銀河の周りを探す   著者 高田敞
A  銀河の周りにもガスがある。
a  銀河NGC4438
 中心部に巨大な膨張シェルを持っている。銀河円盤からガスが突き出ているのは、銀河円盤外にも、見えない星間ガスがあることの証拠である。
b  銀河M82
 中心部分で爆発現象があり、銀河面に垂直方向に大きくガス雲が噴出している。ここでは銀河系の100倍から1000倍の勢いで、星が形成されているらしい。
 これも、銀河周辺にも星間ガスが多くあることの例であろう。
c 銀河系ハロー
 銀河系には、銀河を取り巻くように、銀河の5倍ほどの球形のハローと呼ばれるものがある。ここには200ほどの球状星団が分布しているそうです。ここにもやはり銀画面よりは薄いが水素を中心とした星間ガスが分布しています。
 ハローは、常に、銀河から、星の爆発や、恒星風、電磁波などで物質や光やエネルギーの供給を受けています。また冷えたガスは、銀河に落下しており、常に関連を持っています。
 体積がべらぼうに大きいことから考えるとそこに含まれるガスやエネルギーは銀河に匹敵するほどあっても不思議ではないであろう。
 渦巻銀河には、みんなこのハローというものがあるそうです。また、楕円銀河にも、星の分布する範囲の5倍ほどの範囲でエックス線を放射する星間ガスの分布が観測されます。そのことは、そこにエックス線を放射しない普通のガスもまたあると考えられるのではないでしょうか。特に、光を発しない水素分子ガスが銀河をしっかり包み込んでいても不思議なことじゃないと思います。
 同じことが、銀河の集まりである、銀河団においても観測されていて、やはりガスが銀河団をしっかり包み込んでいるという観測があります。     
B  考察
 このことから考えると、どの銀河も巨大な星間ガスの塊の真ん中にぽっかり浮かんでいるようなのです。そしてそれらが集まって、もっと大きな、銀河団を包むガスにすっぽり包まれているのです。子供のころ遊んだ、ビーだまの中にきれいな色や、泡が閉じ込められていたのとまるでそっくりに。
 これは、銀河や銀河団の周りのダークマターの分布とくしくも一致しているようではありませんか。「(1)銀河の中を探す」で述べたこととかね合わせると、どうも銀河や銀河団の運動に関してはダークマターは水素を中心とした星間ガスがその犯人に間違いないのではないでしょうか。

ダークマターのあとがき
真犯人を上げろ2銀河の中を探す
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