「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙35
著者 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題1
{ガモフらは、昔の宇宙が超高温の「火の玉」のようなものだったと考えました。現在の宇宙には多くの物質がありますから、それを極限まで圧縮すれば超高密状態になり、温度も上がります、宇宙はそこから始まって現在の大きさまで膨張した}
考察
シュワルツシルト半径
地球…半径9mm
太陽・・同3km
これがブラックホールになる大きさだと書いてあります。ということは、宇宙のすべての物質が集まると、あっさりブラックホールになってしまうはずです。相対論ではブラックホールからは光さへ出られないという話です。物質においておや、です。
宇宙初期は「火の玉」だったというけれど、そんなことはありません。相対論では必ずブラックホールになります。相対論者なのに、ガモフは、どうして「火の玉」と言ったのでしょう。
「火の玉」というイメージは太陽のようなものです。宇宙は、火の玉になって爆発したのだから、超新星のようなものをイメージさせたかったのでしょう。超新星は爆発しますが、ブラックホールは、相対論では爆発できません。それどころか、中に入った物質は、果てしなく縮んでいくだけで、決して大きく膨らむことなどできないということです。また、その中の空間はどうなっているのでしょう。究極に曲がっているのでしょうか。時間も止まるということです。これでは、宇宙は大きくなることはできなくなってしまいます。
だから、ブラックホールでは困るので「火の玉」にしたのではないでしょうか。
相対論者なら、宇宙の全物質はどれくらいのシュワルツシルト半径を持っているのか計算しなければなりません。といっても、彼の時代には、まだダークマター(重力だけしかないビッグバン宇宙論に非常に便利な摩訶不思議な物質)が、通常の物質の6倍ほどあるという理論は無かったから、無意味な計算になってしまった可能性はあります。それでも、通常の物質だけでも宇宙初期の状態を考える上での有意義な計算になっていたでしょう。
そうすると、宇宙草創期の火の玉(ブラックホール)がどのようにして爆発して膨張していったかを、考えることができたでしょう。今のブラックホールとの相違点なんかも導き出せるかもしれません。何せ、膨張するブラックホールなのですから。
結論
いつものように、不都合なことは、知らんぷり、です。今からでも遅くはありません。ビッグバン宇宙論者は、宇宙の全物質と、宇宙の全ダークマターのシュワルツシルト半径を計算するべきです。といっても、宇宙の物質も、ダークマターも、宇宙にどれだけあるかなんて測りようがないのだけれど。それでも、銀河1千億個分と、その6倍のダークマターを合わせた分のシュワルツシルト半径くらいは出るでしょう。