翼竜が滅びた原因について考えてみる
2023,1,25〜1,30
田 敞
まえがき
足なえて、翼竜の飛べなくなった訳考えている。
問題
翼竜が滅びたのは、恐竜と同じように隕石の衝突による地球環境の激変によるということなのだろうか。
考察
翼竜が滅びたのは、体が重すぎたのが原因ではないだろうか。人間よりはるかに大きな体をしていた翼竜は体重もかなり重かったと思われる。現在の鳥も翼を広げると2メートルを越えるものもいるが、身体自体は小さい。たいがい持ち上げることができる。ダチョウなど体の大きな鳥は飛べない。ところが翼竜はとても大きい。
この体重の違いが、翼竜が滅び、鳥が生き残った原因の大きな要素になったのではと考える。
ではなぜ中生代には翼竜が栄えたのだろう。それはアルキメデスの原理ではないだろうか。
中生代は2酸化炭素が現代の2倍から4倍あったと言われている。そのため無氷河時代であった。北極や南極にも氷河はなく、南極などは森林におおわれていて、恐竜が闊歩していたことが化石から分かっている。
この二酸化炭素が翼竜を空に浮かせたのではないだろうか。
二酸化炭素は比重が大きい。ということはものを浮かせる力が強いということになる。アルキメデスの原理は、押し退けたものの重さ分だけ浮かぶという原理である。船は水を押しのけたぶん浮力を受けるから船は浮かぶ。水は比重が大きいが空気は比重が小さいから船は空には浮かばない。空に浮かぶのは熱気球やガス気球くらいである。押し退けた空気の重さより気球の方が軽いからである。
中生代の空気は二酸化炭素が多かったため今の空気より比重が大きいから、物を浮かす力が今の空気より大きかったと思われる。そのため、巨大な翼竜も空を飛べたと考えられる。新生代に近づくにつれ、二酸化炭素が少なくなるとともに、空気の浮力が小さくなり、翼竜は飛べなくなっていったのではないだろうか。
しかし、問題はこれだけでは片付かない。環境の変化に合わせて、翼竜も小型に進化して新たな繁栄をしてもよさそうなのだが、滅びている。おそらく恐竜から進化してきた鳥が、小型の世界を支配し、翼竜の入る余地がなかったのではないだろうか。では夜の空はどうだろう。夜の空は同じような皮膜の翼を持っているコウモリが飛び交っていたのではないだろうか。コウモリは飛翔能力や呼吸能力で鳥に劣っているために夜の世界に追いやられたと考えられる。同じような皮膜の翼を持つ翼竜が夜の世界に進出してもよさそうなのだが、エコロケーションを持つコウモリにはかなわなかったのではないだろうか。その意味ではエコロケーション能力を持たない鳥も夜の世界ではコウモリにかなわなかったと考えられる。
中生代の巨大な恐竜も、この空気の浮力に助けられて生存できたのではないだろうか。現代の地上の最大の生きものはゾウである。それ以上大きなクジラは海で暮らしている。現在の地上で体を支えて暮らすことができる限界の大きさがゾウなのだろう。中生代の恐竜が大きくなれたのは二酸化炭素の浮力が貢献していたのではないだろうか。
体の構造が気嚢システムで骨が中空になることで、同じ強度では軽くできるのでその分大きくなれたこともあるだろうが、二酸化炭素の浮力もかなり影響していたのではないだろうか。二酸化炭素の割合が減るとともに、大型植物食恐竜が歩けなくなり、滅びていったのではないだろうか。そして、それを餌にしていた、肉食の大型恐竜も滅んでいったのではないだろうか。
もちろん、二酸化炭素の割合が小さくなった大気のために呼吸の呪縛から逃れた哺乳類が、恐竜を上回る知能により恐竜を駆逐していったのも大きな原因であると思われるが。
参考(恐竜は隕石の衝突で滅びたのか?)
あとがき
まあ、一つの仮説である。ただ、中生代の気候が二酸化炭素で大きく温暖化し、南極まで森林でおおわれていたというほど影響を与えたということを考えると、二酸化炭素が他のものごとにも大きく影響したことは考えてもいいのではないだろうか。先に書いたように、恐竜の繁栄と絶滅などと同じように翼竜にも大きな影響を与えたと考えてもそれほど的外れではないと思われる。天の雷(小惑星衝突)が何もかも滅ぼしたと考えるのもありかもしれないが、地球環境の変化によって、適者生存の原理で生きものの盛衰に変化があったと考えるのもひとつの考え方ではないだろうか。現在、増えすぎた人類によって地球環境が変化し、大量絶滅と同じくらい生物が絶滅していっているという説さえある。環境の変化は天の雷だけでなく地上の事情でも頻繁に起こっている。ま、考えもいろいろあっていいのではないかと思う。