重力波目次 | 重力波と相対性理論 |
重力波への疑問
著者 田 敞
重力波が検出されたということです。これについて、「重力波とはなにか(安東正樹、講談社)」を基に考えてみます。
重力波は時空の波だということです。時空とは時間と空間の合併したものだそうです。時間は実態がありません。空間も何か実態があるものではありません。実態のないものどうしがくっついても、実態が生まれるわけではありません。なにもないものが波になったのが重力波です。なにもないものの波とはどんな波なのでしょう。物理学なのか、禅問答なのか。この不可思議を考えてみます。さて、重力波は相対性理論の通りだったと万歳できるでしょうか。
(以下{ }内は上記本よりの引用)
1 {重力波は「時空のさざなみ」}
{相対性理論によってもたらされた重力の新しい理解は、重力は時空の歪みである。というものでした。太陽のような重たい星があるとその周囲の時空が歪み、その歪みによって地球のような惑星は、太陽へと引きつけられる「重力」を受けるのです。ところで、このときの中心の重たい星が、時間とともに運動していたらどうなるでしょうか? 周辺の時空の歪みもそれにつれて時間変動し、それは波となって、周辺に伝わって行くでしょう。これが「重力波」と呼ばれるものなのです。}
考察
重力波の定義です。重力波は時空の波だということです。そこで、時空の波とはどのようなものかを考えてみます。時空や時空の歪みは相対論から生まれた考え方です。そこで、この本に書いてある相対論による時空の歪みが起こる仕組みから、考えてみます。
問題1
{アインシュタインは重力を4次元の時空(3次元の空間と、1次元の時間を一緒に考えた座標系)の性質として解釈することで、一般相対性理論を構築しました。重たい物質があると、その時空が歪み、その歪みによって他の物体が力を受ける、その力こそが重力である}
考察
ニュートンの万有引力と、アインシュタインの重力の考え方の違い。
万有引力は、物質は物を引き付ける力をもともと持っていると考えました。そして、その力は、直接空間に広がって行く、と考えました。
アインシュタインの考えた重力は、物質は空間を曲げる力をもともと持っている。それによって歪められた空間によって、物が落ちるのでこれが重力である、ということです。
違いは、もともと物質が持っている力は、万有引力では引力であり、相対論では空間を歪める力である、ということです。重力はその空間の歪みが生みだす2次的な力です。
このことから、もうひとつ大きな違いが出てきます。万有引力は物質同士の相互作用ですから、光には作用しないけれど、重力は空間の歪みだから、物質だけではなく光にも作用するということです。この違いをあまり言う人はいませんが重大な違いです。
このように、万有引力と重力とでは大きな考え方の違いがあります。したがって、重力波と言われている現象も、この二つでは考え方に違いが現れます。
万有引力では、星が動くことで起こる地球との距離の違いによって起こる引力の強弱が地球を伸び縮みさせたと考えられます。
重力では、星の動きによって生じた時空の歪みが波になって伝わってきて地球を伸び縮みさせたと考えます。大きな違いです。
もちろん、重力波は、相対論のいう重力で生じたと考えられています。だから、万有引力のことはだれも考えていません。しかし、科学はあらゆる可能性を考えるというのが鉄則です。いや、相対論は正しいのだから、その他のことを考える必要はない、というのも当然です。しかし、考えるのは悪いことではありません。天動説をほぼすべての科学者が正しいと考えていた時代に、地動説を考える人がいたことは無駄ではなかったように、相対論の重力が正しいとすべての科学者が考えている時代でも、ニュートンの万有引力を考えても悪くはないでしょう。時間の無駄かもしれません。しかし、科学は多くの時間の無駄から進歩を獲得してきたのですから、時間の無駄を惜しんではいけません。時間の無駄にもいろいろある。これは完全な時間の無駄だというかもしれません。教科書から一歩も出れない人はそういいます。まあ、大した時間ではないので考えてみます。
問題
{重たい物質があると、その時空が歪み}
考察
アインシュタインの重力は{重たい物質があると、その時空が歪み}ということです。重たい物質がどのような仕組みで時空を歪めるのかについて、トランポリンとボウリングの球で説明しています。
{トランポリンの上にボウリングの球を置くことを想像してみてください。ボウリングの重さで、トランポリンはへこみます。}とあります。
この考えは、リンゴは重いから地面に落ちる、というニュートン以前の考え方と同じです。ニュートンはそれに対して、リンゴは、地球と万有引力で引き合っているので落ちると考えました。
そこで、このボウリングの球とトランポリンについて考えてみます。
ボウリングの球でトランポリンがへこむのは、ボウリングの球と地球が万有引力で引き合っているからです。万有引力が働かない所、たとえば、宇宙空間では、ボウリングの球をトランポリンに置いても、トランポリンはへこみません。ボウリングの球が重くてもへこまないのです。(重いという表現自体が変なのです。宇宙ステーションの中では、ボウリングの球は浮きます。重くはありません。質量が大きいのです。万有引力は質量の問題です。重力は重さの問題のようです)
トランポリンをへこますのは、地球と引き合う万有引力の力です。ボウリングの球が持っている重さではありません。ボウリングの球がいくら重くても、それだけではトランポリンはへこみません。ところが、{重たい物質があると、その時空が歪む}というのは、重たい物質だけで時空がへこむということなのですから、地球の万有引力によってへこむトランポリンのへこみとはまるっきり違う原理のはずです。だから、トランポリンとボウリングの球の比喩では重力の説明にはなりません。
問題
{へこんだトランポリンの上にビー玉を置くと、トランポリンの傾きに応じて転がります。}
考察
これも同じです。トランポリン上のビー玉が転がるのは、地球とビー玉が引き合っているからです。地球の万有引力がなければビー玉は転がりません。トランポリンの傾きがビー玉を転がしているのではありません。傾きに応じて転がるのは、本来地球に向かって真っすぐ落ちるのをトランポリンの膜が止めているからです。転がしているエネルギーは地球の引力です。
問題
{トランポリンの膜が透明で、目に見えない材質で出来ていたらどのように見えるでしょうか。きっと、宙に浮かんだビー玉が、同じく宙に浮かんだボウリングの球に向かって、するすると引き寄せられていくように見えるはずです。重力とは、このようなものであると解釈できるのです。}
考察
膜が透明であっても同じです。膜の傾きはそれだけではビー玉を転がしません。膜の傾き自体にはエネルギーがないからです。宇宙ステーションの中でいくら膜を傾けてもビー玉は転がりません。浮いています。
{重力とは、このようなものであると解釈できるのです。}とありますが、そうすると、重力には必ず万有引力がいることになります。
トランポリンの比喩から考えられることは、時空の曲がりだけでは地球は動かないということです。地球が公転するには、ビー玉が転がるためには万有引力が必要であったように、地球が公転するためには万有引力が必ず必要だということになります。トランポリンの膜は落下するはずのビー玉を止めて方向を変化させているだけですから、空間の曲がりも、何かに引かれて落下する地球を引き止めて、方向を変化させているだけだといえます。すると、時空はトランポリンの膜のように強靭な何かでできていて、地球が落下するのを止めているということになります。
ビー玉は、鉄球に引かれているのではなく、膜の下からの地球の引力に引かれているので転がります。それと同じ原理なら、地球も太陽に引かれているのではなく、なにかが、太陽と地球の面に垂直に引っ張っているということになります。どこにもそんなものはありません。困った問題が生じます。
このように、重力が時空の曲がりから生まれるという仕組みは、トランポリンの比喩では説明不可能です。時空の歪みが重力を生む仕組みを直接説明する必要があります。
誰が言い出した比喩かわかりませんが、間違いが継承されています。みんなが言っているからそれで正しいというのではなく、時間の無駄になるかもしれないけれど、それでいいのだろうか、と考えることは必要です。
結論
ボウリングの球がトランポリンの膜をへこませるのは、地球とボウリングの球が万有引力で引き合っているからです。ボウリングの球が重いから、ということではありません。また、ビー玉が転がるのも地球とビー玉が、万有引力で引き合っているからです。トランポリンの膜がへこんでいるからではありません。
同じように、地球が太陽の周りを公転しているのは、太陽が重いから時空が曲がりその時空の曲がりに地球が重いから落ちているからではありません、単純に太陽と地球が万有引力で引き合っているからです。その引き合う力と、遠心力が釣り合ったところで、地球は公転しているのです。時空の歪みに落ちているのではありません。上下があるのは、万有引力があるからです。時空の歪みだけでは、歪みに上下はできません。地球が重くても、下がなくては落ちることはできません。
太陽系の惑星の運動は、すべて太陽と、惑星の万有引力の引っ張り合うという力から起こっています。太陽の作る時空の曲がりから起こっていることではありません。
もう少し考えてみます。重複するところがあるかもしれません。
問題
{地球が、太陽の周りを公転しているのは、太陽(ボウリングの球)がその周辺の時空(透明なトランポリンの膜)を歪め、その重みに応じて地球(ビー玉)が運動するためだと解釈できるわけです。これが一般相対性理論における重力の考え方です。}
考察
ボウリングの球が透明なトランポリンの膜を歪めたのは、地球がボウリングの球を万有引力で引っ張ったからです。したがって、ボウリングの球がトランポリンを歪めるのと同じ仕組みで太陽が周辺の時空を歪めるためには太陽を下に引っ張る力が必要です。ところが相対論では太陽を下に引っ張る力は書いてありません。もちろん宇宙を観測してもそのような引力源はありません。ボウリングの球がいくら重くても、地球の万有引力がなければトランポリンの膜はへこまないように、同じ原理なら、太陽がいくら重くても、太陽を引っ張る力がなくては時空はへこまないはずです。
引っ張るものがないのに、太陽の重みで時空がへこんでいるのですから、ボウリングの球とトランポリンの膜の関係とは、まるで違う仕組みで太陽が時空を歪めているということになります。
また、太陽の{重みに応じて地球(ビー玉)が運動するためだと解釈できるわけです。}とあります。
ビー玉はトランポリンの膜のへこみが動かしたわけではありません。トランポリンの膜のへこみはエネルギーを持っていないのでビー玉を動かすことはできません。ビー玉が転がったのは地球が万有引力で引っ張ったからです。万有引力のエネルギーでビー玉は動いたのです。物質が加速するには運動エネルギーがいります。ニュートン力学です。
ビー玉が転がる原理と同じ原理で地球が転がるなら、地球を転がすためには地球を引っ張る力がいります。太陽の重みによって歪んだ時空が地球のどこに作用して地球を動かしたのでしょう。ビー玉が動いたのはトランポリンの膜の下からビー玉を引っ張った地球の万有引力のエネルギーです。ボウリングの球が引っ張ったのではありません。同じ仕組みなら、時空の歪みに重いから落ちるのではなく、ビー玉を膜の下から引っ張った万有引力のような、時空の歪みの下から引っ張る力がいります。それはなになのかを書かなくてはなりません。それがありません。ビー玉の比喩を書く暇があったら、時空の歪みに地球が落ち込む原理を直接書くべきです。
普通の物質の場合は、歪みはエネルギーを持ちません。たとえば、ヘアピンカーブがあるとします。そこに車を止めます。車はどうなるでしょう。簡単です。止まったままです。車を動かすには、エンジンをかけなくてはなりません。それにはエネルギーの元であるガソリンがいります。曲がりだけでは物は動かせません。時空がいくら曲がっても、それだけでは物は動きません。ビー玉を動かしたのが、地球の万有引力であり、車を動かすのはガソリンのエネルギーであるように、地球を公転させるには、万有引力のエネルギーがいります。ただ曲がったからといって、それで動きだすことはありません。
普通の物資では起こらないことが時空の曲がりでは起こっています。物質では起こらないことがおっているのだから、時空が曲がるとなぜ重力が生まれるのかを直接説明しなければなりません。
地球の公転には、もうひとつ大きな問題があります。それは2次元と3次元の違いです。
ビー玉はトランポリンの膜に支えられています。ビー玉の周りにも上にも膜はありません。だから、ビー玉は転がることができます。もし、ビー玉の周りにもトランポリンの膜があったなら、ビー玉は転がることができません。進むには膜を突き破るしかないからです。ところがこの膜は、ボウリングの球も支えることができる強い膜だから、とてもビー玉が破ることはできません。
では地球はどうでしょう。時空のうちの空間は3次元です。地球の周りを覆っています。相対論だと、この空間は地球を支えて、しかも、方向を曲げているのだから、強い何かでできているはずです。なんにもなければ、慣性の法則で地球は等速直線運動をするはずです。かなり重い地球の進路を曲げているのだから、空間はかなり強靭な何かなのでしょう。(「何か」というのは、空間は何でできていて,どのような構造を持っているのかについて、アインシュタインはなにも云っていないからです。だから、この本でも空間とは何かということはなにも言っていません。もちろん時空がどのようなものであるかについてもなにも言っていません。ただ、時間と空間がくっついたものだ、くらいです。時間とは何か、空間とはなにかが分かっていないから、時空と言って、時間と空間がくっついたものだと、さも説明したような錯覚を利用して、ごまかしているだけです)
ところが地球の進路にも空間があるのだから、地球の進路を遮っているはずです。トランポリンの膜のように、空間は地球を支え、地球の進路を曲げるのですから、ちょっとやそっとでは破れることはないでしょう。ところが、地球は46億年の間、前にあるはずの強靭な空間を突き破り突き破り公転しています。それなのに、速度は一つも落ちていません。もしこれが気体ならば、地球は前にある気体を押しのけるために運動エネルギーを奪われて速度を落とし、とうの昔に太陽に落下しているでしょう。地球の進路を曲げるほどの強靭な空間が前に立ちはだかっているのに、空間は46億年間何一つ地球の運動エネルギーを奪わなかった理由の説明がいります。
結論
ボウリングの球とビー玉とトランポリンの関係の比喩は、太陽と地球と時空の関係の説明には使えません。まるっきり違う原理だからです。同じところは、トランポリンの膜が透明で、時空が透明なことだけです。見かけ上のそれだけのことでしかありません。相対性理論は見かけを非常に重要にする理論ですが、透明であるか否かは時空が歪む仕組とは無関係なので、見かけを持ちこんで説明するのはこの場合は間違いです。本質はまるで異なるのですから。なぜ、物理学者がこのような説明をするのでしょう。素人向けの本だから、適当なことを言ってればいいということではないとは思いますが、多くの本で、この説明がまかり通っていて、肝心な重力が発生する根本の仕組みについては何一つ述べていないのはどうしてなのでしょう。
{重たい物質があると、その時空が歪み}の仕組みは何一つ述べていません。重たいものがどのようにして時空を歪めるのかの仕組みをこそ述べるべきなのに、関係ないトランポリンとボウリングの球の話をしただけです。また、時空が歪むと、重力が発生するという仕組みについても何一つ述べていません。おそらく、{重たい物質があると、その時空が歪む}、時空が歪むと重力が発生するという仕組みが何一つ分かってないからごまかしたのでしょう。
ほかにも大きな違いがあります。時空もトランポリンの膜も透明ですが、時空はなにもありません。トランポリンの膜は物質です。触ることも、燃やすこともできます。しかし、時空は触ることも、燃やすこともできません。このことについて、次に考えてみます。
問題
時空
考察
時空とは、{3次元の空間と、1次元の時間を一緒に考えた座標系}だそうです。
3次元の空間が、重いものがあると歪むというのが相対論です。歪むのだから、元とは形が違ったということです。ということは、空間は構造を持っているということです。では空間の構造はどのようなものなのでしょう。それは何でできているのでしょう。それらのことは一切書かれていません。物質であるトランポリンの透明な膜で説明できるようなものではないはずです。なぜ空間そのものを説明しないのでしょう。
例えば、この本にもあるように、昔、空間はエーテルで満たされているという考えがありました。また、今の宇宙論では、宇宙は真空のエネルギーで満たされていると言っています。違う表現ではそれはダークエネルギーというものだそうです。また、量子の考え方では、宇宙空間はヒッグス場で満たされていると言っています。相対論では重さで歪む何かです。いったいどれがほんとなのでしょう。どれも本当で、これらが混じっているのが空間なのでしょうか。
ただいえることは、どれも直接観測がされていないということです。自分たちの理論に必要だから、空間はこうあるだろうと言っているだけです。どれも実際に観測したわけではありません。間接に証拠があると言ってはいますが、直接ではありません。
重力のためには空間が歪む必要があるのでしょうが、それなら、関係ないトランポリンの説明に紙面を割くのではなく、歪む空間の構造や、空間が何でできているのか、とか、重いものが時空のどこにどのように作用して歪ませるのかとか、歪んだ空間がどのようにして重力を発生させるのかとかの仕組みをちゃんと説明するべきです。できないから。関係ないトランポリンのことを持ちだしてごまかしているのではないでしょうか。
{重力波は「時空のさざなみ」}
問題
{一般相対性理論によってもたらされた重力の新しい理解は、重力は時空の歪みである、というものでした。太陽のような重たい星があるとその周囲の時空が歪み、その歪みによって地球のような惑星は、太陽へと引きつけられる「重力」を受けるのです。}
{ところで、このとき中心の重たい星が、時間とともに運動していたらどうなるでしょうか? 周辺の時空の歪みもそれにつれて時間変動し、それは波となって、周辺に伝わっていくでしょう。これが「重力波」と呼ばれるものなのです。前章で用いたボウリングの球とトランポリンのたとえでいうと、ボウリングの球をゆすったら、その周りのトランポリンの膜が波打つ、ということです。重力波が「時空のさざなみ」ともいわれるのは、このようなことを意味しているのです。}
考察
上に書いたように、時空がゆがむと惑星が太陽へと引きつけられる仕組みについては何一つ説明がないことは書きました。
{このとき中心の重たい星が、時間とともに運動していたら}{周辺の時空の歪みもそれにつれて時間変動し}とあるけれど、その仕組みも不明です。星が動いたらどのようなエネルギーが、時空のどこに作用して時空を揺らすのでしょう。説明がないので、勝手に考えてみます。
時空は、時間と空間が合わさったものだそうです。すると、太陽が動いたら、時間が揺れ、空間が揺れることになります。太陽の何が時間を揺らし、空間を揺らすのでしょう。
時間が揺れると、時間はどうなるのでしょう。揺れない時間と揺れる時間はどのように違うのでしょう。実際の世界で、揺れる時間はどのような現象として現れるのでしょう。説明がありません。
空間が揺れると、空間はどうなるのでしょう。揺れない空間と揺れる空間はどのように違うのでしょう。その構造の変化の説明はありません。
その説明が{ボウリングの球をゆすったら、その周りのトランポリンの膜が波打つ、ということです。}ということです。
上に書いたように、ボウリングの球は物質です。トランポリンの膜も物質です。同じ物質です。だから、ボウリングの球が揺れると、トランポリンの膜も揺れます。これは、実際に観測されています。揺れも、中心から外側へと伝わっていくのが観測されています。これは膜が物質でできているからです。ボウリング球の揺れによって、ボウリングの球の揺れによる運動エネルギーが膜に伝わり、膜が揺れます。伝わった揺れのエネルギーは、となりの膜を動かします。そのエネルギーはまたその隣の膜を動かします。そうやって、波が伝わっていきます。ともに物質だから起こる現象です。
では、重力波はどのようにして伝わっていくのでしょう。
まず、太陽が動きます。すると、その動きが時空を揺らします。太陽の揺れによる運動エネルギーは、どのようにして時空を動かすのでしょう。時空はなにもありません。なにもない時空をどのようにして物資が動かすのでしょう。時空はトランポリンの幕ではないので、それとはまるで異なる仕組みで、太陽の運動エネルギーによって動くのでしょうが、その仕組みが書いてありません。物質の運動エネルギーが、なにもない時間や、空間を動かすことができるというのです。その仕組みを解明して、説明しなければなりません。物質が物質を動かすトランポリンの比喩では何の説明にもなりません。
重力がそれに当たるということかもしれません。しかし、重力は、太陽の何かが時空に作用して、時空を曲げその結果重力が生まれるということですから、重力が時空に波を起こしているのではなく、太陽のなにかが時空を曲げていることで、重力波ができるということになります。
太陽のなにが時空を曲げ、時空にさざなみを起こしているのでしょう。その説明はありません。おそらく分かっていないのでしょう。
問題
1 {重力波が「時空のさざなみ」ともいわれる}
考察
{「時空のさざなみ」}ということだから、時空の曲がりが、波のように伝わっていくということです。水の波は、水だから運動エネルギーが次々と伝わっていきます。音の波も同じです。空気や水などの物質が、運動エネルギーを次々と隣の物質に伝えることで波となって伝わっていきます。
では、時空の波はどのようにして起こるのでしょう。トランポリンの膜とは異なるはずです。膜は物質ですから、分子同士が相互作用をして運動エネルギーを伝えます。この現象は理論も、実証もあります。しかし、時空は物質ではありません。なにもありません。時間はどのようにして隣の時間に波を伝えていくのでしょう。なにもない空間は、どのようにして運動エネルギーを隣の空間に伝えていくのでしょう。その仕組みを述べなければなりません。
なにもない時間や空間の波はどのように起こるのでしょう。なにもない時間や、空間が波になるというのですから、その波がどのようなものか、示さなければなりません。物質であるトランポリンの波では物質でない時間や空間の波の仕組みの説明になりません。時間や、空間の波の起こる仕組みや伝播する仕組みが分からないから、比喩を持ちだしているのでしょう。物質の波と、なにもないものの波はまるで違う原理のはずですから、ごまかしです。
2 {時空の歪みとはどういうことか}
ゴムシートに2点を書いて、そのゴムシートの対角を引っ張ると2点間の距離が変化し、ゴムシートも歪むという説明です。それが時空の歪みだそうです。ゴムシートを引っ張れば歪むのはそのとおりです。しかし、歪んだのはゴムシートです。水の両端をつまんで引っ張ってみましょう。水は歪むでしょうか。歪みません。引っ張ったエネルギーが伝わらないからです。空気はどうでしょう。空気をつまんで引っ張ってみましょう。やはり、空気は歪みません。引っ張ったエネルギーが伝わらないからです。では時空はどうでしょう。時空のどこをつまんで引っ張ったら時空のどこがどのように歪むのでしょう。都合のいいゴムシートを持ちだして説明になったかのようですが、ゴムシートと、時空はまるで違うものです。象に似た形の石を持ちだして、生きている象の説明をしているよりはるかにかけ離れています。石も象も同じ物質でできていますが、ゴムと時空はまるで違うものでできています。ゴムで、時空は説明できません。
重い物質が動くと、時空が歪むということですが、重い物質が動くと、時間のどこにどのような力が働いて時間が歪むのでしょう。また、空間が歪むのでしょう。
その仕組みを説明せずに、ゴムシートを引っ張って説明になったと言っています。物質である、ゴムシートで、時間や、空間が説明できるわけがありません。時間そのものの歪む仕組みと、空間そのものの歪む仕組みを説明しなければなりません。
ゴムシートは私でも簡単にゆがめることができます。しかし、時間や空間をゆがめることは誰にもできません。時間も空間も実態はないのですから。ないもない時間が揺れたり、なにもない空間が波になるなんてことはありません。なにもないものはなにもないのです。波になれません。
{時空の曲率}
時空の曲率が正、負、ゼロの場合について図とともに説明しています。{この面上に〈時空の歪みをほとんど生じさせない〉軽いビー玉を置いたとします。時空が曲がっていない場合は、2つのビー玉の間の距離は変化しません。それに対して、時空が曲がっている場合は、それらの間の距離は、近づいていったり離れていったりと変化します。}
問題点1
空間の上に、ビー玉を置く方法を示す必要があります。卵を机に立てることができる人はいるでしょう。しかし、空間にビー玉を置くことができる人はいないでしょう。
問題点2
湾曲した板の上にビー玉を二つ置いたら、転がって行って離れてしまいます。反対の場合は中に転がって、くっつきます。平坦な板の上なら、転がらずに、そのままだから離れたりしません。言っている通りです。問題は他にあります。
これらの現象は、地球上で起こることです。宇宙ステーションの中では起こりません。ビー玉が転がるのは、板が曲がっているからではないからです。ビー玉を転がすのは、地球の万有引力がビー玉を引っ張っているからです。板を取り去ったらどのビー玉も地球の中心に向かって落下します。地球には表面がありますからそこで止められますが。アメリカで行ったのと、日本で行ったのでは、ビー玉の落下の方向が異なります。理由は、ビー玉は地球の中心に向かって落下するからです。これが万有引力の潮斥力です。万有引力には曲がった板はいりません。枝から落ちるリンゴは、イギリスと、日本では方向が違います。万有引力の潮斥力には曲がった板はいりません。
ところが、相対論では、時空の曲がりが重力です。空間が曲がったところにビー玉を置くのですから、あるのは曲がりだけです。この場合の曲がりはどのようにして重力を生むのでしょう。それはどの方向に働くのでしょう。比喩の板の曲がりの上下は万有引力があるから決まります。引力がない場合は上下はできません。時空の曲がりの上下はどのように決まるのでしょう。図にある膨らんだ曲がりと、へこんだ曲がりは、視点を変えると、反対になります。へこみは膨らみに、膨らみはへこみになります。私たちの日常の感覚は、常に地球の万有引力の中にあります。だから、膨らみは膨らみでへこみはへこみです。変わることはありません。その感覚をうまく使った、インチキ理屈です。相対論得意の、言い替えによるごまかしです。
問題点3 {時空の歪み、つまり重力が存在することによる「本物の」の効果を表現した式になっているのです。}
考察
式にはなっているかもしれません。でも、それが実際の現象かどうかは不明です。{時空の歪み、つまり重力}ということの説明が、トランポリンと鉄球では、科学ではありません。実際、この、面が曲がった図では、下から引力で引っ張っていなければビー玉は転がりません。それが重力だということなのかもしれませんが、その引っ張る力は空間の曲がり(曲がった面)とは関係ないところから出ているはずです。面が曲がっているだけでは引力は生まれません。おそらく、ビー玉は重いから、勝手に転がるということかもしれません。ニュートン以前の科学ではリンゴは重いから下に落ちるでしたから。しかし、物が加速運動をするにはエネルギーが加わらなければなりません。面の曲がりにはエネルギーはありません。重いから落ちる、ではニュートン以前に戻ってしまいます。まあ、戻っても正しければいいのですが、エネルギーなしに加速する仕組みがいります。ついでに式も。
問題点4
ところで、現実の時空は曲がっているのでしょうか。この本でも、宇宙はどこも平坦であるという観測結果になっているということです。一体どこの宇宙空間が曲がっているのでしょう。重い太陽の周りの空間が曲がっているというのでしょう。エディントンの観測がその証明だというのが相対論者の言い分です。しかし、エディントンの観測した星は太陽コロナの中に写っています。すると、その星の光は太陽コロナで屈折しているはずです。相対論者はそのことを無視しています。不都合なことは無視に限る、というのが相対論者のやり方ですけど、それは科学のやり方ではありません。
地球の周りでも、空間が曲がっていることは観測されていません。日没の太陽の光が曲がっているために、本来沈んでいる太陽が浮かび上がって見えているのは地球の重力で空間が曲がっているからだ、という主張はありません。それは、空気によって太陽の光が屈折しているからだということです。現象としてはエディントンの観測と同じです。理由はなぜか異なりますが。
地球の公転は太陽のために、空間が曲がっているからだ、月の公転は、地球のために空間が曲がっているからそこに落ちるからだというかもしれません。しかし、ニュートンの考えでは、それは地球や太陽が万有引力で引っ張っているからだ、ということです。空間のまがりに落ちるにしろ、万有引力にしろ、どちらも引き合う力は必要です。万有引力の場合空間の曲がりは必要ありません。引力と遠心力があれば成り立ちます。相対論では、空間の曲がりが重量を生むということのようですが、書いてきたように、時空の曲がりが重力を生むという仕組みは不明です。ニュートンの考えでは物質は引力を持っているということですから、そのまま説明できます。空間の曲がりなどなくても地球も太陽も公転します。
問題5{時空のさざなみ}はどう伝わるか
考察
{数学的にいえば重力波は、アインシュタイン方程式を「線形化する」というやり方で求められました。厳密に解くのは大変なので、歪みが小さいという近似を用いて計算したわけです}
数学的に求めることはできるようです。計算は机上の空論ですから、実質はなにもない空間も波にすることができるのでしょう。実際の空間の波は、見えない、触れないということで観測はできません。もちろん揺れていない空間も観測できません。重力波は計測器の伸び縮みで観測できたということですが、それが時空の波が原因であるということは憶測にすぎません。時空の波が直接観測されたわけではないのですから。
計算はいろいろ工夫されているようですが、計算の工夫だけです。時空が波になるという前提でそれを計算しただけですから、なんとでもなるわけです。時空が波にならないとした計算をしたわけではありません。
実際に時空が波になる様子を描いた図が書かれています。{紙面に垂直な方向から重力波が入射した場合の、円周上に置かれた粒子の間の距離変動}と云う図です。円が縦に伸びたり、横に伸びたりしている図と、左斜めに伸びたり、右斜めに伸びたりしている図があります。時空の伸び縮みによって粒子が変動する様子が描かれています。しかし、これは紙面の上の話です。すべて物質でできている図です。ところが、空間はなにもありません。なにもない空間が延びたら、伸びなかったときの空間とどう違うのでしょう。それが述べられていません。たとえば風船を横から押したら、縦にのびるでしょう。縦から押したら横に伸びるでしょう。これは風船が、ゴムと、空気でできているからです。ゴムも空気もない風船〈時空〉を押したらどうなるのでしょう。なにも変化しません。横だろうがたてだろうか同じです。何の変化もしません。ためしに手で空間を押してみてください。何か変化しましたか。手をすばやく振るとスッとするでしょう。それは空間のせいではありません。空気が指をかすめて、指から熱を奪っているからです。空間は何一つ手に影響を与えていません。重力では変化するというのですが、手で切り裂いた空間はどうなるのでしょう。なにも変化しません。なぜなら、空間はなにもないからです。紙に書いた円周上の粒子が動く仕組みは述べられていても、なにもない空間の円(そんなものはないのですが)はどのように曲がるのでしょう。
ここには空間(なにもないもの)が粒子(物質)を動かしていると書いてあります。物質(粒子)が動くためには、エネルギーが必要です。その運動エネルギーを、なにもない空間がどのようにして粒子に与えたのでしょう。ニュートン力学ではありえない現象です。
空間が粒子を動かすということは、反対に、粒子が動いたら空間にぶつかるということです。すると粒子の動きは遮られます。粒子の集合体である地球が動いたら空間にぶつか空間を動かします。その時運動エネルギーを空間に渡します。すると地球は速度を落とします。中性子星が空間を揺らすことで、速度を落としたのと同じ現象です。すると地球も速度を落とすはずです。ところがそんな現象は観測されていません。地球が空間を揺らすエネルギーは少ないから、地球の速度を落とすまでには至らないのかもしれません。しかし、中性子星は地球の数百万倍以上質量のある星です。その中性子星の速度を落とすことができるのですから、質量の小さな地球の速度を落とすには小さなエネルギーで十分です。46億年間、このエネルギーロスは地球の軌道を変えているはずです。しかしそんなことはありません。
何億光年も離れた観測が正確にできないところでは、空間を揺らすために、質量の大きな中性子星が、速度を落とし合体するけれど、近くで観測が正確にできる惑星では何一つ起こらないのです。
なにもない時空が、物質の運動エネルギーを奪ったり(中性子星の速度を落とす)、与えたり(検査機器を伸び縮みさせる)する仕組みを述べなければなりません。ニュートン力学にはない仕組みですから説明の必要があります。(ニュートンの考えでは、物質は万有引力を持っていて、物質どうしは引き合うという理論です。空間の曲がりを必要としません)
アインシュタイン方程式で計算すると小さなゆがみの成分が光の速度で伝播するという解が得られるということですが、実質はなにもない時空が歪みを光速で伝える仕組みについては何一つ述べられていません。それこそ肝心なことではないでしょうか。分かっていないから述べられないのでしょう。
問題
検出された重力波は何か?
考察
しかし、実際に重力波が検出されました。重力はのゆるぎない証拠です。しかし、問題があります。それが、相対論の言う重力波であるということにはなりません。検出された重力波は何かということです。
物理学者は、時空の波だと言っています。しかし、それには、書いてきたようにあまりにも不明なことが多すぎます。
万有引力波としたらどうでしょう。中性子星が光速で回転すると、地球との距離が高速で変化します。万有引力は距離の2乗に比例して変化します。すると、高速で距離が変化する中性子星の連星からの万有引力も高速で変化します。これが、地球にある検査機器に対する引力の差となり、検査機器を揺らしたとも考えられます。これなら、そんなに謎は多くありません。
結論
重力波は、動いている重い星によって時空が歪み、それが、時空を伝わって行くということです。
しかし、重い星によって、なにもない時空が歪む仕組みは説明されていません。なにもない時空が歪むと、なにもないものがどのように変化するのかも説明されていません。また、なにもない時空が次々と波になって伝わって行く仕組みも不明です。また、伝わってきた時空の波が、検査機器を伸び縮みさせる仕組みも不明です。時空にはなにもないのですから、なにもないものが実態のある物質を動かすのですからその仕組みも述べなければならないはずです。
検出された重力波は、万有引力の強弱によると考えたらどうでしょう。考えたって損はないと思います。科学はあらゆる可能性を検討するというのが鉄則ですから。
引力は距離の2乗に反比例します。中性子星の連星が高速で公転すると、地球に対する距離が高速で変わります。すると、引力も高速で変化します。これが伝わってきて、検査機器を伸び縮みさせたとも考えられます。これなら、時間や空間が伸び縮みする必要はありません。
万有引力もなにもないものです。物質は引力を持っている、とニュートンは考えました。引力は物質同士の相互作用です。万有引力は、媒介するものがなくても遠方に届くという考えです。ロケットが宇宙空間を飛ぶようなものです。あるいは、電磁波が宇宙空間を飛ぶようなものです。しかし、万有引力の仕組みも不明です。空間の歪みが重力を生む仕組みが不明なのと同じです。
言えるのは、万有引力波なら、分からないのは、引力の仕組みだけです。重力波の方は、星が時空を歪める仕組み、時空の歪みが重力を生む仕組み、時空が波になる仕組み、時空の歪みが検査機器をゆがませる仕組みが不明です。引力波の方がはるかに単純です。アインシュタインいわくSimple is beautyです。
2021年1月6日完
著者田 敞
ふろく
相対論は、計算式では正しいのかもしれません。しかし、実証に置いては、かなり疑問があります。計算式は相対論が正しいということを前提に作られています。元の相対論が間違っていたら、式もみんな間違いになります。計算式によって、相対論が正しいとはいえません。
そこで、相対論が実証されたという現象について、考えてみます。
一般相対性理論の証拠
この本では、一般相対性理論の証拠として以下のことが上がっています。
1 水星の近日点移動問題
2 エディントンが実証した一般相対性理論
3 重力レンズ
4 慣性系の引きずり効果
考察
1 水星の近日点移動問題
水星の近日点移動問題に、バルカンという惑星の存在を取り上げています。バルカンがなかったということで、相対性理論の証拠だとしています。しかし、この当時、太陽が楕円球であったなら、ニュートンの法則で説明できるという意見があったということです。それに対して、相対性理論家はでは太陽が楕円球であることを証明しろと言って突っぱねたということです。
近年、太陽が楕円球であることが観測されたということが、科学誌「ニュートン」に掲載されていました。
太陽は自転しているのだから、その当時でも、太陽が楕円球であることは科学者なら想像できていたはずです。相対論者は、なぜ、この考えは考慮もせずに否定して、ほぼないと分かっていた惑星バルカンに固守したのでしょう。相対論の証拠を見つけたいため、確実に否定できるバルカンを取り上げ、確実に、楕円球であると考えられる太陽楕円球説を退けたのではないでしょうか。これは、明らかに科学の方法ではありません。
これは、月が、地球が楕円球であるために近日点が移動しているのと同じ現象です。したがって水星の近日点移動は一般相対性理論の証拠にはなりません。
この本もそうですが、相対論者は、この、太陽楕円説を今も無視し続けています。なぜでしょう。
2 エディントンが実証した一般相対性理論
太陽のすぐそばにある星の光が太陽の重力で曲げられる現象を観測したということです。これが相対論の証拠になったということです。
この星は太陽コロナの中に写っています。コロナは太陽大気です。大気は光を屈折させます。エディントンの観測した星の光は太陽大気で屈折しているはずです。地球大気で星の光が屈折する現象は日常的に見られます。簡単なのは星のまたたきです。これは空気で星の光の屈折率が変化していることから起こります。星の観測のときレーザー光を放射して、そのまたたきを観測して、星の揺れを補正しているということです。
エディントンの観測した星の値が様々になっているのは太陽大気の激動のためです。激動している太陽大気と違い、太陽の重力は変化しないので、重力ならこのようなぶれが起こることはありません。
このことから、エディントンの観測は、重力ではなく太陽大気による屈折現象と考えられます。
3 重力レンズ
銀河や銀河団の重力によって光が曲がる現象が観測されています。しかし、それが重力が原因であるという証拠はありません。エディントンの観測と同じです。
では考えてみます。
銀河はガスに満たされていて、その巨大なガスの塊の中に星の集団(見える銀河部分)が埋もれているということが近年観測されています。また、銀河団も、巨大なガスの塊の中に埋もれているのが観測されています。観測技術の進歩によって分かってきたことです。
このことから、そのガスの中を通る光は屈折しているということが推察できます。重力レンズと言われている現象は、宇宙空間にあるガスによる屈折現象であるとも言えます。
物質によって、光が屈折する現象は地球上で日常的に起こっています。理論もあります。
しかし、重力で光が曲がる現象は地球上では観測されていません。上に書いた現象以外にはありません。したがって、上に書いた現象は大気やガスによる屈折現象であるといえます。
まとめ
上に書いた3つの現象は、すべて、これまで証明されている理論で説明できます。問題は、相対論者は、このことを無視していることです。相対性理論の最大の特徴である、不利なことは無視しろ、がよくあらわれているやり方です。科学なら真っ先に不利なことを取り上げなければならないのにです。これからも相対論者は無視し続けることでしょう。
4 マイケルソン・モーリーの実験
これは特殊相対論の実証だと言われています。この実験装置は、重力波の装置と同じ原理です。この本にもあるように、重力波の装置は、非常に微妙で、調整がかなり難しかったようです。現代の科学の粋を集めても何カ月もかかったようです。あの時代に、同じような装置で、よく正確に観測ができたことと思います。
そして、この実験には検証実験がありません。多数の証明があるということですが、肝心の、いつ、どこで誰が検証実験をして、その結果がどうであったかがありません。検証実験がないということは、これはまだ仮説の段階です。
結論
今までに証明されている理論で説明できる現象は、新しい理論の証明には使えない、という科学の方法論があります。物質による屈折現象で説明できるこれらの現象で、新しい、光が重力によって曲がるという理論の証拠にはできないということです。
また、科学は、一番不利になることを真っ先に取り上げなくてはならない、という方法論にも反しています。真っ先どころか、大気による屈折現象を完全無視しています。取り上げたら、相対論の証拠にならないからでしょう。そうしたら一般相対性理論の証拠が一つもなくなるからです。
{慣性系の引きずり効果}
{地球などの天体が自転する際に周囲の時空も引きずられて歪む「慣性系の引きずり効果」という現象も観測されています}
これは人工衛星で観測されたということです。
地球は、自転速度より、宇宙空間を飛ぶ速度の方がはるかに大きいです。この動きの引きずり効果は観測されなかったのでしょうか。
空間を波打たせることで、中性子星の運動エネルギーが減り、合体するということです。地球が自転によって空間を引きずると、自転のエネルギーが減って、自転が遅くならないのでしょうか。地球の自転は遅くなっているということですが、それは時空を引きずっているからではありません。月の潮汐作用が原因だということです。
今、空間はヒッグス場に満たされているということです。このヒッグス場は、引きずり効果でどのようになっているのでしょうか。また、真空のエネルギーは引きずられているのでしょうか。
「宇宙の「果て」に何があるのか」(戸谷友則、講談社)の中に、光速不変の理由に「この結果に対して様々な仮説が提唱された。たとえば、エーテルは地球に引きずられており、常に光速は同じに見えるといったものだ」とあります。エーテルはアインシュタインが否定したから、この論はなくなったのでしょう。しかし、今度は相対論者がエーテルの代わりに、時空なるものが引きずられていると言っています。
空間は何からできているのでしょうか。実質はなにもありません。なにもないものがどのようにして、引きずられるのでしょうか。引きずられていない空間と引きずられている空間はどのように違うのでしょうか。なにもないのだから、どちらにしろなにもないは同じではないのでしょうか。なにもないものをどのようにして観測したのでしょうか。それとも、空間はなにもないものではなく何かでできていて、構造を持っていて、観測できるものなのでしょうか。どうも相対論者や、重力波を肯定している科学者はそう考えているようです。ではそれは何でできていて、どのような構造を持っているのでしょう。それは質量を持っているのでしょうか。重力波は、中性子星の運動エネルギーを持ち去るようですから質量があるようです。しかし、質量がるなら、空間の中を飛んでいる地球の運動エネルギーを奪いそうだけれど、そのような形跡は全くないようだし。まあ、都合のいいことだけ取り上げて、不都合なことは無視、が相対論だから、矛盾が出るのは仕方がないことです。
結論
このように、相対論の実証は、相対論者の手前味噌的な解釈があります。相対論は実証されたとはいえません。