隕石衝突がなければ今も恐竜が繁栄しているか１

著者　高田敞

（以下｛　｝内は「あり得ない生物進化論！？」北村雄一　サイエンス・アイ新書よりの引用）

問題

　隕石衝突のために｛地球に存在するほとんどの生物が、絶滅の危機に瀕している。｝その原因は｛燃え上がった煤と吹き飛んだチリ、さらには融けた岩石から解放されて成層圏に投入された流化ガスが、気候を急激に悪化させている。空は曇り、太陽の光が弱まっていく。植物が枯れ、海では植物プランクトンが死んでいく。光合成がストップした期間は、あまり長いものではなかったのかもしれない。しかし、生態系を破壊させるのには十分だ。｝その結果｛昆虫も鳥も恐竜も爬虫類もアンモナイトも哺乳類も、ありとあらゆる動物が、ありとあらゆる植物たちが死んでいく。｝そして、｛こうして鳥以外の恐竜は滅び去り、鳥は独特な動物群となった。｝と説明している。

 

隕石衝突が恐竜絶滅の原因であるとするとおこる問題点

１　恐竜のうち鳥しか生き残らなかった原因が不明

２　哺乳類は現在あるほぼすべての目が生き残ったのに、恐竜は鳥類のみしか生き残らなかった原因が不明

３　大きな絶滅は５回あったことになっている。他の絶滅は火山などによる、地球自体の環境の変化によって起こっている。ＫＴ境界だけが隕石衝突である。他との関連がない。

４　隕石衝突はダーウィンの進化論とは関係ない恐竜の絶滅と哺乳類の台頭である。生き残りは偶然であるとする考え方になる。（隕石衝突がなければ恐竜の時代が続いているか？）

５　恐竜と哺乳類の栄枯盛衰が、隕石衝突では説明できない。

ベルム紀に哺乳類の先祖が繁栄し、三畳紀に停滞衰退し、代わって、恐竜が分化発展し、ジュラ紀に恐竜が繁栄し、その間哺乳類が衰退し、白亜紀の初めに現在の３つの、哺乳類が誕生し、ＫＴ境界で、鳥をのぞいて恐竜のすべての種が絶滅し、ほぼすべての哺乳類が生き残り、哺乳類がまた繁栄したことは、隕石衝突では説明できない。

ベルム紀・高酸素・哺乳類の祖先の時代　三畳紀・低酸素・恐竜の時代　ジュラ紀・低酸素・恐竜の時代　白亜紀・低酸素から徐々に高酸素へ移行・恐竜の変化と、哺乳類の広がり　現代・高酸素・哺乳類の時代

これは、隕石衝突では説明できないが、酸素濃度とは一致している。

６　隕石衝突がなくても多くの恐竜が絶滅している。

ジュラ紀末期に多くの竜脚類の属が絶滅。鳥盤類が多様性と、個体数を増した。その後、白亜紀後半から、草食竜脚類が絶滅し、代わって鳥盤類が繁栄した。この原因を、（恐竜はなぜ鳥に進化したのか・ピーター・Ｄ・ウォード）は「もし、酸素が１５％以上にまで上がらなかったとすれば、鳥盤類による政権交代は起こっていなかったかもしれない。」と述べている。この竜盤類の衰退や絶滅は隕石衝突が原因ではない。

７　白亜紀の半ばに魚竜が絶滅している。

理由は、このとき隕石衝突はない。

８　白亜紀後半には、哺乳類が多様化（現在の哺乳類のほぼすべての目が出現）していることは隕石衝突では説明できない。