「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙19

 著者 高田敞







(以下{ }内は上記本よりの引用)

問題1

{エレベーターのロープを切って自由落下させると、エレベーターは重力に引かれてどんどん下向きに加速していきます。これが「重力加速度」です。このとき、エレベーターに乗っている人は、フワフワと浮くことでしょう。つまり、重力加速度で下降しているエレベーターの中の人は、無重力状態を経験することになるのです。}

考察

{エレベーターは重力に引かれてどんどん下向きに加速していきます。これが「重力加速度」です。}と述べています。異論はありません。問題は次です。{このとき、エレベーターに乗っている人は、フワフワと浮くことでしょう。}とあります。そうでしょうか。フワフワ浮いてはいません。エレベーターと同じ加速度で、地球と引きつけ合って地球に向かって加速していきます。これはエレベーターに乗っていようと、エレベーターの外で落下していようと、同じです。

 なぜフワフワ浮いているのでしょうか。簡単です。エレベーターと同加速度で落下しているので、中の人はエレベーターと相対速度が変わらないので、常にエレベーターと相対位置が同じだからそう感じるだけです。感じるだけなのです。錯覚です。実際は万有引力の法則にあるように加速しながら落下しています。

たとえば、同速同方向に走っている車は、互いに相対位置が変わりません。隣の車だけを見ると自分の車は止まっていると思えるけれど、実際には車は止まっているわけではありません。運転手が、どうせ止まっているのだから、とエンジンを切ったらどうなるでしょう。隣の車は、あっさり走り去っていきます。それと同じです。

 エレベーターはどうでしょう。フワフワ浮いているから{重力を完全に消}せた、と思っているけれど、そんなことはありません、中の人の重力が本当に消えたら、中の人は、エレベーターの天井に激しくぶつかるでしょう。エレベーターは加速して落下しているのに、中の人は、重力が消えた途端に等速直線運動になるからです。慣性の法則です。物理学者にこんなことを言うのはおこがましいのですが、力が加わらなければ、加速も減速もしないという法則です。エレベーターに働いている万有引力と同じ力が中の人にも働いています。そんなの当たり前でしょう。エレベーターのロープが切れたら、どういう仕組みで、中の人だけに重力が消えるのですか。ロープが切れたことの何が重力を遮断しているのですか。中の人は重力が消えたのに、どうして地球に向かって加速して落下しているのですか。その説明がありません。もちろん、ロープが切れたら中の人の重力が消えるという理論があるわけないですよね。中の人がフワフワ浮いていると感じるから重力が消えた、なんて、本気で思っているわけないですよね。科学者なんでしょ?

結論

 言葉のまやかしだけです。物理的にはなんの理論も証明もなされていません。

 

(余談1)

 

 {自由落下させると、エレベーターは重力に引かれてどんどん下向きに加速していきます。これが「重力加速度」です。}

 これは、物は重いから落ちる、という、ニュートン以前の考え方を踏襲しています。だから重い力で、重力なのでしょう。ニュートンはその考えを変えました。物は引力があるから引き合うという考え方です。

 相対性理論は、この互いに引き合うという、万有引力では成立しません。落下するという重力でなくてはなりません。

 

(余談2)

 相対論では重力は、空間の曲がりであるといっている。

 では、自由落下するエレベーターも空間の曲がりに沿って動いているといえる。なぜ加速されたり動いたりしているエネルギーが曲がりのどこからきているのかは、不明だが。

 それはさておき、自由落下している、エレベーターの中は、重力が消える、すなわち、空間の曲がりが消えるということであるようだ。なぜ、エレベーターの中の空間は曲がりが消えるのだろうか。質量が作った空間の曲がりが、エレベーターが落下することで消えるのはどのような仕組みなのだろうか。曲がりに沿って進んでいるから曲がりが認識できないのだろうか。認識できなくても物理的には曲がりは曲がりであるはずだ。落下するエレベーターは重力(空間の曲がり)は消えているのだろうか。曲がりに沿って進んでいるのは、中の人も、エレベーターも同じであるから、ともに重力は消えているのだろうか。エレベーターが無くても落下しているときはフワフワ浮いているように感じるのは、スカイダイビングをしている人を同じようにスカイダイビングをしているカメラマンが撮るとフワフワ浮いているように見えるから、エレベーターは関係ないようにも思える。同加速度で落ちているものから、見ると、フワフワ浮いているように見える。

 しかし、これを、地上の人が撮ると、スカイダイビングの人は加速しながら猛スピードで落下している。エレベーターも同じだ。エレベーターの壁を見るとフワフワ浮いているようだが、地上から見ると、中の人もエレベーターも加速しながら落下している。

 万有引力なら、引き合って加速しながら接近しているということで、万有引力は常に働き続けている(なくなると加速しなくなる)ことになるのだが。

 そのあたりはどうなっているのだろうか。