へんろ旅 26日目(曇り)
札所なし
(今日は24キロにするかその先まで行くか決まらない。足はそれほど痛くはない。ただ、なぜかひょこたんひょこたんとなって普通に歩けなくなっている。)
峠越え 見晴らす向こうに 海の色
内海の海 波柔らかく 島映し
ごってりの 新緑の山 春霞
さまざまな ことども浮かび 山の道
山中に独り 残りの桜 舞っている
荷を置けば 背中過ぎ行く 山の風
汗落ちて それでも登りは 果てしなく
頬過ぎる 小さな風に 黒き蝶
見下ろせば 寒天の海 島々静か
魑魅魍魎 飛び交っている 山の道
(結局、宿は飛び込みになった。そのため食事はなし。43日の間で、ビジネスホテル以外で、食事なしはここだけだった。その1時間ほど前、弁当のお接待があった。もらったときは、夕飯があるし、無駄になるなあとちょっと困ったけど、そうではなかったのだ。きれいな手作りのお弁当だった。お弁当のお接待は43日の間でこのときだけ。宿に着くなり雨が降り出し、とても助かった。ささやかな不思議の中のひとつの不思議。)
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