太陽のそばで光が曲がるのは重力レンズのせい?(検証の2) | ||
著者 高田敞 | ||
{先のページに書いたエディントン氏の観測の検証です。(1919年の皆既日食のときの観測。重力が空間を曲げることの最初の観測事例)} | ||
1 | 何を検証するか | |
(a)太陽のそばの星の位置が本来あるべき位置よりずれていた→(b)光が曲がっている→(c)重力によって光が曲がった→(d)質量のない光が重力で曲がった→(e)空間が重力で曲がった→(f)アインシュタイン氏の「重力は空間を曲げる」という理論は正しい。 この、「→」が正しいかを検証します。 |
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A | (a)→(b)について | |
観察事実であり光が曲がったとしか考えられないので、ほぼ間違いないでしょう。(後年観測誤差が大きかったといわれているが) | ||
B | (b)→(c)について | |
光が曲がる原因にはたくさんあること、地球上では重力で光が曲がる現象はまだ観測されていないということは先のページで述べました。 つけたしておきますと。 水平線に太陽が沈むときのことです。計算上は水平線の向こうに沈んでいるはずの太陽が見えることがあるそうです。エディントン氏の観測した現象と同じです。でも、原因は違います。これは、地球大気の層の密度の濃淡によって太陽が浮かび上がる蜃気楼現象だと説明されています。 そこで、太陽の周りでおこる、光が曲がる現象をもう一度考え直して見ます。 太陽の周りに大気はないか?あります。皆既日食のときに見えるコロナがよい証拠です。太陽よりかなり遠くまで気体の層が広がっているのがはっきり観測されています。その下には彩層という大気の層もあるのが観測されています。その下の光球といわれる層もガスでできているそうです。 このことから考えると、太陽のそばで星の光が曲がるのは、太陽の大気が原因であるとも考えられます。 このとき観測された星の写真は、ちょうど、太陽コロナの真ん中あたりに写っています。コロナは、太陽から吹き出た高温のガスであることが観測からわかっています。このガスが、星の光を曲げたことは十分に考えられます。 太陽の質量が、地球の33万倍もあるし、なんといっても、アインシュタイン氏が言っているのだから重力による現象である可能性は十分です。しかし、地球上での光の曲がる現象のすべてが重力以外の原因で起こることを考えると、重力による現象であるとは100パーセント言い切れないと思います。おそらく50パーセントもないでしょう。私はどちらかというと、水平線の太陽の現象からも考えると、太陽大気が原因であるというほうが9:1で勝ちと思います。もし重力が原因としても、太陽コロナのガスの影響も必ずあると思います。地球の大気が太陽の光をさまざまに曲げるのに、遥かに膨大な量がある太陽の大気が星の光になんらの影響も与えないということはとても考えられないことですから。 ということから、(b)→(c)が正しいというためには、重力が原因であるというそのほかの観測事実が必要と思います。もちろん、太陽大気がひとつも影響していないという証明も。ただアインシュタインの計算式とぴったりだというのではだめです。 第一に、観測誤差が大きいということです。それでぴったり合うなら、式が間違っているか、その式を当てはめたのが間違っているということです。ひょとして、計算と合わないものだから、観測誤差のせいにしているのじゃないとは思いますけど。 第二に太陽大気を原因とする計算ができていないからです。ほかの原因ではないかと確かめることは科学では絶対に必要なことです。 それにもうひとつ、相対論に肩入れしすぎて、客観的に判断する考察をしていない可能性があるからです。相対論の直接の現象を見つけたということで、盲目になっていないでしょうか。あの難しい相対論の、もっと難しい「直接の現象を発見すること」ができたのですから、相対論の現象をやっと発見したぞと、舞い上がってるのはわかりますが、科学はやはり検証しなくてはならないと思います。 ついでに、相対論のいう現象を発見するのが難しいのは、相対論が間違っているためなのです。重力で空間が曲がったり、時間が遅れたりするわけないのです。発見したと喜んでも、それは、ほかのありふれたことが原因で起こっている現象です。このことが、単に蜃気楼現象で説明がつくように。 |
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C | (c)→(e)について | |
ということで、(b)→(c)は不確定です。したがって(c)→(e)も不確定です。 | ||
2003年12月6日並刻記 | ||
銀河の重力で光が曲がったのか |