「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙9
著者 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題
{エレベーターが下降するとき、ちょっと体が浮くように感じることがあるはずです。}
{自由落下している人は重力は感じないという事実に気づいたところから、アインシュタインは自らの重力理論を大きく発展させました。}
{アインシュタインによれば、こうして重力が増えたり減ったり、場合によっては消えたりするのは、決して「見かけ上の重力」が変化したわけではありません。実際に重力の強さが変わっているのです。}
考察
{実際に重力の強さが変わっているのです。}ということだが、それを検討してみよう。
エレベーターを落下させるときと、止まっているときの内部の人間に働く力を考える。
ア 感覚
止まっている人・・・床に押しつけられていると感じる。(重力を感じる)
落下している人・・・フワフワ浮いていると感じる。(重力を感じない)
イ 物理量
止まっている人・・・1Gの力で地球と引っ張り合っている。(引力が作用している)
落下している人・・・1Gの力で地球と引っ張り合って加速しながら落下している。(引力が作用している)
ヒトの感覚をすべてとするなら、感覚とともに重力は消えたり消えなかったりする。しかし、引力を物体間の力とするなら、エレベーターの状態にかかわらず引力は一定になる。(イの物理量については様々な実験で証明されているから述べない。物理学者に高校で習う物理を説明するのは失礼すぎる。)
結論
物理量は、人間の感覚次第でどうにでもなるというのなら、重力は、さまざまに変化するといえます。しかし、人間の感覚と物理量は関係ないというのならば、アインシュタインは間違っているといえます。
物理学が、人間がどう思ったか次第であるというのなら、物理学は心理学者に譲った方がいいのではないでしょうか。