光の膨張は本当?


宇宙空間が膨張するとは,どういう意味か(Newton2016,3)

についての考察

2016,5,30

田 敞

 

(以下{ }内は上記本よりの引用)

 

あとがき

 この特集の前文に、{「宇宙は膨張している」}これは{宇宙膨張は宇宙について考えるうえでの大前提になっており、天文学者や研究者たちにとって,疑う余地のない事実だと認識されているようです。}

{しかし、冷静に考えてみると,「宇宙が膨張する」というのは,とても不思議です。物体ではない,空間が膨張するとはどういう意味なのでしょうか?}

というだれもが抱く疑問が述べられています。その答えは解明されたのでしょうか。

また、{宇宙の時間を巻きもどしていくとたどりつく,「宇宙誕生」の謎にもせまっています。}

とあります。その謎の答えは出されているでしょうか。

 

1 問題1

宇宙膨張は本当に{天文学者や研究者たちにとって,疑う余地のない事実だと認識されているようです。}の根拠について考えてみます。

考察

インフレーションビッグバンについて、何が分かっているかを考えてみます。

@ インフレーション

・ エネルギー

種類・・・不明

(空間膨張をさせるので、今までに分かっているエネルギーではない不思議なエネルギーであるはず)

出所・・・不明

(無から湧いたというが、巨大なエネルギーが無から湧くということはエネルギー不変則に反する)

・ 仕組み・・・不明

(憶測しかない)

・実証・・・なし

A ビッグバン

・ エネルギー

種類・・・不明

出所・・・不明

(子のエネルギーも空間膨張をさせるので、今までに分かっているエネルギーではない不思議なエネルギーである)

・ 仕組み・・・不明

(憶測しかない)

・ 実証・・・なし

 

B 空間膨張

・ エネルギー

種類・・・不明

(空間膨張をさせるので、今までに分かっているエネルギーではない不思議なエネルギーである)

出所・・・不明

(無から湧いたとも、インフレーションのエネルギーが転化したとも言うが、どちらにしろ、もとは無なのだから、エネルギー不変則に反している)

・ 仕組み・・・不明

(憶測しかない)

・ 実証・・・ なし

C ダークエネルギー

 宇宙空間を膨張させているというエネルギーです。

種類・・・不明

(空間膨張をさせるので、今までに分かっているエネルギーではない不思議なエネルギーである)

出所・・・不明

宇宙で発見されているすべての物質やエネルギーの10倍以上あるというから超巨大なエネルギーである。それが、地球上や太陽系では、髪の毛一筋も動かさないのだから、非常に不可思議な力である。その10−2300倍のそよ風だって髪の毛くらい簡単に動かせるのに。

仕組み・・・不明

実証・・・なし

(遠い銀河ほど、早く遠ざかっているということが証拠だというかもしれないが、それは、銀河の光の赤方偏移からの推測であって、遠ざかっているということの直接の観測ではないから、実証とはいえない)

C ダークマター

種類・・・不明

(いままでに発見された物質にはない)

実証・・・なし

D 銀河の赤方偏移

 これは、光は物質に衝突するとエネルギーを下げるという、分かっている現象で説明できるので、銀河が後退しているという証拠にはならない。

E 宇宙背景放射

宇宙の塵の出す光であるとする考えもある。これだと、いま解明され、実証されている物理理論で説明できる。だから、これも、ビッグバン名残の光であるとするのは難しい。

結論

これが、{疑う余地のない事実だと認識されているようです。}の根拠です。{疑う余地のない事実}などどこにもありません。宇宙論学者を疑ってしまいそうです。

 

2 問題2

{空間が膨張するとはどういう意味なのでしょうか?}

考察

 {空間が膨張するとはどういう意味なのでしょうか?}ということの答えは、結局この本には何一つ書かれていませんでした。

現象としては、地球や太陽系や銀河系は膨張しないが、遠くの銀河や銀河団は、高速で地球から離れている、と考えているということです。

太陽系や、銀河系は空間膨張より重力の方が大きいから膨張しないということです。でも、昔、銀河系の大きさに全宇宙の物質が詰まっていた時は、空間膨張の方が重力より強かったということです。現在と過去では現象が逆転しています。もちろん、その理由は書いてありません。ビッグバン論者の思うままに宇宙は動くということのようです。

また、空間膨張そのものも、それによって、銀河が離れていることも直接には観測されていないということです。直接の実証はないということです。空間膨張は銀河の赤方偏移からの推測ということでした。

 空間膨張の仕組みは、ゴムバンドを引っ張って伸ばすくらいの意味のようです。空間膨張とゴムバンドを引っ張ることが同じことであるというのです。せいぜいそれくらいの考えしかできていないようです。 

結論

 {空間が膨張するとはどういう意味なのでしょうか?}についての本質は調べようともしていません。空間がどのように働くと、銀河団が高速で動くのか、ということも考えようとしていません。

 肝心なことは何一つ解明されていないばかりか、追求しようとさえしていないということが分かります。考えないのは、とても太刀打ちできないからでしょうか。それとも、神様の仕事だから考えるのは無意味だからでしょうか。それとも、インフレーションビッグバン宇宙論が絵空事だからでしょうか。

3 問題3

{「宇宙誕生」の謎}

考察

{「宇宙誕生」の謎}についても、どこに生まれたのか。その原理は、そのエネルギーは、ということはなにもわかっていないようです。

・ 巨大な宇宙が、小さな1点に生まれた仕組み・・・謎。

・ 宇宙を誕生させた巨大なエネルギー・・・謎。

・ 全宇宙の物質が小さな点に集まっているのに、ブラックホールにならずに、超光速で、吹き飛んだエネルギーや、仕組み・・・謎

・ 空間膨張が伝わっていく仕組み・・・謎。

・ 空間が膨張する時に押し合う力は互いの空間のどこにどのように作用するのか・・・謎。

結論

 みんな謎のままです。いえ、これらのことは、触れないようにさえしています。

結局、宇宙ができた仕組みは何一つ分かっていないということが分かっただけです。

 

4 インフレーションビッグバン宇宙と定常宇宙

 インフレーションビッグバン論者の言う宇宙膨張の証拠は、遠い銀河ほど赤方偏移しているということと、宇宙背景放射が2大証拠です。そのほかにも、水素とヘリウムの比率とかあるといいますが、それは、大した証拠ではないという感じです。

たった、これだけの証拠です。これらのビッグバンの証拠と言われていることも、他の解明されている原理で説明できる現象です。それも、ありふれた現象として説明できることです。

 インフレーションビッグバン論は定常宇宙を否定しています。しかし、ビッグバンが点で始まったら、その外があることになります。直径が100光年に膨張したときも、その外側があるはずです。今も膨張していたら、その最先端の外側があるはずです。それらの外も宇宙ではないのでしょうか。

この宇宙が、この本に言うように何らかの球の表面としても、その何らかの球の周りは、と考えなくてはならなくなります。その周りは何らかの宇宙ではないのでしょうか。この3次元世界の地球の外には、3次元空間が無限に広がっていると考えられるように。そんなことは考えるのが無意味と言って逃げても、考えるしかなくなります。

この本に紹介されている宇宙の多重発生にしても、その多重発生している宇宙のまわりとか間にも宇宙があるはずです。周りの宇宙はなんなのでしょうか。

 無限の広がりということは、宇宙をどのように考えても、最後には出てきます。この3次元の宇宙が4次元の宇宙の球の表面になっていても、またその4次元の宇宙が5次元の宇宙の球の表面だとしても、その5次元の宇宙が6次元の宇宙の球の表面としても、すべての次元の球の外側が考えられます。その外は最後には無限に広がる宇宙になる可能性があります。そんなものがあればですが。

膨張宇宙は無限の宇宙の広がりをただ先送りしているだけにすぎません。

 

―この宇宙のでき方の考え方―

@ 無限の宇宙の中の一点に全宇宙ができて膨張しこの宇宙になった。

A 無限の宇宙の中の1点にできた膨張宇宙が、際限なくインフレーションを起こして、多重宇宙になった。

B 4次元の無限の宇宙の中の球体の表面の1点にこの宇宙ができて膨張した。

C 無限の宇宙の中に、果てしない時間をかけて素粒子が点々とできて、それがやがて重力と、電磁波の放射によって集まり、星になり銀河になった。(昔の定常宇宙論)

考察

 C以外はこの本に出てきたインフレーションビッグバン宇宙像です。どれも、必ず、その外に無限の宇宙の広がりがある可能性を否定できません。考えるのが無意味だといって逃げても、考えられます。

 無限の宇宙の広がりの中に素粒子が少しずつできたのか、1点から膨張してこの宇宙ができたのか、1点から膨張して多重宇宙ができたのかの違いだけです。たんにできたものの大きさの違いだけです。ちなみに、量子論が使えるのはCのみです。他は量子ではなく超マクロの世界です。最初、いくら見かけが小さくても、エネルギーは超マクロですから、量子論の範疇ではありません。

結論

 1点にから全宇宙が一瞬でできた。超超光速膨張が初期宇宙では繰り返された。空間が膨張する。全宇宙の95パーセントが、謎のエネルギーと、謎の物質でできている。

もちろん、その原因も、仕組みも、エネルギーも未解明です。実証もありません。あるのは、インフレーションビッグバン宇宙をうまく説明できるから、だけです。周転円が、天動説をうまく説明できるからと取り入れられたのと同じ考え方です。

 インフレーションビッグバン説は摩訶不思議以外になにもないのがわかります。天動説の方がまだかわいらしいと思いませんか。周転円は結構うまく惑星の運行を計算できたようですから。

 これが、インフレーションビッグバン宇宙です。科学の方法ではなく、サイエンスフィクションの方法です。

 謎が謎を生むしかなく、不可思議以外になにもないインフレーションビッグバン論はそろそろおしまいにする時期のような気がしますがいかがでしょうか。

2016年6月2日完

著者、田 敞