V ええとこ取り

 
{相対性理論の防御方}


1 ゆれる水星

 重力で空間が曲がるということの証拠に、水星の公転軌道がゆれるというのがあります。水星は、ケプラーの法則から計算された軌道と少しずれて公転しているのが観測されています。回転するたびに元に戻らず、少しずつ回転円がずれていくそうです。

 この原因が、重力で空間が曲がるためだと相対性理論の信奉者は言います。太陽と水星の重力だけではなく、他の惑星の重力を入れて計算しても水星がふらつく現象と一致しなかったのです。そこで、水星の内側に未発見の惑星があるのじゃないかという学者がいて、探したのですが、とうとう発見されませんでした。これはもう相対性理論しかないというわけです。

 ある学者が、太陽が完全な球ではなく、赤道方向が膨らんでいたら、水星の公転円がふらつくのじゃないかと提案しました。すると、相対性理論家は、太陽が完全な球ではないという証拠がないのでその説はだめだと否定しました。それでどうしたかというと、そのまま、重力のために空間が曲がったのが原因だというのです。重力のためだということをいうなら、疑問が出たら、率先して解明しなければならないはずです。そして、太陽が完全な球であるということを実際に証明しなければなりません。相対性理論は正しいのだから文句ある人が調べろとでもいうのでしょうか。

 また、相対性理論を証明するとされる現象が観測されたら、決してそれを検証しないのです。先に書いた、電子の、速度による質量増加や、重力レンズや、実際に測った時計の遅れなど、どれもちゃんと検証していないのです。相対性理論の特徴です。

 月も、やはりゆれています。毎年数センチずつ地球から遠ざかっているのが観測されています。でもこれは、地球や月の重力で空間が曲がったからとは誰もいいません。これは月と地球の引力による、潮汐作用が原因だそうです。

 月と地球では、旧態然とした、ニュートンやケプラーで十分説明がつきます。相対性理論の出番はありません。水星と太陽では、相対性理論で、ニュートンやケプラーは追いやられます。月と地球に潮汐作用があるのなら、水星と太陽に潮汐作用があっても不思議じゃありません。むしろないほうが不思議です。地球が、自転のために赤道方向が膨らんでいるのだから、太陽も自転しているので、そのために膨らんでいても不思議じゃありません。むしろ膨らまないほうが不思議です。それを否定するなら調べる必要があります。

 ここでも相対性理論の話の展開に見られる、正確に観測できるところはニュートンで、よく観測できないところでは相対性理論でという特徴がよく現れています。

 

2 カミオカンデ

 カミオカンデはすばらしい施設です。ニュートリノの発見でノーベル賞をとりました。今度、ニュートリノの質量を発見したというので、ノーベル賞の候補になったといいます。残念ながら、賞は逃したみたいですが、すばらしい施設であることには違いありません。

 この施設は、もともと、相対性理論の予言する陽子崩壊を捕らえるために建設されました。ところが、いくらやっても陽子崩壊は見つかりませんでした。そこであきらめて、ニュートリノ観測に方向転換したのです。そしてノーベル賞をとりました。

 では、陽子崩壊の観測はなんだったんだということになります。まるっきりの失敗だったのでしょうか。相対性理論家はそういうでしょう。施設が悪いか、技術が悪いか、現象があまりにまれだから起こらなかったかのどれかだというでしょう。

 そうでしょうか。

 施設と、技術のすばらしさは、ニュートリノの観測で十分証明されました。では、残るは、「現象がまれにしか起こらないから、観測中は起こらなかった」ということになります。相対性理論得意の、見つからないだろうです。そうでしょうか。

 

3 結論

 一般的には、理論と実験結果が食い違うときは、実験を疑うのと同時に、理論も疑うものです。しかし、理論があまりにもみんなに受け入れられていると、実験や、観測のほうだけが疑われてしまうのです。天動説にしろ、大陸移動説にしろ、マイケルソン=モーリーの実験にしろそうでした。

 今回の場合は、「陽子崩壊は存在しない。」という結果が出たのではないでしょうか。あれほどのすばらしい設備と技術です。陽子崩壊があれば必ず見つけています。それが見つからなかったというのですから、陽子崩壊は存在しないのです。相対性理論のほうが間違っているのです。「あまりにまれだから、観測されないだろう」などという、いつもの手に乗せられてはだめです。それじゃ、王様の仕立て屋です。

 同じような問題に、モノポール問題があります。この粒子は、相対性理論では宇宙にたくさんあるはずなのに見つかっていません。見つからない原因さえ分からないみたいです。そこで、インフレーションビッグバンとかいうSF作家さえ思いつかないとてつもない理論を発明して、なくてもいいことにしてしまいました。そんなことはないのです。原因は理論が間違っているからなのです。

 重力波も、すごい施設を作って観測しているのにやはりいまだに見つかっていません。日本もこの施設を作るそうです。この装置は、マイケルソン=モーリーのエーテル検出装置と同じ構造をしています。エーテル検出に失敗したために、エーテルがないのが証明されたように、やはり、検出できなかったという理由で、この装置で、重力波が存在しないことが証明されるかもしれません。でも、多分、装置が悪いか、現象が非常に検出しづらいからということになって、理論が間違っているということにはならないでしょうが。

 アメリカはこの前、CP−Bという人工衛星を打ち上げて、レンズ・シリング効果というのを検出しようとしています。回転する地球の重力で、時空が引きずられているはずだというのでそれを検出しようというのです。あと1年ほどで結果が出るそうです。 なんか時空ってエーテルそっくりですね。

 見つかるかしら。私は見つからないと思います。ぜったいに。空間なんて、言葉以外に何にもありません。何にもないものがどうして引きずられるのでしょう。引きずられる前は何にもないのです。引きずられた後にも何にもないのです。なんにもないものどうしをどう比べるというのでしょう。時間だって、実際は何にもないものです。時間のどこをつかんで引きずるというのでしょう。そのうえ、まるで違う概念の空間と時間を一緒くたにひっくくって引きずるというのです。まあがんばってください。

 見つかれば、相対性理論者にとっては万々歳です。でも、見つからなくても不思議なことに相対性理論には影響はないでしょう。そのときには見つからない理由がちゃんと出てくるでしょうから。なんか相対性理論て、ええとこ取りだけみたい。

 

 

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