「宇宙,無からの創生」(Newton別冊)への疑問と反論 20
著者 高田敞
(以下{ }内は上記本よりの引用)
{相対性理論は,宇宙空間が永遠不変でないことを明らかにした}
問題1
相対性理論では{空間内にある物質がその質量に応じて,周囲の時空をゆがめる}ということだ。
考察
これは地球上では観測されていない現象である。起こっていないといえる。
エディントンの観測や、水星の軌道などがその実証であるという説だ。
・ エディントンの観測した星の光の曲がる現象は、太陽大気による屈折現象ともいえる(エディントンの観測した星は太陽コロナの中に写っている)。
こちらは地球上の他の実験や観測で検証済みの現象であるが、空間によって光が曲がるという現象は他の観測や実験では実証されていない。
重力レンズといわれている現象も、銀河や銀河団の水素による屈折現象であるといえる。銀河や、銀河団が水素のガスに満たされているのは観測されている。水素のガスが光を屈折させるのは理論も、実験もある。
エディントンの観測や、銀河などの重力レンズといわれているものは、すべて、気体による屈折現象であるといえる。相対論の証明には使えない。
・ 水星の軌道も太陽が楕円球であればそのような軌道を描く。そして太陽は楕円球であるという観測もなされている。同じ現象が地球と月にも起こっている。地球が楕円球であるために、水星と同じような変化が月の軌道にも現れている。
よって、水星の軌道も、相対論の証明には使えない。
結論
以上から相対論は証明されていないといえる。
もし、相対論が正しければ、地球上のすべてが相対論効果で動いているはずなのだから、普通にそのあたりで相対論の現象がみられるはずだ。ところがそれがどこにもない。相対論が間違っている最大の根拠になる。相対論効果は特別な時にしか現れないというのは言い訳にしか過ぎない。
実証といっても、せいぜい、上記のように、他の現象であることを借りてきて言いくるめて証明できたといっているにすぎない。
相対論は実証されていないので仮説にしか過ぎない。偉い学者が百万人賛成してもそれは科学としては意味がない。実証こそ仮説が定説になるための条件である。科学は決して多数決ではない。
問題2
宇宙空間は{全体として膨張したり、収縮したりする可能性が出てきたのです}
考察
半径少なくとも400億光年。どこまで大きいかわからないというこの宇宙が、全体としてどのように膨張するのだろう。その仕組みが、述べられていない。パンや風船なら全体として膨張してもそれほど問題は起きない。しかし、数百億光年の半径を持つ宇宙をどのように膨張させるのだろう。
(1)膨張の力をどのようにして伝えるのか
例えば、地球の周辺の空間の膨張は、どのように400億光年先の空間に伝わるのだろう。線路の膨張は線路を伝わって線路を延ばす。しっかり固定していないと、線路がぐにゃぐにゃに曲がってしまう。
では地球周辺の空間が膨張したとき、その膨張を、周辺、例えば太陽にどのように伝えていくのだろう。その先、アンドロメダ銀河にどのように伝えていくのだろう。そして400億光年先までどのように伝えていくのだろう。
空間の何が地球の空間の膨張を伝えているのか、説明していない。なぜ説明がないか。理論がないからだ。
その膨張伝達手段を解き明かす必要がある。そんなものはないから無理だと思うが。
(2)伝達速度
地球周辺の空間膨張があったとして、それが400億光年先の空間に伝わるにはどれくらいの時間がかかるのだろう。光速だろうか。空間膨張は光速にとらわれないというから一瞬だろうか。それともハッブル定数だろうか。実測はないから困りものだ。
宇宙空間は膨張していて、光が引き延ばされているという。膨張する空間では伝達速度は変わるのだろうか。
伝達速度はだれも言っていない。わからないのだろう。あるいは、400億光年の宇宙と葡萄パンを同一視できる人たちだから、膨張の伝達速度など、考えも及ばないのだろう。おそらく。
(3)空間同士の衝突
火星の周辺の空間が膨張する。地球の周辺の空間も膨張する。二つは間で衝突することになる。どちらがどちらに押すのだろうか。その押し合いはどのようなものなのだろうか。
結論
{全体として膨張したり、収縮したりする}と簡単に言うが、宇宙は大きい。風船や葡萄パンではない。そうは簡単にはいかない。
説明できるのかな。無理だと思うよ。もちろんそんなものはないのだから。
問題3
物質は、空間を収縮させるか
考察
インフレーション理論では、空間を膨張させるのは、インフラトンとダークエネルギーといっている。重力で宇宙がつぶれる可能性があるといっているようだから収縮させるのは、重力ということのようだ。
インフラトンとダークエネルギーは謎の力であるということだから、反論のしようがない。どんなものか示して、実証することだけを求めておこう。
では重力はどうだろう。重力のもとになった万有引力は物質間にしか働かない。空間や光には働かない。アインシュタインの重力は、物質間だけではなく光や、空間にも働く。しかし、空間を曲げるということであって、空間を収縮させるということではない。そのあたりはどうなのだろう。
重力で銀河や銀河団などすべての物質を引き寄せて、1点に収縮させる、というのと、重力で空間を収縮させて1点に集めるというのとは、大きな違いがある。
ブラックホールを考えてみる。大きな重力がある。物質はその影響を受けている。実証はされていないが空間も曲がるということだ。
では空間は収縮しているのだろうか。ブラックホールの周辺の空間が無限大に収縮すると、ブラックホールのまわりには空間がなくなってしまう。すると、近くの空間が引き寄せられる。ブラックホールに近づくとまた収縮する。すると近くの空間が引きよせれれる。収縮するということになる。空間には慣性質量がないからそれに抵抗するエネルギーを持たない。空間はあっという間に吸い込まれ無くなってしまう。困ったことになる。
もちろんこんな現象は起こっていない。銀河系の中心にある巨大なブラックホールも、物質は、引き寄せられて、光速でブラックホールのまわりを回っているのが観測されているが、銀河系の空間を収縮させているという観測はない。
結論
インフラトンも、ダークエネルギーも、空間を収縮させる重力も、宇宙全体を伸び縮みさせる巨大なエネルギーのようだが、地球上ではまるで働いていない。太陽系でも働いていない。どちらの空間も膨張も収縮もしていない。
近くて、観測が正確にできるところでは影も見せないで、遠くて観測が不正確なところでは大きな顔をしてしゃしゃり出てくる。変なエネルギーである。