「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙8

著者 高田敞






(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題1

{重力は遮蔽物でブロックできないので、どこまでも無限に届きます。また、重力は引力だけなので、物質がたくさんあればその強さが足し算され、何かで相殺されることはありません。}

重力は、{「消える」こともある。}{好きなように増やしたり減らしたりできるとなるとそれが本当にあるのかないのかも分かりません。}{見方によって変化する「幻想」だということもできます。}

考察

第六の不思議で、重力は{何かで相殺されることはありません。}と述べて、第五の不思議では、重力は、{「消える」こともある。}{好きなように増やしたり減らしたりできる}と述べています。挙句の果てには、「幻想」だとまで言っています。まるっきり矛盾しています。

 

問題2

{重力は「ちょうどいい」}{重力の働き方が少しでも違っていたら、その歴史はまったく変わっていたと考えられます。}

考察

アインシュタインの理論では、重力は、{好きなように増やしたり減らしたりできる}また、{「消える」こともある。}と述べています。この理屈からすると、重力はある一定の値を持っていないということです。「幻想」でさえあるのですから。「幻想」は、現実世界には物理的力を与えません。このように、アインシュタインの理論では時と場所と条件によって理屈に一番都合のいい値をとるようです。

 ところが、第六では、この宇宙がこのように生命が生まれる宇宙になったのは、{重力がそのためにちょうどいい強さ}だったからです、と述べています。これは、重力はある一定の強さを持っていて変化しないと言っていることです。矛盾です。

結論

アインシュタインの言う重力が変化したり、消えたりするのは、人間の感覚の中だけです。だから、感覚の中では幻想であるともいえるのでしょう。しかし、人間の感覚以外のところ、物質やエネルギーの世界では、すべて同じ力を持っているということなのでしょう。引力は、ここであろうが、数十万光年先の宇宙であろうが、同じであるということです。消えも、変化もしないということです。

 人間の感覚は心理学に任せて、引力は、感覚や人間抜きで、物質とエネルギーだけの物理学でやればいいのではないでしょうか。人間の感じ方によって物理量が変わるなどということを神学者ならいざ知らず、物理学者が信じているのはとても不思議な気がします。