「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙34

  著者 高田敞





(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題1

「宇宙項」と「暗黒エネルギー」が宇宙を膨張させる理論とエネルギーだという。

考察

素晴らしい考えですね。もちろん「暗黒エネルギー」は地球にもあるのですよね。太陽系にもあるのですよね。

では、それは、地球の占めている空間も膨張させているはずですよね。地球ができてから、46億年間、その力は地球にどのように作用してきたのでしょうか。地球の占める空間の膨張のために、月の軌道は外側に押されているはずですよね。その影響は事実として、観測されているのでしょうか。

太陽系にも、その「暗黒エネルギー」はあるはずです。太陽系ができてから46億年間に空間は膨張しているはずです。惑星の軌道はそれで膨らんだのでしょうか。

太陽系ができるときに、物質が集るとき、「暗黒エネルギー」は、それを邪魔しなかったのでしょうか。

一説には、暗黒エネルギーは、この宇宙の通常の物質とエネルギーの10数倍あるといわれています。すると太陽系にも太陽のエネルギーや質量をエネルギーにしたものの、10数倍の暗黒エネルギーがあるということになります。それなのに、太陽のエネルギーのごくごく一部の引力で、遠い冥王星まで引きつけ、一切、暗黒エネルギーに関与させていないのは、素晴らしいことです。引力は、距離の2乗で減っていくけど、暗黒エネルギーは、減らずに、かえって空間が増えると、増えるというのに、それに負けないんですから。

おかげで地球も安泰で46億年間太陽とつかず離れずになって、人類が誕生できたのですから。

今までの太陽系の考え方には、「暗黒エネルギー」は一切考慮されていません。いまもそうです。

 

ビッグバン宇宙論では、137億年前、できたての宇宙はとても小さかったということです。火の玉となっていたということです。

すると、時間とともに、宇宙は地球ほどの大きさになり、太陽ほどの大きさになり、太陽系ほどの大きさになり、と大きくなってきたことでしょう。その中に、今ある宇宙のすべての物質が、詰め込まれていたはずです。その重力は、すさまじいものでしょう。太陽が、冥王星を引きつけている重力など目じゃないくらいすごいはずです。だから「暗黒エネルギー」は、その重力に打ち勝つことはできないはずです。

ということは宇宙を膨張させるには、暗黒エネルギーだけでは無理だということです。

 

結論

ここでも都合の悪いことは考慮しない、という原則が垣間見えます。暗黒エネルギーが太陽系を一つも膨張させられないことの理由が要ります。太陽系の持っている全エネルギー(質量も万有引力も含む)の、10数倍の暗黒エネルギーが、太陽系にもあるはずなのに、それが、塵一つ動かせないのは、どういうことかを説明しなければなりません。

ここにも、遠くて観測の非常に不確かなところには大きく表れるが、近くて観測が正確にできるところにはいっさい存在しないという、ビッグバン宇宙論の特徴がよく表れています。