[ 雷鳥は鶏より早く歳をとる 


 重力は時間を遅らせると相対性理論はいいます。すると、地上の鶏より、富士山頂の雷鳥のほうがかかっている重力が小さいので、早く歳をとることになります。

 

1 問題

 重力が時間を遅らせていることを確かめるために実際に行われた実験をもとに、本当に時間が遅れているのかを考えて見ます。

 

2 考察

(1) エッフェル塔の実験

 ガモフの書いた「不思議宇宙のトムキンス」によると、相対性理論を検証する実験はエッフェル塔を使って行われたということです。エッフェル塔の上と下に時計を置く(300メートルの高低差)と「地上の時計は0.99999999999997という因子だけゆっくりと進む。」という結果が出たそうです。これが、重力による時間の遅れの検証だそうです。すばらしい精度の時計ですね。
 そこで考えます。
 上のことから考えると、遅れは、0.00000000000003の因子になります。
 では1億年たつとどれだけ遅れるでしょう。算数だから計算できます。0.00000000000003×1億年=0.000003年です。
 地球の歴史は45億年ということから、地球元年から現在までに地上と上空300メートルの間の重力による時間の違いが計算できます。これも、算数だから計算できます。0.00000000000003×45億年です。
答えは、0.000135年です。これは、0.049275日になります。時間に直すと1.1826時間です。
 このことから、現在のエッフェル塔は、地上より1時間と10分ほど未来に突き出ているということが分かります。
 エッフェル塔は45億年前にはなかった、などと言わないで。エッフェル塔は、時計を置く台にすぎないんです。300メートル上空はエッフェル塔に関係なく45億年前からずっと存在していたのです。エッフェル塔の下の地面が45億年前から、ときには、海になったり、山になったりもしただろうけれど、ずっと存在したのと同じです。したがって、地表の時間が地球誕生以来45億年間ずっと累積されてきたように、地球の重力ができたときから、300メートル上空の時間はずっと地表より進みっぱなしできたはずです。その進んだ時間が毎日まいにち累積されて、現在は1時間10分進んでいるということになります。

 

(2) 富士山頂の思考実験

 では、雷鳥の住む富士山の頂上ではどれくらい未来になっているのでしょう。単純に10倍するわけにはいかないので、誰か計算してみてください、と捨てるわけにも行かないのでやってみます。

 本当の計算はできないので、300m:3700m=1.18:Xとして計算します。(本当はこれでは出ないと思います。ただ、目安です。重力は高さの2乗に反比例することから、これより違いは大きくなるはずです)答えは約14.55時間です。平成16年現在、富士山頂は、地上より、およそ14.55時間未来にあります。

 思考実験をします。今2003年12月24日12時です。お昼です。すると、富士山の頂上では、これより14.55時間進んでいるから、20003年12月25日午前2時33分になっているはずです。真夜中です。富士山頂は今真っ暗です。雷鳥は就寝中です。

 

(3) 太陽は、西暦何年?

 今度は地球表面と太陽表面のことです。やはりトムキンスからの引用です。
 「地球の表面と太陽の表面とのあいだの重力ポテンシャルの差ははるかに大きいため遅れの因子は0.9999995という大きな値になります。」これは、太陽の「重力赤方偏移」の発見で証明されたらしいです。今度も、地球ができてから45億年間に累積された時間差を考えます。

 算数でできます。地球上の時間の進み因子は、0.0000005です。したがって

 (式は)0.0000005×45億年=2250年となります。

 すると太陽は、地球から遅れること2250年昔ということです。

 太陽表面は今、紀元前247年にあります。紀元前247年の太陽の光が相対性時空を超えて今地球に降り注いでいます。そして、その光の一部は、反射して、また、2250年昔の太陽に戻っていきます。

 昼下がり、みんなで撮った記念写真に浮かび上がるのは、美しいクレオパトラです、なんてことになるのかしら。なんだか怖そう。

 

 (4) 月世界旅行は未来への旅行

 今度は月です。正確な数値がないので、思考実験です。
 月のほうが軽いから、月の時間が早く進みます。月と地球は同じころにできたといわれていますから、時間差は45億年累積されています。すると月は地球の未来にいることになります。アポロ号は、未来に行って、また現在に帰ってきたみたいですね。
 また、月の光は太陽の光を反射していることはわかっています。すると、西暦紀元前247年に太陽を出た光が、未来の月に行って反射し、現在の地球に届いているということになります。

 日食のときには、過去の太陽を、未来の月が隠しているのを、現在の地球で見ているというややこしいことになります。月食だと、未来の月に、現在の地球の影が落ち、過去の太陽の光が射しているというなんとも不思議な現象が起こっていることになります。これは、あなたの5代後の子孫の家で、あなたと楊貴妃が談笑していることと同じです。

 過去現在未来、光はすべてをお見通しです。

 

 (5) タイムマシーンに乗って

 アポロばかりにまかしてはおけません。私たちも未来に行きましょう。ちょいとお金はかかるけど、海外に、と飛行機に乗ってみましょう。高度1万メートルです。そこはもう未来の世界です。富士山より高いのですから。十分に明日とか,あさってとかの世界のはずです。タイムマシーンに乗った気分をゆっくり味わいましょう。

 

(6) 時計は正しく合わせましょう

 時間は累積されます。地上と上空で時間の進み方が重力の影響で変わるなら、重力ができたときから時間の進み方が高度によって違うはずです。地上の時間が累積されたように、各高度の時間も累積されるはずです。トムキンスがいれば、彼の魔法の指でひょいと時計を合わせて、はい今までの遅れはチャラですと1からやり直しできるのでしょうが、残念ながらトムキンスは架空の人だから、世界中の現実の時計を合わせて回るわけにはいきません。

 

3 結論

  おじいさんの古時計

 今、毎日富士山の日の出日の入りが、日本標準時で発表されていて、それで何一つ差しさわりがないのは、時刻は上も下も一緒だからです。実際に、何度か東海道線に乗って富士山を見上げたことがありますけれど、こちらが昼間だと富士山頂も明るく、とても真夜中には見えませんでした。当たり前ですよね。でも科学ですから、理論を立てたら、それに対する実際の観測結果は必ず証明として必要です。エッフェル塔で時間の遅れを検出しようとしたのと同じです。富士山頂の観測結果は、そういう事実は存在しない、になりました。
 なぜ反対の結果が出たのでしょう。それは、「重力は、時間を遅らせる」という理論が間違っているからです。では、いろいろな実験結果はどうするのかというご質問があることと思います。それはこう言い換えればすみます。「重力は時計の針だけを遅らせる。」と。おそらく、重力で歯車の噛み合わせが少しきつくなったんでしょう。あの遅れの因子は、せいぜいそれくらいのものです。

 「おじいさんの古時計」は「今はもう動かない。」けど、それで、本当の時が止まったりしていないのは誰もが知っていることです。

 時計が遅れる理由なんていっぱいあります。でも、それが本当の時間の遅れをあらわしていることはありません。
 え、重力赤方偏移!光が赤方偏移したからって、それが時間の遅れだってことにはなりません。赤方偏移の原因はいろいろあります。その中でも、特に重力赤方偏移は、あまりはっきりとは観測されてはいないというのが常識の世界です。もちろん、はっきり観測された、というのが非常識の世界で、それは常識を超越した相対性理論の非常識の世界にぴったりではありますが。とにかく、重力赤方偏移は、まだまだ誤差の範囲を超えていないみたいです。相対性理論の信奉者の「あばたもえくぼ」感覚の範囲内です。そして多分永久にその範囲を超えないでしょう。
 なぜこんなことが起きたかって。それは、アインシュタインが、時も、光や物と同じように、存在する何かだと考えたからです。光や物は、自由に操ることができます。だから、時間も自由に操ることができると考えたのでしょう。そうは問屋が卸しません。
 そこで、雷鳥は鶏といっしょに、仲良く歳をとりましたとさ。バッサマメエサメタ。

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