「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙23
著者 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題1
{加速する自動車に乗っているときに私たちが背中をシートに押しつけられるように感じるのも、加速度(=重力)が空間をゆがめているため。いずれも、そこで働く力は「幻想」なのです。}
考察
{私たちが背中をシートに押しつけられるように感じる}
そうですか?シートに押されているように感じますよ。思考実験ではなく、実際にやってみると分かりますよ。ここにも相対論に都合のいいことしか現れないという思考実験の特徴がよく表れている説明です。
また実際に観察してみてください、車が前進して、体を押しながら走っていきますよ。
科学者にこんなこと言うのは失礼ですが、科学は、主観だけではなく、客観的な観察や実験が必要です。
もし、押しつけられている、というのが物理的に正しいとするなら、なにが体をシー
トに押しつけているのですか。お化けですか?幻想ですか?
押しつけるにはエネルギーがいります。押しつけるエネルギーはどこから出ているのですか。{そこで働く力は「幻想」なのです。}とあるから、単に錯覚にしか過ぎないということのようです。これは物理学ではなく心理学の範疇のような気がします。
考察2
{加速度(=重力)が空間をゆがめているため。}
歪んだ空間がどのようにして体を押し付けているのか、の説明がありません。空間が曲がると、どうして押しつけられるのでしょうか。
また、曲がった空間は、車体や体にどのような形状の変化を与えるのでしょうか、体を押し付けるほどの空間の曲がりがあるのだから、形にも大きな変化が表れてもよさそうです。車も、曲がった空間にそって曲がるのでしょうか。そのような、現象は見たことがありませんが、どこかで観測されているのでしょうか。
フラットランドの住人が3次元の曲がりが観測できないように、3次元の住人は、3次元の曲がりが認識できないというのなら、3次元の曲がりで起こったという、体を押し付けるということも認識できないはずです。
おそらく、{そこで働く力は「幻想」}だから、よけいなことには手出しせず、相対論に必要なことだけに作用するのでしょうね。
考察3
{そこで働く力は「幻想」なのです。}
ニュートンなら、慣性の法則と、作用反作用の法則です。体は等速直線運動をしている(慣性の法則)のだが、車が加速しているので(エンジンのエネルギー)シートが、体を押すことになります。その時シートの作用と、体の反作用で、押し合うことになります。これは「幻想」ではなく、実在する物質のエネルギー不変の法則です。
結論
車のエンジンはすごい力を持っていること。空間をへし曲げるのですから。
空間が曲がって、体が押しつけられたり、空間が曲がったのに微動だにしない車体や体は確かに「幻想」あるいは「妄想」といえそうです。