へんろ旅 七日目 (晴れ)
20番鶴林寺から21番太龍寺
| だんだんに 小さくなりし 谷の里 |
| 見渡せば 山ばかりなり 鳥の声 |
| 歩を止めて 荒い息聞く 霧の山 |
| コジュケイも 徳島弁で 鳴いている |
| 山の風 木立を抜けて すべり行く |
| 光がブラックホールに落下するなら、大きな星から出る光も、減速されてもよさそう。 |
| 久しぶり 考えている 星と闇 |
| 今日もまた 一人 一人で 歩みゆく |
| 後八丁 なだらかならば いいのだが |
| 鶯も はるかな下で 鳴いている |
| 音もなく 風頬を過ぎ 後三丁 |
| 道急に 静かなり 鶯の声 |
| 山道に へたり込んで おにぎりを食べ |
| 出会う人 みな定年 山の道 |
| 二つ三つ 椿落ちてる 山の道 |
| 見上げれば 山高く 谷川の音 |
| 山々の 頂みんな 横に見え |
| あと少し あと少しと ここまで来 |
| 後になり 先になり 道連れ多し 今日のたび |
| 太龍寺 歳ふりた桜 色づいて |
| 二日前 別れた人と また出会い |
| 同行の 人と別れて せせらぎの音 |