「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙24

  著者  高田敞






(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題1

宇宙船の中で、時計を合わせて、一人が{ぐるっと回って、あなたの待っている元の場所に戻ってきます。説明は省略しますが、再会したときには、二人の時計は合っていないのです。}

{空間の歪み、時間の遅れ、時計合わせの困難。これらはすべて、宇宙ステーションの上の「人口重力」によるものです。}

考察

{再会したときには、二人の時計は合っていないのです。}ということです。このことを現実と比べて考えてみます。理論は、常に事実に照らし合わせるというのが科学だそうですから。

 では2人の時計が合っていないとします。

 このとき本当の時刻はどちらの時刻が正しいのでしょうか。どちらも正しい、というのが相対論者の意見だと考えます。

 では、例えば、一人の方の時計が1015分を指して、もう1人の人の時計が1030分を指しているとします。

 すると2人は会えるのでしょうか。

 普通の場合、1015分にいる人と、1030分にいる人は同じ場所にいても遭うことはできません。時計が狂っている場合は別ですが。この世界の現実の場合は本当の時間が違っている場合、会うことはできません。今の人が、未来の人や、過去の人に会えないのが現実です。幻想の場合は私には判断できませんが。

 1015分にトラックが駐車していて、1030分にその場所に、乗用車が駐車している、ということは可能です。しかし、1030分に同一場所に、トラックと、乗用車が重なりあって駐車することはできません。同時刻に、同じ空間に他の物が同時に存在することはできません。同じように異時刻の物は、同時には存在できません。

{再会したときには、二人の時計は合っていないのです。}とあるように、異時刻の二人が、同時に向かい合って出現しています。普通の場合こんなことはあり得ません。

 待っていた人の前の空気は、待っていた人と同じ時刻1015分とします。1015分の空気が、1030分の人の体によって押しのけられます。1015分の空気が、15分未来の人の体によって押しのけられるのです。今、目の前の空気が、15分未来の時刻の人によって押しのけられたらどうします。未来から人がやってくるのですよ。不思議な現象です。

 上記のトラックでいえば、10時15分のトラックが、10時30分の乗用車に押しのけられるのです。それとも、シュレディンガーの死んだ猫のように重なり合っているのでしょうか。

 こんな現象はあり得ません。世界中の人が本当はさまざまな重力や速度で暮らしているのだから必ずみんな違う時刻にいるのに気がつかないだけだとでもいうのでしょうか。

 相対論ではどんなに時間が違っても、その違いが1時間でも、100年でも、1億年でも100億年でも、今という時刻に、同時に出現します。時刻などあって無きがごとしです。

結論

 未来も過去も、地球の今の時刻にぴったり出現するというのは時間のどのような性質なのかを、時間とは何かとともに説明する必要があると思いますがいかがでしょうか。もちろん地球の重力と速度で、相対論効果で動いている地球時間が宇宙のすべての時間の中心であるということとともに。ナビの時計のように、地球のすべての時計を合わせるのは大変だから、ほかのを合わすなどと言わないでくださいね。