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自然界の最高速度「光速C」を超える

超光速は実現可能か(Newton10,2016)についての考察13


著者 田 敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
                                  

 

{光速が自然界の最高速度であることはなぜわかった?}

問題1

その理由が、{誰から見ても光の速さがつねに一定であるということは,どんなに速く進む物体から見ても,光はやはり光速(秒速30万キロメートル)で進んでいるということを意味します。}ということです。そのためには、{誰}もが、光との相対速度を光速にするために、速度に応じて時間を遅くするということのようです。

考察

{誰から見ても光の速さがつねに一定である}という現象は確認されていません。アインシュタインの仮説にしかすぎません。

 このことに関しては、チェレンコフ光で、電子が光を追い抜いている(電子から見ると、光は遅れている)ことや、小柴氏の観測した超新星の爆発により出たニュートリノと光が、同速で地球に到達している(ニュートリノから見ると、光は0m/秒)ことなどから、{どんなに速く進む物体から見ても,光はやはり光速(秒速30万キロメートル)で進んでいるという}仮説が間違いであるということが示されています。反対に、この仮説を証明する現象は観測されていません。以前その実験をやった人(マイケルソンとモーリー)もいたのですが、異論を唱える学者がいますし、検証実験もなされていません。非常に高度な技術で微妙な検出が必要だとのことです。重力波検出装置は、同じシステムなのでやればいいと思うのですがね、やる気はないようです。現在の技術を持ってしても、重力波検出装置は調整に半年から1年も費やしているほど難しい技術のようです。それに比べると、上の、チェレンコフ光や、小柴氏の観測したニュートリノは確立された観測です。(小柴氏の観測したニュートリノはアメリカでも観測されているので検証もされたということになります。また、チェレンコフ光は宇宙線の観測にも使われ、毎日複数の観測所で観測されているので確定しているといえます)

 反証は確定しているけれど、実証はないというのがこの{どんなに速く進む物体から見ても,光はやはり光速(秒速30万キロメートル)で進んでいる}という仮説です。

問題2

{電磁気学の理論によれば,電磁波が真空中を進む速さ(光速)はつねに一定になるはずだと考えられました。}

考察

{電磁波が真空中を進む速さ(光速)は}何に対して一定であるかということが問題です。

ニュートンの考えだと、絶対空間に対して一定です。アインシュタインの考えはすべての物に対してです。これが二人の考えの大きな違いです。

ニュートンでは、物質も光も絶対空間の中で動くので、物質も光も絶対速度を持つので、物質と光は相対速度を持ちます。たとえば、光速の0.6倍の速度で飛ぶロケットと光が競争したら、光が光速の0.4倍の速度でロケットから離れていきます。上に書いた、小柴氏の観測したニュートリノと光や、チェレンコフ光の電子と光の速度の関係はこのとおりの現象です。実証があるということです。

アインシュタインの場合は、光だけが絶対速度を持ち、物質の速度は決められないということです。上のロケットと光が競争したら、光はロケットに対して光速で遠ざかるということです。そのために、ロケットの時間が遅くなり、空間が縮むということだそうです。この考え方には、ニュートンの場合と違って実証はありません。

 

問題

物質の時間や空間が速度に応じて伸び縮みしていることは実測されているのかを考えてみます。

1 あるという意見。

@ ジェット機に時計を積んで飛ばして計ったら時間の遅れが計測された。

これは実測だから相対論の裏付けになりそうです。

ただ二つ問題があります。

一つは、時間が遅れたジェット機が、現在の時刻の飛行場に到着していることです。ジェット機の時刻と飛行場の時刻が異なります。2機のジェット機の1機は飛行場の時間に比べて時間が遅くなり、過去の時刻になっています。もう1機は時間が速くなり、飛行場の時刻より未来の時刻になっています。過去や未来のジェット機が現在の飛行場に着陸したということです。ジェット機はタイムマシーンになったということです。今のところタイムマシーンは作られていません。ジェット機にもその装置はありません。一般的には、異時刻のものは同時刻には出現できないということになっています。突然関ヶ原の時刻になって合戦が現れたり、1億年前の時刻になって恐竜が走り回ったりしたら困りますからね。マイクロ秒の時間なら良いのかもしれませんが、そのときは、その根拠と、得意の計算式を提示する必要があります。短ければ過去の時刻が現在の時刻に現れてもいいという問題ではないと思いますが。

この実験では、ジェット機がタイムマシーンになったということか、それとも、時計が狂っていたかの問題が残ります。常識的に考えれば時計が狂ったという方が妥当な気がします。

第2は、この実験は検証実験がなされたのかという問題です。そして同じ結果が出たのでしょうか。検証実験のことは聞きません。マイクロ秒の範囲の検証です。それでも正確な時計で計ったと主張しています。もしやったとしたら、寸分も違わない検証実験ができたのでしょうか。計るたびに違う結果が出たなどということでは検証になりません。科学の方法論では、検証のない実験は実証とはいえないことになっています。

A ナビの人工衛星の時計を相対性理論(特殊、一般両方)によって調整している。

人工衛星の時計を相対論効果による時間の遅速に従って合わせているから正確なナビができるということです。だから相対性理論の実証になるということだそうです。

ナビの衛星は複数あるので、検証がなされたといえます。

しかし、これでも上と同じ時刻の問題は生じます。

もし、速度によって時間の進み方が変わるなら、時計を合わせても、速度や重力による相対論効果によって人工衛星本体の時間は地上と異なっていくはずです。それは、どこの家の時計でも、時計の針を進めると家が未来に進むということがないことからわかります。早く明日になりたいからといって時計の針を指で動かしても明日にはなりません。家の時間の速度と時計の針の速度は関係ない現象ということがいえます。

ナビの時計は非常に正確で一般の時計とは違う。また、合わせ方も、コンピューターシステムで、指で合わせるのと違うということかもしれません。しかし、今のところタイムマシーン機能のある時計は発明されていません。科学の粋を集めた時計を最新の科学的な手段で動かして時計の進み方は変えられても、人工衛星の時間そのものの相対論的進み方(そんなものがあればですが)を変えることはできないはずです。

 したがって、相対論効果が本当なら、人工衛星の時間は地表とずれていきます。その差は時間経過とともに積み重なっていきます。これもやはり、異時刻の物体が同時刻に出現しているということになります。

上と違って距離が離れていますが、距離は関係ないということは、その距離で地上のナビを行っていることからわかります。

B ミューオンの飛ぶ距離が延びている。

 高速で飛ぶミューオンが本来飛べる距離より長く飛んでいるのが観測された。

これは、高速で飛ぶミューオンの時間が相対論効果でのびたためだというのが相対論者の主張です。

 これにも二つの問題があります。一つは上と同じ問題です。時間がゆっくりになると、地表の時刻とミューオンの時刻が異なってきます。時間がゆっくり進むために地表の時刻から遅れて過去の時刻になったミューオンが現在の地球に出現するという、タイムマシーン効果が出てきます。

 もう一つは、速度です。時間がゆっくりになると、地表から見ると速度が落ちるはずです。地上で1秒たっている間に、ミューオンの時間が0.5秒しか経っていないとすると、観測される速度は半分に落ちます。地球から見た時間が遅くなると、地球から見た速度もゆっくりになるので、ミューオンの飛行距離は伸びないはずです。

距離=速度×時間ですから、時間の進み方が遅くなっても、1秒間に飛べる距離は同じはずです。速い1秒も、遅い一秒も1秒間で飛べる距離に変わりはありません。したがって、時間の進み方が遅くなっても、ミューオンの生存時間が同じならミューオンの飛行距離は変わりがないはずです。

地球時間から見ればニューオンの時間がのびているということかもしれません。でも、地球時間をミューオンに適応できるとしたら、月から見たら、太陽から見たら、隣のミューオンから見たらと、視点を変えることができます。すると視点によって、ミューオンの生存時間が変わってきます。すると、飛行距離も変わってきます。ミューオンは一定の飛行距離を持つことができません。観測器の速度によって、現象が異なっては、困りものです。まあ、それが相対論ですから仕方がないですが、ミューオンが定まった距離を持っていることは、視点によって現象は異ならないということですから、観測機器の速度によるということではないようです。

また、速度が落ちると相対論効果で時間の遅れが少なくなり、時間の遅れが少なくなると速度が上がり、速度が上がると時間が遅くなり、時間が遅くなると速度が遅くなり、・・・と、ミューオンの速度と時間が際限なく速くなったり遅くなったりを繰り返さなくてはなりません。困った現象が起こります。

C マイケルソンとモーリーの実験

光が、地球にたいしてどの方向からも、同じ速度であるということをはかった実験です。

非常に微妙な実験だそうです。検証実験が無いので、これによって光速度が不変であることの実証にはなりません。

 

2 無いという意見

@ 小柴氏の観測したニュートリノ

このニュートリノは、16万光年の距離を16万年かけて地球に到達したことになっています。

ニュートリノはほぼ光速ですから特殊相対性理論が正しければ時間がゆっくりになっているはずです。すると、16万光年の距離を進むのに、地表の時間で16万年では到達できないはずです。ニュートリノの時間の進み方が半分に遅くなれば、到達するまでに地球の時間は倍、すなわち32万年進んでいるはずです。

そうはなっていません。ニュートリノから半日遅く超新星から出た光は、ニュートリノからやはり半日遅れて地球に到達しています。光も16万光年を16万年かけて到達しています。ニュートリノの時間は16万年の間に半日も遅れていないということです。160000×365×24分の12の時間の遅れもないということです。

光は光速だけど時間が止まったりしないようです。たぶん唯一絶対速度だからなのでしょう。しかし、ニュートリノは物質だから絶対速度を持っていないので時間がゆっくりになるはずです。すると、同じ距離を進む時、地球から見ていると、光がニュートリノを追い越すことになるはずです。しかし、追い越したという観測はなされていません。これは、ニュートリノの時間が特殊相対論のいう時間の遅れを示していないことの証拠になります。

また、ニュートリノから見ると、光の速度は0m/秒です。{どんなに速く進む物体から見ても,光はやはり光速(秒速30万キロメートル)で進んでいる}ことにはなっていません。

A チェレンコフ光の電子

この電子は高速で飛んで水中の光を追い越しています。このとき、電子の時間がゆっくりになったら、それに合わせて電子の速度が遅くなっているはずです。しかし、電子は光を追い越して飛んでいます。やはり、特殊相対論のいう時間の遅れはないと考えられます。

また、電子から見ると光は追い越されているので、マイナスの速度になっています。{どんなに速く進む物体から見ても,光はやはり光速(秒速30万キロメートル)で進んでいる}ことにはなっていません。水のために、光の速度が75%に落ちているというのは、関係ありません。そのときは、電子に対して光速の75%で飛ばなくてはなりません。そうはなっていません。

 

余談

 光時計と、光行差

特殊相対性理論の有名な仮想実験に、光時計というものがあります。光が天井と床の間を1秒間で1往復するというものです。したがって間は、0.5秒光年です。

 このとき、光は、時計と共に動いている内部の人から見ると、天井から真っすぐ床に降りて反射し、また真っすぐ天井に当たるということです。光時計が動いていても、光は真っすぐ往復するということです。光速度不変の原理だからそうなるということのようです。

 それを、時計の外部の静止した人が見ると、光は、時計と共に進んでいるから、光は斜めに進むように見えるということです。すると時計と共に動いている内部の人から見る光と外部の人から見る光の飛ぶ距離が異なってしまいます。光の速度は同じなのだから、違いは時間と空間の伸び縮みが原因であるということにして、物は動くと時間と空間が伸び縮みするということにしています。

 

光行差という現象が観測されています。星の光が、地表の進行方向から斜めに射してくるという現象です。これは地球が動いているために光が斜めになるということだそうです。

 光時計の考えが正しいとすると、光は光速度不変の原理で、地球と共に動いている人に対して光時計のようにまっすぐ地球に当たらなければなりません。星の光が斜めになるのは、地球外部の静止している人に対してのはずです。ところが、実際には光は地球と共に動いている人に対して斜めに降り注いでいます。特殊相対性理論では光時計の光の進路はまっすぐ上下だという考えですが、実際は、光は動いているものに斜めに降り注いでいます。光と動いているものとは相対速度を持っているということです。光速度不変の原理が実際には表れないということです。

光行差の現象は、車で走っていると、雨が進行方向から斜めに降るのと同じ現象だそうです。

走っている車に、斜めに降る雨の現象と光行差が同じ原理なら、車と雨が相対速度を持っているように、地球と光が相対速度を持っていることになります。光が地球の速度にかかわらず地球に対して光速度ではないということです。

ニュートンの絶対空間の考え方だと、車と雨の現象も、光と地球の現象も共に説明できます。光時計の現象は説明できません。一方、特殊相対性理論では、光速度不変の原理の複雑な計算で光行差は説明できるかもしれませんが、車と雨の関係は説明できません。雨速度不変の原理はないからです。光はアインシュタインの理論で、雨と車は、ニュートンで計算するということなのでしょうか。ニュートンの絶対空間、絶対時間を完全否定しているのだから、相対性理論はニュートンに頼ってはならないはずです。

また、光時計にも矛盾があります。誰から見ても光は光速度なのだから、時計内部の人から見てもまっすぐなら、時計外部の静止した人から見てもまっすぐでなければならないはずです。一方だけ光速度不変の原理を適用して、一方には、それを適用していないのはご都合原理です。

また、光時計の中に2人観測者がいて、一人が座っていて一人が走っていたら光はどうなるでしょう。何ものにも光速度なのだから、光は座っている人にも、走っている人にもまっすぐ上下しなければならなくなります。光は2本にならなくてはなりません。3人だと3本、10人がめいめい速度が違って移動していたら、10本の垂直な光が生まれます。光時計には1人しか入れない。そんなことはありません。高さが0.5光年もある大きな時計です。1000人入ってもまだ余裕は十分あるでしょう。

ニュートンの絶対空間、絶対時間の考え方では光時計は間違った考え方です。

 

結論

 相対論の実証ができたという現象は非常に微妙で、矛盾があることばかりです。反対に、反証はマクロな事象の観測です。複数の施設で複数の観測もあり。現象に矛盾もありません。

上のことから、{どんなに速く進む物体から見ても,光はやはり光速(秒速30万キロメートル)で進んでいる}ということは実際には起こっていないといえます。また、速度に応じて時間が遅くなるということも、反証はあるが実証は無いということがいえます。

相対論効果で時間の進み方が変わってどんなに時刻が異なっても、すべての物質は、地球時刻の「今」に出現する、というなら、その理論が必要です。地球中心説。時間の天動説です。

しかし、ニュートンの絶対時間なら問題はありません。宇宙のすべては、「今」という時刻に統一されています。宇宙のすべてが平等です。「今」、同時刻の太陽から出た光は、8分かかって、やはり8分たった地球に衝突します。光の時刻も、地球の時刻も同時です。いつも、どんな速度の物でも、つねに同じ時刻にあります。矛盾はありません。

また、速度に応じて物質が縮むということも、観測されたことはありません。それはそういう現象がないということの証拠になります。

 

 

終わりに

以上で、「自然界の最高速度「光速C」を超える 超光速は実現可能か(Newton10,2016)についての考察?」は終わりです。

「ニュートン」さんには失礼をしたかもしれませんがご容赦ください。相対論への反論で、それを紹介した、ニュートンへの反論ではないですから。

読んでくださってありがとうございました。一生懸命書いたのですが、重複や、考えのいたらないところがあることと思います。ご指導くだされば幸いです。