へんろ旅 10日目 (晴れ)

(ただひたすら室戸岬へ。 遠い、とても遠い。)

入り江深く 山せめぎあう 海の音
二つ三つ四つ 朝日に舞い飛ぶ 山桜
山桜 朝日の中に 腕伸ばし
水鳥の 連れだちて向かう 水平線
見渡せば ぼうぼうの 太平洋
歩を止めて 太平洋を 眺めてる
来た道が 海のかなたに かすんでる
潮騒の 向こうに朝日 煌いている
地球の丸みの天辺に 光煌く
(高知県に入る。)
トンネルを 抜けるとついに 高知県
振り返っても 山でさえぎられ 徳島の国
おお空の 大掃除するのか 箒雲
握り飯 ひとつ頬ばり 白砂の海
濃く淡く 山薄化粧 春の空
アザラシの群れのごとく サーファー 春の海
トンネルを 抜け 道天に続き
蝶々の 道案内の 海の道
かもめたち ゆっくりと 昼の海
水平線の かなたの岬に 明日こそ着きたし
鳶たちも 昼休みなり 岩の上
先ほどの道連れ はや遠い岬を曲がり行く 
振り向けば 海のかなたを 今朝越えてくる
(ごろごろ海岸で昼ごはん)
今日もなお 地響き立ててる ゴロゴロの浜
(振り返れば、今日越えてきた岬が幾重にも重なっている。先は、超えなければならない岬がやはり重なっている。午後はただひたすら歩く。遠い。室戸は遠い。)

へんろ旅 9日目
遍路のたび 目次
へんろ旅 11日目