ビッグバン宇宙論について

 
著者 高田敞

 宇宙論の中で、現在、一番多くの人に支持をされているのが、インフレーションビッグバン説です。最初のビッグバン宇宙論に比べ、さまざまな補足説明がなされ、初期の矛盾は解消されてきているといいます。そのためにかなり難しい計算や考え方が付け加わりました。
 しかし、それらはみんな考えの中だけのことで、実際に現象として観測や実験で新たに発見されたものはありません。実際に観測されたビッグバンの証拠といわれるものは、それまでと同じで、ハッブルの見つけた銀河の赤方偏移と距離との比例関係と、ペンジアスとウイルソンが発見した宇宙背景放射と、宇宙の水素とヘリウムの比率の三つだけからひとつも変わっていません。
 また、その他の証拠として発見されなくてはならないものはいまのところ何一つ発見されていません。モノポール、ダークマター、ダークエネルギー、陽子崩壊、重力波、等。どちらかというと、かえって、ないということが確認されてきてさえいます。理論的矛盾も、山積しています。新しい解決法が発見されたら、新たな疑問が出るという具合です。

 では、銀河の赤方偏移や、宇宙背景放射、と水素とヘリウムの比は、本当に、ビッグバン宇宙の証拠になるのでしょうか。そうなりえる確固たる証拠は有るのでしょうか。銀河の赤方偏移は、後退速度のための赤方偏移であると決め付けるだけで、その原因を検証した形跡はありません。これは定常宇宙論のひとも同じです。ただハッブル一人だけが、赤方偏移を表す単位がkm/秒という速度を表す単位になっているので、それを見て、速度だと勘違いしないようにと言っているくらいです。

 宇宙背景放射のほうも、その原因はほかにもあるという意見があるにもかかわらず、手前勝手な証拠だけで、ビッグバン宇宙の証拠にしてしまっています。

 水素とヘリウムの比も同じです。

 そこで、この三つの現象が、本当にビッグバン宇宙の証拠になりえるのかを検討するとともに、ビッグバン理論の矛盾について考えていきます。

 

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