「宇宙はなぜ暗いのか」目次  宇宙はなぜ暗いのかについて1   



「宇宙はなぜ「暗い」のか?」(津村耕司、ベレ出版)について2


田 敞


以下{ }内は上記本よりの引用)

 

1 ビッグバン理論

{ハッブルの法則は宇宙そのものが膨張していることを意味しています。}

{重要なポイントは「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているということです。}

 

考察

ハッブルの法則は人間が考えたものです。オルバースの法則と同じです。それが事実かどうかは実証が必要です。オルバースの考えた夜空と、実際の夜空がまるで異なっているように、ハッブルの法則と実際の銀河の動きが一致していない可能性があります。そのことを考えてみます。

また、{今ではビッグバンが確かにあったとする証拠がいくつか確認されています。}と言っています。

そこでそのいくつかの証拠も検討してみます。

 

2 実際の銀河の動き

証拠1 ハッブルの観測

 銀河の光は遠くなるほど赤方偏移しているというハッブルの観測があります。そしてほかの人も観測しています。

複数の人の観測があることから、検証はできたとみなせますから、銀河の光は遠くなるほど赤方偏移しているのは事実として間違いないようです。

この観測から上にあるビッグバン理論が生まれました。銀河の赤方偏移は{宇宙そのものが膨張している}から起こり、宇宙が膨張していることは{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているということです。}となります。

ビッグバン生みの親です。これがビッグバンの実証といわれているものの一つです。

しかし、これは解釈です。観測されたのは銀河の赤方偏移であって、空間の膨張や銀河の後退が直接観測されたのではありません。間接的な証拠であると考えられるということです。だから、空間膨張の実証ではありません。銀河の赤方偏移は空間膨張のために起こっている、というためにはそれを実証しなければなりません。実際に空間が膨張しているという観測と{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているという}実際の観測です。

 

空間そのものは今のところ直接観測できないので空間が膨張しているか収縮しているかを直接観測することはできません。そこで、赤方偏移以外に、実際に銀河どうしが離れていっているということが観測されたら実証になります。{重要なポイントは「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているということです。}ということの実際の観測です。

 

 赤方偏移だけではどうしてだめかというと、赤方偏移はほかのことが原因で起こっているという意見もあるからです。それは宇宙空間の塵に銀河の光が当たって赤方偏移しているという意見です。

もうひとつは、最初の頃は、ビッグバン論者は、銀河の赤方偏移は銀河が地球から離れていっているという、後退速度によるドプラー効果だと説明していたのが、それは間違いで、本当は空間が膨張しているから光が引き延ばされて起こっているという説明に変わったことからです。赤方偏移は銀河の後退によって起こっているのではないということですから、銀河は後退していないということでもあります。ビッグバン論者が、間接的にしろ、銀河は地球から離れていっていないと言っているのです。{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっている}のは赤方偏移とは関係ないといっているのです。

証言が変遷しているときは、証言を疑わなくてはなりません。裁判ドラマのときはそうです。

 そこで、実際の宇宙で、{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっている}のが観測できているかを検討してみます。

 

(1)ハッブルの法則と実際の銀河の動き

{重要なポイントは「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているということです。}は実際の星や銀河の動きに一致しているか。

ア 太陽系の動き

太陽系の惑星は空間膨張によって膨張しているでしょうか。太陽系の惑星が離れていっているという観測はありません。すると、太陽系ができてから46億年の間太陽系は膨張していないということになります。

宇宙の中で観測が一番正確にできているところでは、空間膨張による星(惑星)の後退は観測されていないということです。ビッグバン論者は、重力の方が強いから太陽系は膨張しないと言っています。だからといって、太陽系がハッブルの法則に一致していない、という事実を動かすことはできません。

イ 銀河系内の恒星の動き

でも、これだけでは空間は膨張していないというのは無理かもしれません。次に観測が2番目に正確にできている銀河系(地球のある天の川銀河)を考えてみます。

 銀河系は膨張しているでしょうか。していません。

 銀河系は100億年前にできたというのが通説です。ということは、銀河系の星は100億年の間空間膨張によっては離れていっていないということになります。

このように、宇宙の中で観測が2番目に正確にできるところでも、星は離れていってはいません。ハッブルの法則は確認されていないということです。ハッブルの法則の例外、あるいは否定的実証になります。

もちろん、その理由を、ビッグバン論者は、空間膨張より重力が強いので膨張しないといっています。しかし、その科学的な根拠はありません。自分たちの理論に一致しないから言っているだけの、いいわけかもしれません。

ウ マゼラン銀河と銀河系との動き

 では、銀河系と隣の銀河、15万光年離れたマゼラン銀河とは離れていっているのでしょうか。離れていっていません。

 観測が3番目に正確にできるところでも、銀河どうしが離れていっているという観測はありません。反対に銀河は離れていっていないという、ハッブルの法則に反する観測結果です。{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっている}ということを否定しているということです。もちろん、ビッグバン論者によると銀河どうしの重力が空間膨張より強いということをのべています。

 

エ アンドロメダ銀河と銀河系との動き

 では250万光年離れた、アンドロメダ銀河はどうでしょう。こちらは近づいているのが観測されています。そのうち、衝突するということです。{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっている}とは反対の動きをしています。もちろん、ビッグバン論者によると、この理由も、空間膨張より重力の方が強いからということです。

 観測が4番目に正確にできるところでも、銀河どうしが離れていっているという観測はありません。反対にそれを否定する観測結果です。

オ 銀河と伴銀河

 銀河系の近くに数十の伴銀河があります。それらは銀河系から離れていってはいません。アンドロメダ銀河の周りにも多くの伴銀河がありますが、それらも離れていってはいません。これらの二つの銀河群は互いに引き合って近づいています。ハブルの法則とは異なった動きです。これもやはり、空間膨張より重力の方が強いからということです。

 しかし、観測が5番目に正確にできるところでも、銀河どうしが離れていっているという観測がないということは事実です。

カ おとめ座銀河団

 銀河系やアンドロメダ銀河の属する銀河群はそろっておとめ座銀河団の方に動いているという観測があります。ここでも後退ではなく接近です。これは空間膨張が原因ではありません。おとめ座銀河団の引力による現象です。

キ 銀河の後退

 上の銀河より遠くにある銀河はどうでしょう。地球から距離に比例して後退しているという観測はあるかというと、ありません。観測されているのは赤方偏移であって、実際に銀河が後退しているという観測ではありません。

 赤方偏移が観測されたのだから銀河は地球から後退していると言えるというかもしれません。しかし、それは解釈です。とくに、ビッグバン論では赤方偏移は銀河の後退から生じるのではなく、空間の膨張によって起こっているといっているのですから、銀河の後退の証明にはなりません。

結論

 このように、実際に観測ができている銀河で、{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているという}現象は観測されていないということです。それどころか、銀河は離れていっていないという、ビッグバン論を否定する観測結果です。観測されているのは、距離に比例した赤方偏移であって、距離に比例した銀河の後退ではないということです。

オルバースの考えと、実際の夜空が乖離していたのと同じことが起こっています。ビッグバン論者の考えと、実際の現象がことなっているのです。

 

証拠2 宇宙背景放射

考察

宇宙背景放射という光が観測されています。これがビッグバンの証拠だということです。

この光は、ビッグバンが始まってから40万年後くらいに起こった宇宙の晴れ上がりという現象の光だということです。

ビッグバン後、宇宙はしばらくぎゅうぎゅうの状態で光は直進できなかったということです。それが、宇宙が広がったことで宇宙空間がスカスカになったために光が直進できるようになったときが宇宙の晴れ上がりというそうです。このとき直進を始めた光が、今、宇宙全体から地球に降り注いでいるというのが、宇宙背景放射という光だそうです。

138億年過去に出た光りが、138億年かかって、今地球に届いているということなのでしょう。

これには大きな問題があります。光は138億年で138億光年の距離を飛びます。すると、晴れ上がりの光と、地球の間には138億光年の距離が必要です。

ところが、地球は宇宙の晴れ上がり以前にはその中にあって光を出していました。晴れ上がりの時もおよそ92億年後地球にまとまる物質はまだバラバラの状態だったけれど、他の物質と同様やはり光を出していました。そして、138億年後、地球にかたまった物質に138億年前に地球が出した光が降り注いでいるということです。

( え、地球は46億年前にできたのだから、ビッグバンのときは無かったよ、というのはビッグバン理論を知らない人です。ビッグバンは、初めに宇宙のすべての物質を作っています。だから地球の物質もすべて作っているはずです。46億年前に突然地球が無からできたのではありません。ビッグバンのときにすでに、できていたのです。ただ形はまるで違っていただけです)

問題1

138億年前に自分が出した光を138億年後見ているということです。晴れ上がりで直進した光は、それを出した物質を置いて光速で真っすぐどこかに飛び去ったはずです。その光がどうしてまた地球に戻ってきたのでしょう。

問題2

 宇宙の晴れ上がりはビッグバン誕生後40万年ごろに起こった一過性の現象です。したがって、花火のように終わったらたらすぐに見えなくなります。それなのに、背景放射は、今この瞬間にも見えています。おそらく地球ができてからずっと現在まで降り注いでいると考えられます。一瞬起こった晴れ上がりが、138億年たつと、46億年にわたって続いている現象になっています。

光が直進したら、光は地球を通りすぎてしまって、見えなくなるはずです。8分前に太陽から出た光は見えても、9分前に太陽から出た光は地球を通りすぎて今は見えません。一つの現象が46億年間も見え続けているのはどうしてなのでしょう。

問題3

背景放射は空の全方向から地球に降り注いでいます。138億年前に起こった宇宙の晴れ上がりが広がり続けて今はこの宇宙の一番外側を取り巻いてそこから光がやってくるという意見があります。考えてみます。

そうすると、ここにある地球と、一番外側にある、宇宙の晴れ上とが存在することになります。宇宙の晴れ上がりのとき、地球はその中にあったはずです。するとそれが今も宇宙を取り巻いているとすると、今ここにある地球と、宇宙を取り巻いている晴れ上がりの中の地球の二つができてしまいます。おかしなことになってしまいます。地球の前駆物質は晴れ上がりの後、宇宙を旅して、46億年前に地球になったので、宇宙を今取り巻いている晴れ上がりの中にはないということかもしれません。鳥栖rと、銀河系はどうなるのでしょう。アンドロメダ銀河はどうなるのでしょう。それらも、宇宙の晴れ上がりのときは、その中で、光っていたはずです。今あるすべての銀河は、宇宙の晴れ上がりのときには、晴れ上がりの光を出していた物質です。それがすべて、銀河になったのですから、今それらを取り巻いて晴れ上がりがあるというのはおかしなことになります。

宇宙の晴れ上がりの時に光を出した全物質は、一番外側でなく、その後宇宙全体に散らばって恒星や銀河になっているはずです。だから今は宇宙全体に散らばっているはずです。一番外側を取り巻くことはできません、そこには光りを出す物質は存在しません。

 

問題4

何故晴れ上がりが宇宙の外側に広がっているとしなければならなかったかというと、地球に降り注いでいる宇宙背景放射が全天から降り注いでいるからです。そのためには、晴れ上がりが全天になくてはならないからです。

背景放射の光源が、宇宙の一番外側、地球を中心として、半径138億光年の球の表面にあるということは、138億年前にすでに宇宙の晴れ上がりは、半径138億光年の球状に広がっていたということになります。そこから出た光が、138億年かけて、138光年旅して今地球にきたということになります。

ビッグバン論者が言うように、今宇宙の一番外側にビッグバンの晴れ上がりがあるなら、その光が地球に届くのは、今から138億年後のことです。

問題5

 晴れ上がりの光が地球に届く様子。

 晴れ上がりのときまで、92億年後(138億年−46億年)地球になる物質は、その中にあって、他の物質と共に光りを出していたはずです。(どうも、地球が昔からここにあって、宇宙の晴れ上がりが138億光年先にあり、その光が138億年後138億光年の距離を飛んできて、こちらの地球に届いたというようなイメージがするのだけれど、どうなんでしょう)すると晴れ上がりで直進を始めた光は近いところから順に地球に衝突していったでしょう。一番近くの光は一瞬で地球に衝突し、1分光年離れたところにあった光は1分後地球に衝突したでしょう。8分光年離れた(太陽との距離です)ところにあった光は、8分後地球に衝突したでしょう。1万光年離れた所にあった光は1万年後地球に衝突したでしょう。

 では一番遠いところの光はどこでしょう。ビッグバン後40万年とすると、光速で飛ぶと、一番遠くなると仮定しても最大で80万光年になります。(互いに反対方向に光速で飛んだとしたら40×2光年。実際の地球は現在秒速300キロメートルほどだから、光速には程遠いのですが)

 するとそこからの光は80万年で地球(地球の前駆物質)に衝突します。そして特定の方向の物質の光だから方向は決まっています。全方向から地球に降り注ぐことはありません。どちらにしろ、晴れ上がりから、80万年後には晴れ上がりの光はすべて地球に衝突するか、通り過ぎてしまいます。その後は晴れ上がりの光は見えません。その光は、膨張している宇宙(それが本当としたら)の果てを今も光速で追っかけていることでしょう

 何故138億年もたった今、際限なく地球に降り注いでいるのでしょう。それも全天から。

 今地球に届いている光は、ビッグバンが正しいとしても、すべて、宇宙に散らばっている星や銀河やガスの光です。太陽の光が8分過去の光だというのは太陽と地球が8分光年離れているからです。アンドロメダ銀河の光が250万年過去の光なのは、アンドロメダ銀河が250万光年離れているから、250万年前の光が今見えているのです。一番遠い銀河は120億光年離れていると言います。その光は120億年かかって地球に届いています。138億年前の宇宙の晴れ上がりの光が、今地球に届くためには、晴れ上がりの光を出した物質と地球が138億光年離れていなければなりません。晴れ上がりの時の地球になる物質は晴れ上がりのときはその中にいたのですから、その後138億年でここまで飛んで来なければなりません。そのとき、やがて銀河系になる物質やアンドロメダ銀河になる物質と共にこちらに飛んできたのです。アンドメダ銀河など、今は250万光年離れているけれど、晴れ上がりのときはすぐそばにあったはずです。そしてそれらは光速でなければ晴れ上がりの光に追い越されてしまいます。今地球は光速とは程遠い速度です。いつそんな速度だったのでしょう。いつ通常の速度に減速したのでしょう。不思議なことです。

 

問題5

その他の考え

宇宙背景放射は宇宙の塵の出す光だという考えもあります。この考えは、背景放射は宇宙の晴れ上がりの光だという考えが出る前からありました。複数の科学者が宇宙の塵の温度として、2,7k近くの温度を言っていました。晴れ上がりを言いだしたガモフは、70kほどの温度を言っていました。当たっていたのは塵説の方です。

 宇宙に塵やガスがあるのは観測されています。物質はその温度に応じた光を出すのも実証されています。理論もあります。黒体放射と言います。したがって、宇宙には必ず塵の出す光が飛んでいます。塵は宇宙全域にあるので全天から地球に降り注いでいるはずです。

塵は光を出すと、他の塵にあったってその塵を温めます。星も光を出しているのでそれが塵を温めます。暖まった塵は光を出して温度を下げます。塵や星は、光を出して互いに温め合い、光を出して温度を下げます。長い年月の間に宇宙の熱交換が平均化されて、塵は宇宙の平均温度になります。それが2,7kの塵の温度です。だから、いつも地球にその光が降り注いでいるのです。宇宙開闢(ビッグバンとは違います)から現在まで。そしてこれから先も当分の間(宇宙が続いている間)は塵の出す光は飛んでくることでしょう。観測された宇宙背景放射、2,7kの光がいつの時代も全天から降り注いでいることと矛盾しません。そして、宇宙には塵があります。塵が温度を持っている限り必ず塵は光り、その光は必ず地球に降り注ぐはずです。宇宙の晴れ上がりの光があろうとなかろうと、それには関係なくその光は今地球に降り注いでいるはずです。

ビッグバン宇宙論者はこの光の存在を無視しています。なぜでしょう。ビッグバン論に不都合だからでしょう。いつものように不都合なことは無視に限る、です。

結論

宇宙背景放射がビッグバン名残の光とすると、矛盾だらけですが、宇宙の塵の出す光とすると、矛盾は生じません。

 

2 銀河系の過去とハッブルの法則の関係を考える

 銀河系は100億年前にできたといわれています。すると、この100億年間は空間膨張のための膨張はしていないということが分かります。

 銀河系の周りの伴銀河も、同じころにできたと考えると、やはり銀河系と伴銀河はこの100億年間空間膨張の影響では膨張していないということが言えます。

 銀河系とアンドロメダ銀河との関係も同じことが言えます。

このことから、銀河系とアンドロメダ銀河、そしてその周辺の銀河は、ビッグバン後、38億年間は膨張していたけれど、その後の100億年間は膨張していないということになります。

ビッグバン理論によると、宇宙は1点から始まったことになっています。そして、空間と物質が急激に生まれたことになっています。したがって、生まれたての宇宙では、銀河系を含むこのあたりの銀河の元になる物質は極端に狭い範囲に集まっていたことが分かります。元々1点で生まれているのですから。互いに及ぼす重力は今よりはるかに大きかったはずです。そして、ハッブルの法則では距離に比例して速度が増すということですから、その当時の空間膨張は今よりはるかに遅いはずです。

(補足:A、Bの二つの物質を考えます。ビッグバン直後はA,Bは隣にあったとします。ハッブル定数では二つの離れる速度はほぼ0です。一応宇宙膨張に合わせて二つは離れたとします。ビッグバンでは1点にあった物質が離れていくことになっていますから。1億年後AとBは5000万光年離れたとします。距離に比例して離れる速度が増えるハッブル定数ではA,Bの離れる速度が増えています。10億年後2億光年離れたとします。A,Bの離れる速度はさらに大きくなっています。このように、ハッブルの法則では、物質は時間経過と共に物質の離れる速度が増加していきます。A、Bもやがて遠く離れて光速を超える速度で離れていくときがきます)

宇宙開闢後38億年間は、重力が強く、膨張速度は遅いはずです。その後の、100億年間は物質が離れていくに従って、空間膨張の速度は速くなっていき、重力は弱くなっています。(重力は距離に比例して減少していく)

何故、このあたりの銀河群は、ビッグバン開闢から38億年までの、重力が強く空間膨張の速度が遅い時には離れていったのに、その後現在までの、重力が弱くなり、空間膨張の速度が速くなったら膨張をやめたのでしょう。

これは、太陽系やこのあたりの銀河が離れていかないのは、空間膨張より重力が強いからであるというビッグバン宇宙論の考え方に矛盾する現象であるといえます。

 

3 他の銀河群を考える

今は、近くの銀河群だけではなく、宇宙にある局部銀河群は重力によって結びついていて空間膨張によっては離れていかないといわれています。また、その局部銀河群が集まっている銀河団も重力で結びついていて離れていかないということになっています。

銀河団がガスに満たされているのが観測されています。ガスでさえ重力によって、銀河団に集まっているのだから、それより重力の強い、恒星が離れていくことは考えられません。何千万光年という大きな銀河団でさえ膨張しないのです。

今は、ビッグバン論者によると、離れるのは、銀河団と銀河団の間だということです。しかし、銀河団同士が衝突している写真もあります。銀河団も、離れないで接近しているのもかなりあるのです。

 このように、観測されている実際の銀河は離れていかないのです。空間膨張によって、離れていっている銀河は観測されていません。観測されたのは、赤方偏移だけです。赤方偏移しているのに離れていかないのです。

 赤方偏移しているのに離れていかないということは、{重要なポイントは「あらゆる方向で」「距離に比例し」}て銀河は赤方偏移しているのに、銀河はあらゆる方向で距離に比例して離れていってはいないということです。

 

4 銀河の赤方偏移の原因はほかにある。

このように、ハッブルの観測した赤方偏移は、銀河が離れていくことと無関係であることが分かります。

では赤方偏移はどうして起こっているのでしょう。ビッグバン論者の言うように、空間膨張が原因なのでしょうか。空間は膨張して光を引き延ばして赤方偏移させるが、銀河は離れていかない、ということでいいのでしょうか。

銀河の赤方偏移の原因については他の意見もあります。

赤方偏移の原因は、宇宙に漂っている分子に光が衝突することでおこるエネルギーの減少によるという意見です。この意見は、そんなことは無い、とビッグバン論者に一蹴されています。今ではそんな意見さえなかったことにしています。しかし、光が物質に衝突してエネルギーを減じる現象は日常的に起きています。部屋の電気を消すと、暗くなるのは、光が壁に当たって、壁の電子を動かすことにエネルギーを使われて可視光から赤外線になり、そしてマイクロ波になることによって暗くなるのです。赤方偏移しているのです。壁はそのエネルギーで少し温度が高くなります。電気をつけっぱなしにしても、部屋の光が反射しながら蓄積されて部屋がだんだん明るくなっていかないのもそのためです。

太陽の光も、中心でガンマー線として発生した光が、太陽の水素に衝突して表面に出るときには可視光にまで赤方偏移しています。

銀河の光も地球に届く間に宇宙にあるガスや塵に衝突してその温度を少し上げます。そしてエネルギーを失います。距離に比例して衝突は増えます。したがって距離に比例して光はエネルギーを失います。遠い銀河ほど赤方偏移することになります。太陽が宇宙規模に膨らんだと考えれば、太陽の中で光が赤方偏移しているのと同じ現象だということです。水素原子や分子が詰まっているか、まばらにあるかの違いです。光が水素原子や分子に衝突して赤方偏移するのはどちらも同じ現象です。

銀河間は膨張していないけれど、銀河の光が赤方偏移していることはこのことで説明できます。上に書いたように、この赤方偏移の説明は私たちの周りで日常起こっている現象で過不足なく実証できます。それに対し、空間膨張で光が赤方偏移している実例は私たちの周りではありませんし、遠い宇宙でも実証もありません。もちろん空間膨張によって光が引き延ばされる仕組みについての証明された理論もありません。(ひょっとしたら、その為に、いつまでも銀河が後退するからドプラー効果で赤方偏移するという理論を持ちだしているのではないでしょうか。ドプラー効果は証明されていますから)

 

5 宇宙膨張と、膨張しない銀河群

 少なくとも100億年間銀河団の中の銀河は空間膨張の影響を受けていないようなのですから、銀河はいつこんなに離ればなれになったのか不思議になります。{昔の宇宙は今より小さかったということです}{宇宙は超高温高圧の1点からの大爆発から始まったとする考えにいたります}ということですから、昔は(ビッグバン論では138億年前)銀河系もアンドロメダ銀河も1点に押し縮められていて、超高温高圧だったということです。そこから今の宇宙にあるように、銀河は離なればなれになっていったということです。

(余談:超高温高圧と簡単に言っているけれど、地球一つだって{半径を9mmほどに圧縮できたとすると、…ブラックホールになります}といっています。それなのに、銀河系やそのほかの2兆個ほどもあるという銀河を集めて1点に押し縮めるのです。超高温高圧(重力が働いているということです)どころではなく、すべての物質が完全にブラックホールになるでしょう)

 銀河系は100億年前にできたといわれています。すると、その時から銀河系は膨張していません。138億年前にビッグバンがあったということから、ビッグバン後38億年後には銀河系は膨張をやめていたということです(ビッグバン説によると、銀河系のすべての物質はビッグバンで生まれているということですから、宇宙開闢直後にはすでに銀河系の物質はできていたということです)。すると銀河系の星、あるいはそれを作るもとになった物質は38億年で1点から10万光年に広がったということになります。その後100億年間は広がらなかったということです。銀河系と、アンドロメダ銀河は38億年で1点から260万光年離れたということになります。そしてその後近づいているということです。

類推すると、他の銀河団も100億年の間、膨張はしていないということになります。

銀河団の中の銀河間が膨張していたのは、長くて38億年間で、後の100億年間は膨張していないということです。

ハッブルの法則では、138億年かけて宇宙は広がったということですから、それには当てはまりません。最初の38億年で銀河の中の恒星間や、銀河団の中の銀河間の膨張は終わり、後の100億年は現状維持していたことになります。

では、ハッブル宇宙望遠鏡に写っていた銀河群はどうでしょう。120億年前には銀河があったということですから、その銀河はすでに膨張はやめていたはずです。今のように、その時銀河群ができたら、そのときには、銀河群も膨張はやめていたことになります。

それだけではありません。銀河ができるためには星間物質が集まる必要があります。ということは、銀河ができる前には既に銀河になる物資は膨張をやめて、収縮し始めていたということです。

 

このことから、銀河は120億年前、銀河団は遅くとも100億年前には膨張はやめていたということが分かります。膨張していたのは、宇宙が始まってから18億年、長くて38億年の間です。

空間は138億年膨張をしていても、銀河団の中の、何百何千の銀河間は少なくとも100億年は離れていっていないということになります。

ではいったいどこが膨張していたのでしょう。銀河団と銀河団の間とビッグバン論者は言っています。そうでしょうか。138億年の間、銀河団の間がハッブルの法則で膨張して、銀河団の中の銀河は100億年の間離れないとすると、100億年時間をさかのぼると、銀河団の間だけ短くなります。すると重力は銀河間より銀河団同士の間の方が強くなり、銀河団同士は重力で膨張できなくなりそうです。矛盾が生じます。

また、100億年前はビッグバン後38億年です。今の宇宙よりはるかに小さな宇宙です。単純計算だと今の宇宙の28%ほどです。そこに今と同じ量の物質があり、同じ量の銀河団があります。銀河団はその後膨張しないので今と同じ大きさです。すると銀河団の間の距離はかなり近いはずです。空間膨張より、重力が勝っている銀河団どうしの方がはるかに多かったでしょう。

では銀河はどうでしょう。100億年前からさらに遡ってみます。20億年遡って、ビッグバン後18億年の宇宙ではどうでしょう。そこには銀河が発見されています。その時の宇宙の大きさは今の宇宙の20%以下です。宇宙の中の星やガスや塵は今よりもはるかに接近していたはずです。ビッグバンで飛び散ってまだ18億年しかたっていないのですから、138億年後の今の宇宙内より物質どうしは近くにあったはずです。特にハッブルの法則では、距離に比例して離れる速度が速くなるのですから、小さな宇宙の膨張速度は今よりはるかに小さかったはずです。そのうえ、銀河になっていなくても、物質は今の宇宙と同じ量だけあるはずですから、物資は今よりはるかに詰まっていたはずです。すると、それらの重力は空間膨張よりはるかに大きいはずです。今の宇宙でさえ銀河団や銀河内の物質は広がれないのですから、その時の物資は広がれないでしょう。それではいつ物質は膨張したのでしょう。

このように、現実の宇宙の物質はハッブルの法則どおりには動いていないのです。膨張している銀河や、銀河団は観測されていません。それが現実です。

なぜ矛盾が生じたのかというと、銀河の赤方偏移を空間の膨張で起こっているということにしたことです。実際の銀河は離れていっていないのに空間が膨張しているから離れていっているはずだ、そうだ{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているということ}、としたことです。事実を無視して、自分たちの理屈通りに宇宙は動いているとしたのです。

(ハッブルは、赤方偏移は銀河の後退速度だと勘違いしないように、と述べています。そして、最初のころは、ビッグバン説では、銀河の赤方偏移を、ドプラー効果として説明していました。銀河が後退しているとしたのです。それが、あるときから、後退速度ではなく、空間膨張が原因であると説明を変えています。たぶん、実際は後退していないのに、赤方偏移している銀河がいっぱい見つかったからでしょう。でも内緒にしているでしょう。この二つの原因、後退速度と空間膨張はまるで違う現象です。それなのにこの二つを併記している本は今でもかなりあります。ビッグバン論はかなり適当なのです)

 

ビッグバン論では別の説明をします。

銀河の光が赤方偏移しているのは、銀河は地球から後退していないけれど、空間膨張のために光が引き延ばされているからだ。だから、空間は膨張している、というのが今のビッグバン理論です。

 

しかし、これには問題が3つあります。

 

第1の問題点

この考えだと、銀河系内の星やガスなどの物質部分は少なくとも100億年の間膨張していないけれど、銀河系の占める空間は138億年間膨張し続けているということになります。また、このあたりの局部銀河団の銀河は、離れていってはいないけれど、このあたりの空間は138億年間膨張し続けているということです。宇宙空間は、星や銀河を置いてかってに膨らんでいっているということです。

ビッグバン論だと、誕生から38億年の間はこのあたり半径約300万光年の空間と物質は同一歩調で膨張し、それ以降現在までの100億年間は空間だけが膨張していたということになります。少なくとも100億年の間、銀河系とその数十の伴銀河とアンドロメダ銀河とその数百の伴銀河の集団は互いに近づきはしても離れてはいっていません。しかし、それらのあるところの空間はその100億年の間もこれらの銀河群を置いてかってに膨張を続けていたというのがビッグバン宇宙論から考えられることです。

単純計算だと、このあたりの空間は今ビッグバン後38億年の時の空間の約3倍強に膨れているということです。

空間の膨張と、銀河の後退はまるっきり一致していないということがいえます。空間の膨張はハッブルの法則に一致しているかもしれないけれど、銀河の膨張はハッブルの法則とは完全に違っているということが言えます。

{重要なポイントは}、銀河の動きは観測できているけれど、空間の動きは直接には観測できていないということです。空間はなにも無いので見えないし触れないですから。観測できるもの(恒星や銀河)はハッブルの法則にしたがっていないけれど、観測できないもの(空間)はハッブルの法則どおりだということです。観測できないから、否定できないということです

アンドロメダ銀河と銀河系は近づいているのに、アンドロメダ銀河や銀河系やその間の空間は膨張しているということです。すると、百億年前にこのあたりにあった空間は、どこか遠くに行ってしまって、違うところにあった空間がこのあたりにやってきているということになります。たとえばアンドロメダ銀河と銀河系の間にあった空間が膨張して、銀河系のところまでやってきて銀河系の元あった空間を押しやって銀河系に居座っているということも考えられます。膨張する空間の動きと、銀河系の動き(アンドロメダ銀河の方向に引き寄せられている)は反対向きに動いているのですからそうなります。

このことから、空間の膨張は銀河系の動きと何一つ関係ないということが分かります。でもまあ、空間は元々何もない無なのですから、アンドロメダの空間であろうが、銀河系の空間であろうが、太陽の空間であろうが、地球の空間であろうが無どうしの違いは無なのですから、どの空間であろうが関係ないということかもしれません。

空間だけが勝手に膨張していろんなところにいっても銀河系には関係ないということですから、銀河や宇宙の物質も、空間膨張とは関係なくかってに動いていてもいいということになります。実際、銀河系やアンドロメダ銀河は空間膨張には何一つ影響されずに勝手に動いているようです。

ところが、空間膨張は、銀河系を何千も集めた巨大な質量を持つ銀河団をしっかりからめ取ってそっくり動かしているということです。それなのに、この小さな銀河系は空間の膨張など知らんふりで勝手気ままに動いているのです。矛盾です。あるいはパラドックスです。

 

このように矛盾が生じるのは、空間についての基本的なことが何一つ解明されていないからです。

空間は何でできているのか。空間の構造はどのようになっているのか。空間が膨張するとは空間のなにがどのようになっているのか。これらについてビッグバン論者は何一つ科学的な説明と証明はしていません。

ビッグバン論者が説明しないこと

・ 空間が銀河団を押す仕組み

空間は触ることができません。惑星探査機も、空間の抵抗や、摩擦は一切受けていません。風は私の髪をなびかせても、空間は私の髪の毛1本動かすことはできません。それなのに無数の巨大な銀河団を1点から百数十億光年先までちりぢりに動かしているのです。髪の毛は動かせなくても銀河団は動かせるのです。先に書いたように銀河系は動かせないけれど銀河団は動かせるのです。恒星は動かせないけれど銀河団は動かせるのです。惑星は動かせないけれど、銀河団は動かせるのです。地球を1ミリも動かせないけれど銀河団は動かせるのです。力関係がまるっきり逆転しています。重力が強いからだとビッグバン論者は述べていますが、銀河団の重力と地球の重力はケタ違いもいいところです。重力は理由になりません。まあ、不思議な現象です。もちろん空間が銀河団を動かす仕組みは何ひとつ解明されていません。

・ 宇宙全体の空間が膨らむ仕組み

地球の周りの空間が膨らみます。月の周りの空間が膨らみます。二つの空間は間で衝突して押し合います。空間はどちらに動くのでしょう。

銀河系の空間が膨らみます。アンドロメダ銀河の空間が膨らみます。間で衝突します。どちらに動くのでしょう。

おとめ座銀河団の空間が膨らみます。100億光年先の銀河団の空間が膨らみます。途中で衝突します。どちらに動くのでしょう。

すべての空間が膨らんでいるということです。宇宙空間は押し合いへしあいしています。どちらに動くのでしょう。そのとき、空間の何がどのように押し合っているのでしょう。

・ 空間を膨らます方法

風船なら、息を入れれば全体が膨らみます。空気という物質が押し合っているからです。ところが空間はなにもありません。なにが膨らませているのでしょう。

・ 大きな空間を膨らます方法

また大きさも問題です。風船は膨らますことができます。しかしこれが太陽系ほどの大きさの風船になると膨らますのは至難の業です。均等に膨らますことはまずできません。圧力が伝わっていくのに時間がかかるからです。その太陽系でさえ宇宙に比べると点にもならないほど小さいのです。

では10億光年先の空間の膨張がここまで伝わってくるのにどれくらいの時間がかかるでしょう。光速で伝わったとして10億年です。そしてその圧力で銀河系が後退するとします。ところが反対方向にも銀河がたくさんあります。100万光年後の銀河には100万年後膨張が伝わります。100万年後その銀河が動きます。それまで動きません。1000万年後、1000万年先の銀河が動きます。1億年後、1億年先の銀河が動きます。ドミノ倒しのように、銀河が次々と動いていきます。

このとき銀河が空間膨張と共に動くとすると、銀河は光速で動かなくてはなりません。光速で後ろの銀河に迫ります。しかし、まだ空間膨張は後ろの銀河には届いていないのでじっとしています。空間膨張が後ろの銀河に届くのと同時に、一緒に動いていた銀河も後ろの銀河に到達します。銀河の衝突が起こります。これは通常の速度でも同じです。空間の膨張速度で銀河が動くと、後ろの銀河には、空間膨張が届くのと同時に銀河も届いてしまいます。やはり衝突してしまいます。銀河の移動速度が空間の膨張速度より遅いとします。その時もやはり、後ろの銀河が動きだすまで、銀河は接近していきます。遠かった銀河がすぐ近くになってしまいます。

いや後ろの銀河との間の空間も膨張しているから、それで後ろの銀河も後退してるから衝突しないということも考えられます。そのとおりです。しかし、その時は間の空間の膨張がこちらの銀河にも伝わって反対に押すことになります。たとえば、地球の北側にある空間の膨張と、南側にある空間の膨張が地球のところで衝突します。地球は動けません。そのようなことが起こります。

100万光年うしろの銀河の空間も膨張しています。その膨張は、100万年したら地球に到達します。地球は押されます。宇宙にあるという2兆個の銀河の空間が膨張して、その膨張が全方向から地球を押しています。地球は身動きとれないどころか押しつぶされてしまいます。なんせ空間膨張は銀河団でさえ何億光年の距離をやすやすと動かすすごい圧力を持っているのですから。

空間膨張が宇宙を均等に膨張させる仕組みは解明されていないのです。

ビッグバン宇宙論では、風船の表面に銀河の絵を書いて膨らますと、絵の銀河が離れていくという説明をします。これは風船だからできることです。小さなゴム風船を人間の息で膨らますからできることです。ゴム膜と空気という物質で、人間の力でできる範囲の小ささだからできるのです。上に書いたよう、それぞれの空間がかってに膨らむと、それぞれにぶつかりあって、動きが取れなくなります。

2兆個のゴム風船に銀河を1個づつ書いて膨らませると、押し合いへしあいになってしまいます。まっとうには膨らまないでしょう。

・ 空間が膨らむ場所

ビッグバンは1点から膨張したということです。このとき空間ができたということです。ではできた空間はどこの中で広がっているのでしょう。この宇宙の膨張の端はどのようになっているのでしょう。最初1点だったのだから、一点の周りがあるはずです。1点から膨張するのですから膨張の先端、端があります。その端の先は何なのでしょう。この宇宙の端はどこにぶつかっているのでしょう。ビッグバン論者はそれも無視です。ある人たちは神の国だということでしょう。神の住む国が先にあって、神が「光りあれ」と言ったら、神の住む宇宙空間の中に光りが現れてそれがあっという間に膨れて人間の住む宇宙ができたということを言うかもしれません。こうなると科学ではなくて、宗教になりますから、さすがにビッグバン論者は科学者だからおおっぴらにはいえません。

・ハッブルの法則と重力

ビッグバン宇宙論の宇宙138億年の間の、少なくとも近い100億年間は銀河系は膨張していないのです。100億年より前、小さい宇宙にぎっしり物質が詰まっていたときは、重力より、空間膨張が大きくて、物質は空間の膨張とともに38億年間も膨張していったのに、離れて物質がバラバラになり、離れる速度が速くなり(ハッブルの法則だと、距離が離れると離れる速度が速くなるということです)、重力が弱くなったとたんに、物質は離れていくのをやめて、空間だけ膨張することになっています。ハッブルの法則と事実が矛盾しています。

 

第2の問題

光の膨張

赤方偏移は空間膨張によって光が引き延ばされたから、というのが、ビッグバン説です。

問題は、空間膨張が光を進行方向にだけ引き延ばしていることです。

空間は立体です。3次元です。ビッグバン論でも宇宙空間の膨張は3次元で起こっていることになっています。しかし、光は、1次元、進行方向にだけしか膨張していません。なぜ3次元に膨張しないのでしょう。空間膨張に合わせて高さも幅も膨張するはずです。膨張しない根拠はありません。ところが、ビッグバン論者はそのことには触れさえしません。

理由は簡単です。ビッグバン論に必要なのは、赤方偏移を言うために光りを引き延ばすことだけなのです。他の方向の引き延ばしはビッグバン論には邪魔でしかないからです。必要なことだけピックアップし、邪魔ものは無視するというのが、ビッグバン論の特徴です。(上に書いた、光は物質に当たると赤方偏移するということも完全無視しています)光が空間膨張にともなって縦にも横にも斜めにも膨張したら困るのです。光が、飛べば飛ぶほど、強くなってしまいますからね。遠い銀河ほど輝いているということになって現実とは合わなくなってしまいますから。でも、空間膨張で光の波が進行方向に引き延ばされるなら、同じように、波の高さも引き延ばされてもいいはずです。ビッグバン論者はこのことには触れていません。不都合なことは無視に限る、なのでしょう。

エネルギー不変則で光が縦に伸びて強くなったらエネルギー不変則に反するということが言えます。しかし、光が引き伸ばされて赤方偏移するということは、光のエネルギーが減じているということですから、これもエネルギー不変則に反します。減るのはいいが増えるのはだめだというエネルギー不変則はありません。それにくらべ、銀河の光が宇宙空間にある水素などの分子に当たってエネルギーを減じるという考えは、エネルギー不変則に反しません。赤方偏移した分のエネルギーは衝突した物質の温度を上げます。また、光が縦にも横にも伸びる必要もありません。

何故無視するしかないのか。答えられないからです。そもそも、空間が光を引き延ばす仕組みが何一つ分かっていないのですから、聞かれたら答えに困るのです。だから、空間が膨張したから光が赤方偏移したと口を酸っぱくして言っているのです。権威者がそろって100回言えば、理由などなくても信じるものですから。

 

このほかの問題

ビッグバン論の特徴

 実証の無い理屈(科学的理論とはいえそうもない空想科学的な理論)だけで成り立っている。

・ 無から全宇宙の物質が1秒の数千万分の1かからずに生まれる。

(地球が、種も仕掛けもない「無」から、1秒もかからずに飛び出てくる、というのを証明する事実も、理論も無い。空想科学の範疇である)

・ インフレーション。

(生まれた宇宙が一瞬で光速の何千倍何万倍の速度で膨張する。一瞬で地球を光速の数万倍に加速するというのは、今分かっている物理学に反する現象である。もちろんその仕組みの理論も実証も無い)

・ ビッグバン。宇宙空間が均一に膨張する。

 (書いたように、銀河や銀河団内の銀河間は離れていっていない。空間が膨張するという仕組みも空間の構造も何一つ分かっていない)

・ ダークマター。

(通常の物質の5倍もの謎のダークマターという空想科学に持ってこいのネーミングの物質が必用。素晴らしい観測機器を各国で作っているにもかかわらず、いまだに何一つ観測できていない。これはダークマターがないということの証明になるはず。誰もそれはいえない)

・ ダークエネルギー

(同じように、ダークエネルギーが必要。やはり観測されていない。今後も観測されないだろう。ビッグバンに必要だからというので創り上げた、理論も無い実証も無いエネルギー)

 このように、インフレーションビッグバン論は、証明された理論も実証も無いエネルギーや物質や現象で成り立っています。理論も実証も無い(観測されないというとはそれがないことの証明にもなるはず)のに、正しい、とほぼすべての宇宙科学者が言っている、不思議な理論です。

 

まとめ

(1)赤方偏移

銀河の赤方偏移の原因が、宇宙の水素原子や分子を中心として、様々な物質に衝突することから起こっているという考えには矛盾はありません。科学的理論もあります。身の回りにもその例が日常的にあります。

一方、空間が光りを引き延ばすという現象は直接観測されていません。科学的理論もありません。理論も実証も無い考え方です。

理論も、実証もある考え方と、理論も実証も無い考え方とどちらが正しいでしょう。

(2){「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっている}

 宇宙のすべての銀河は、できてから少なくとも100億年の間は膨張していません。

 また、銀河群も、できてから100億年は膨張していません。

 銀河団の中の銀河間も、おそらく100億年の間、膨張はしていません。

 このことから、{「あらゆる方向で」「距離に比例した速度で」銀河が遠ざかっているという}ことは事実ではないといえます。実際に銀河が遠ざかっているという現象は観測されていないのが現実です。

(3) 空間膨張

 空間の構造。空間が銀河を動かす仕組み。銀河を動かす運動エネルギーの出所。銀河間が離れると生じる巨大な位置エネルギーの出所。

 これらのことは何一つ解明されていません。空間が観測できないから反証も見つけられないのをいいことに、理論もないし、実際の観測もされていない空間膨張を根底にしたビッグバン宇宙論は、科学ではなく、空想科学の世界の理論です。