバン |
出てきた場所の大きさ |
40cm |
10−10mよりもはるかに小さいなにかから |
時間 |
ワン、ツウ、スリー |
10−36秒 |
出てきたものの大きさ |
地球 |
全宇宙 |
出てきた場所 |
バケツの中の空っぽ |
謎の超ミクロな真空、すなわち超小さな空っぽ。 |
膨張速度 |
バケツから地球まで |
10−36秒の間に、1043倍に大きくなった。(元の大きさが不明だから、実際にどれだけ大きくなったかは不明。人により種々ある。 |
長さや大きさが違うだけです。根本的にはなんの違いもありません。空っぽの、バケツから、地球が出たのと、空っぽの、真空から、宇宙が出たのですから、何にもないところから、突然物質が生成したということには変わりありません。
では、何が違うかと言うと、手品の方は、みんな常識で判断できる範囲のものです。だから、バケツから地球が出てくるなんて嘘だ!と判断できます。だから、誰も嘘だと見抜きます。ところが、ビッグバンの方は、10−36秒など、人間が具体的に思い浮かべることができないような極端な数値ばかりになっています。真空だけは具体的そうですが、それでは困るので、偽真空とか言っている理論も有ります。真空でも分かりづらいのに、偽真空ですからなんだって飛び出てきそうです。
たとえば、これが、全宇宙が飛び出すのではなく、1mmほどの空間から、太陽が飛び出てきた、となると、ほとんどの人が、まさか、と思います。1mmも太陽も判断できる具体物だからです。
ビッグバン説の場合、総てが具体的に想像できないから、嘘だと思う手掛かりがなくなるのです。要するに詐欺師が使う手とそっくりです。相手に判断材料を与えない、ということです。
もう少し詳しく述べてみます。ひつこいと思ったらとばしてください。同じことですから。
「バケツ」は判断できます。「ワン、ツー、スリー」も判断できます。地球も判断できます。見聞きしていることです。だから、バケツから地球が出るなんて、ばかばかしくて、冗談にもなりません。
では、コップにハンカチをかけてワンで太陽が出てきました、とします。すると、どうなるかというと、やっぱり、だれも信じないでしょう。コップから太陽が出てくるなんてあるわけないのを知ってますからね。
そこで、コップをさらに小さくします。10−10mです。そしてコップの代わりに、真空にします。時間も10−20秒にします。出てくるものも、謎の光と、なにかの宇宙の元です。空間も、時間も、謎の、エネルギーも謎の物質も、ヒッグス粒子もいっしょくたにした、謎の宇宙の元になるなにかが飛び出る大爆発です。これだとどうでしょう。そうなんですよ。これならあり得るかもと少し考えだします。だって、否定するにも手掛かりがないのですから。
ビッグバン論は「バケツ」が「謎の真空」になり、時間が、ワン、ツー、スリーから、10−36、になり、地球が、全宇宙と空間と時間になっただけです。
どこが違うのか、というと、現象が、ただ非常に極端になっただけです。それ以外に違いはありません。
それなのにみんな信じるのです。単に手品にしか過ぎないのに、見ている人にはそのトリックがどうしてもわからないから超能力だと信じたのと同じ原理です。判断を超えることを見せられると、信じてしまうのです。
その上、偉い学者が何人もそう言っているし。マスコミも、みんなそう言っています。もう、疑いようがありません。
では、証拠はあるのかと言うと、バケツの手品も、ビッグバン理論も、どちらも証拠は何一つないのは同じです。いや、銀河の赤方偏移と、宇宙背景放射があるというでしょう。そんなのは実証ではありません。その現象から推測しているだけです。実証と勘違いしてはなりません。先に書いたように、銀河の赤方偏移は、銀河の光が宇宙空間の物質に当たってエネルギーを減じるために起る現象ですし、宇宙背景放射は星間物質が出すマイクロ波とも考えられます。共に、現在までに分かっている物理学で充分に説明できるし、実証もされている理論です。反対に、ビッグバン説の、小さな真空から全宇宙が生まれるということ(量子論など持ちだして説明しているけれど、量子論は、宇宙最小のエネルギーの世界です。ビッグバンは、宇宙最大のエネルギーの世界ですから、量子論で説明できる現象ではありません)、空間膨張や、光速を超える膨張速度や、137億年前の光が空間膨張によって引き延ばされることや、いまだに宇宙に満ちているなどという現象は現在までに分かっている物理学では、何一つ説明も証明もできていない現象です。理論も証明もある方が正しいのか、理論も証明もない方が正しいのか。なんの変哲もない、普通の現象が正しいのか、奇妙奇天烈で、謎に満ち、とても面白い方が正しいのか。どちらが正しいかは科学では明らかです。科学を凌駕する神の世界では謎の方が正しいと言えるかもしれませんが。
違いはもう一つあります。バケツから鳩を出すのは手品師です。では、真空から、宇宙を出すのは誰でしょう。神です。ローマ教会は、ビッグバン宇宙論を新天地創造と位置付けています。
そんなことは関係ない、という人もあるかと思いますが、これも、ビッグバン宇宙論を支えている大きな要因です。天動説を支えていたのが、ローマ教会であったのと同じです。本当はビッグバン論を支えている一番の要因はこのことなのかもしれません。
次に書くインフレーション理論もその典型です。
{インフレーション理論}
{誕生直後の宇宙が、1秒の1兆分の1の、1兆分の1の、更に1兆分の1程度の間(10−36程度の間)に1兆の1兆倍の、1兆倍の、更に1000万倍の大きさ(1043倍の大きさ)に急速膨張したと考える理論である。}
これは、{原子1個が銀河(直径数10万光年程度。約1021メートル)よりも大きくなるようなものだ。}
考察
これまたすごいことです。
これだと、1秒間に1079倍に膨れ上がることになります。原子だと、銀河の大きさの1058倍になるということです。もちろん想像すらできませんね。この{観測可能な宇宙}(半径470億光年)よりはるかにはるかに大きくなってしまいますね。たった1秒でですよ。
{{宇宙は急速膨張する前、原子(1ミリメートルの1000万分の1程度。約10−10メートル)よりもはるかに小さい時代があったらしい}から考えても、インフレーションが1秒続くと、やはり、{観測可能な宇宙}より、はるかに大きくなってしまいます。
それじゃ、ハッブル定数がどんなに頑張っても、137億年前に宇宙は1点に収縮しません。銀河の後退速度をさかのぼると、1点に収縮するというのが、ビッグバン宇宙論の唯一の証拠なのだからそれでは困りますね。
ではどうするかというと、素人でも分かります。インフレーションの時間を短くすればいいのです。どうせそうなんでしょ。10−34秒とか、で終わったとか、10−32秒とか、で終わったとかいうことにするのでしょう。
今中心なのは、1m宇宙ということのようです。インフレーションは、1mの大きさで終わったというのです。宇宙もメートル法ですか。地球の大きさを尊重して、ぴったり、1mにするとは、なんと奥深いことでしょう。ところで一体何秒かかったのでしょうね。
ほかにもインフレーションはあったが、急膨張して宇宙のかなたまで広がった。インフレーション宇宙の中心で、今度はビッグバンが起こり、新たな膨張が起こり、この宇宙になった、という意見も見ました。
インフレーションは、10cmで終わったという意見もありました。
とにかく適当なんです。10−36秒も、1043倍の大きさも、上のことのすべてに科学的根拠も、実証もありません。単に思い付きです。なぜなら、今解かっている物理学の法則で証明できることは何一つないからです。想像を絶する数字を並べておけば、みんな度肝を抜かれて信じるから、大きな数字を並べているだけです。「法螺はでっかく吹け」と昔からいいます。まあ、言ったもん勝ちですから。どうせ、実証はできないと踏んでいるのですから。