宇宙考あとがき | ||
著者 高田敞 | ||
これで宇宙考はおしまいです。いかがでしたか。それなりに、自分ではうんうんと思ったのですが、あまり反応はなかったみたいです。普通、あまり興味のない問題ですから、というのを考えても。 | ||
で、いいたかったことをまとめると | ||
1 | 宇宙背景放射がビッグバンの残光であるという根拠は存在しない | |
宇宙背景放射というのは、ビッグバンの残光であるという根拠は、ガモフ氏がそう言ったという以外には何もないということと、背景放射がビッグバンの残光であるとすると、根本のところで、解決できないパラドックスがいくつも生じるということと、背景放射が、宇宙に満ちているガス分子の出す光であるという意見を否定する根拠は、まだ、ひとつもないということを書きました。 ガモフさん間違っていませんかと「ビッグバン七不思議」に書いたわけです。 |
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2 | 赤方偏移と後退速度 | |
銀河の赤方偏移が後退速度によるドップラー効果であるという証拠は救急車のサイレンの音との比較以外には何にもないということと、赤方偏移は星間物質でも十分起こりうるということの例を述べました。原因が星間物質ではないという証拠はビッグバン万歳論者の盲目以外には何もありません。 赤方偏移を表す単位が、たんに「キロメートル/秒」と、便宜上速度みたいな表示をする慣習になっていることから来る誤謬に陥らないようにと、ハッブル氏が何度も警告したのに、宇宙膨張はハッブル氏が言ったとなっているのはどうしてなのだろう。虎の威を借る狐かなとはこれいかに。 |
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3 | 空間の膨張 | |
宇宙空間が膨張しているというけれど、物が飛び散る原理は今の物理学で分かるけど、空間が飛び散る原理は今の物理学では憶測以外何一つ分かっていないことと、空間が飛び散ったときの矛盾を書きました。 星が赤方偏移してるということだけで、どうして空間が膨張しているということを無条件で信じられるのだろう。かつてのエーテルと同じで、空間がどんなものか、何が空間として存在するのか何一つわかっていないのに。やはり、偉い人がそういったからなのかしら。そもそも、空間が存在するというのがおかしいのではないのかしらと述べました。 |
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4 | 重力レンズ | |
重力レンズは、いわれているような重力が原因ではなく、気体などによる蜃気楼現象が中心である。 アインシュタイン氏が「重力レンズ」を予言した。その現象をわたしが発見した。万歳万歳。これは科学者のやることではなく宗教家のやることでしょう。なぜ、それが重力レンズなのかを比較検証することをしないのか素人から見ると不思議です。 水素分子ではなく、重力が原因であると確実にいえる根拠はアインシュタイン氏が言ったということ以外に存在するのでしょうか。 それを検証した人はいるのでしょうか。 |
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5 | ダークマター | |
ダークマターは何かについて書きました。 未知の物質が、見える物質の100倍以上もあるなどと漫画みたいなことを考えずに、既知のありふれた物質の中から探しました。 ありました。 ビッグバンを満足させられるほどの量はないかもしれませんが、ケプラーやニュートンは十分満足するでしょう。 |
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6 | おわりに | |
宇宙がいつ始まったかは、もちろん私には分かりません。定常宇宙論の、永遠の昔からかもしれません。ビッグバン説の137億年前かもしれません。でも、その意見にしろ、「ではその前は」という疑問は残ります。それ以前はこの宇宙とは関係ないから考えなくていいというのでは問題のすり替えでしょう。同じ理由で、宇宙には果てがあって果てがないなどと禅問答みたいなことを言って、2次元と3次元を比べて悦に入っているけど、風船の表面みたいな3次元世界は存在しないのだから、何の実証にもなっていないのです。 たとえ話は、実験でも検証でもないただのお話にしか過ぎません。それで何かが証明されるというしろものではありません。 |
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子供のころ持った、その向こうは、その昔はと永遠に続くこの宇宙の不思議への恐怖は、まだ何一つ解決されていないと思います。永遠の時の流れは、死と、無ということにつながって、子供たちの心をしんとさせるものです。 一日吹いていた風がやみ、静まり返った夜は星月夜です。もうすぐ年が変わります。 |
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03年12月15日 並刻記 | ||
ビッグバン宇宙の3大難問 宇宙考目次 |