「重力とはなにか」(大栗博司著)への手紙11
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題
アインシュタインは{「もし光と同じ速度で並んで走ったとしたなら、光はどう見えるだろうか?」と考えていました。ニュートンの速度合成速が当てはまるなら光が止まって見えることになります。マクスエルの方程式が正しいならそうはなりません。光速で追いかけても、光は秒速30万キロメートルで飛び去っていくはずです。}
考察
{「もし光と同じ速度で並んで走ったとしたなら、」}{光が止まって見えることにな}っても何ら問題はありません。
これは、音速のジェット機が、音と並んで飛ぶとき、音が止まっているようになるから衝撃波が生じるのとよく似ています。
チェレンコフ光は光速で飛ぶ電子が、水中で、光より少し早くなるから、電子から出る光がたまって衝撃波が生じるために見えるということです。これは電子と光が、ほぼ同じ速さで飛んでいるからです。電子から見ると、光が光速で遠ざかっているということにはなっていません。光速の電子から見ると、光は止まって見えるということです。
結論
相対論では、光は光速で遠ざからなければ困るのでしょうが、現実はそうはなっていません。
ここでも、事実をとるか、天才の理論をとるかです。
いや、マイケルソン・モーリーの実験は、光速度不変を事実として証明している、ということでしょう。でもあれにはいまだに異論があります。計測が非常に難しい実験だそうです。検証実験も、いろいろあって、正しいという結果が出たのもあれば間違っているという結果が出たのもあります。
それに対して、チェレンコフ光の、光の衝撃波は、さまざまなところで観測されています。光速度不変を言う場合、この事実をどのように説明しますか。