インフレーション宇宙への疑問
インフレーション宇宙論への疑問8
インフレーション宇宙論への疑問\
火の玉の解決
著者 田 敞
(以下{ }内は「インフレーション宇宙論」佐藤勝彦著、BLUEBACKSから)の引用)
問題
{最初の大きな仕事はなんといっても、素粒子よりも小さい初期宇宙を指数関数的膨張によって一人前の宇宙にして、真空の相転移による潜熱を生じさせ、宇宙を火の玉にしたことでしょう}
考察1
指数関数的膨張は、10のマイナス44乗秒で{素粒子よりも小さい初期宇宙を}1000億光年以上の宇宙に膨張させるという理論です。最後の10のマイナス45乗秒では、なんと500億光年の宇宙を1000億光年に膨張させるのです。一気に500億光年の膨張です。
インフレーション論者はこのことをどのように考えているのでしょう。本当にありえる現象だと考えているのでしょうか。ありえると考えているのでしょうね。それとも無視ですか。自分の理論に不都合なことは無視するということなのでしょうか。たぶんそうなのでしょうね。10のマイナス45乗秒で500億光年粒子が移動することはこの本には一切書いていないのがその証拠です。
このような現象が実際に起こるとは考えられません。このようなことを信じているのが、宇宙論者です。いくら大昔のことで、いくら宇宙が果てなく大きいからといって、何でもありではないでしょう。
考察2
一人前の宇宙ということはこの時点(指数関数的膨張が終わった時点)で宇宙はでき上っていたということです。ビッグバン宇宙論は、銀河の赤方偏移の観測から、宇宙は膨張しているという推論になり、その膨張速度を逆算すると、137億年前には宇宙は1点に集まっていたという理論です。
ところが、137億年前に、すでに、指数関数的膨張で宇宙は直径1000億光年以上の宇宙にまで大きくなっていたというのがインフレーション宇宙です(モノポール問題を解決するには最低でもそれくらいは膨張していなければならないそうです)。137億年前にすでに宇宙は今観測できる宇宙よりはるかに大きくなっていたということです。なぜもう一度1点の火の玉からやり直さなくてはならないのでしょう。ビッグバンの問題を解決するというのが、インフレーションの役目だからなのでしょう。ビッグバンがなければインフレーションの必要もないのですから、ビッグバンはなくてはならないものなのです。
しかし、1点の火の玉から始まったというビッグバン論と、観測できている宇宙よりはるかに大きく広がっていたインフレーションの終わりとは結びつきません。ビッグバンの問題を解決するというインフレーションが、ビッグバンに結び付かないのでは、何のための解決策なのでしょう。
ビッグバン論には、少なくとも銀河の赤方偏移という理由がありました。しかし、インフレーションにはビッグバンの難問を解決するという意外何の根拠もありません。実際の現象から考えたことではなく、頭の中だけで出来上がった理屈だからです。なのに、ビッグバンにつながらないのですから、インフレーションの存在理由はありませんす。
2 結論
ビッグバンには大きな問題が4つあったということです。それを解決するために考え出されたインフレーション宇宙は奇想天外な、現実にはありえない宇宙です。今までの物理学には当てはまらない現象でできていました。また、ビッグバンの作り上げた宇宙も、95%が謎のエネルギーと、謎の物質でできている宇宙です。見ることも触ることもできない不可思議なものからできている宇宙です。今の物理学で説明できる宇宙は5%しかないというのです。あとの95%は今の物理学では説明できないものでできているというのです。
ビッグバン宇宙は、このようにインフレーションという現実にはありえない現象から始まってダークエネルギーやダークマターという不可解以外になにもないもので宇宙を作り上げました。なぜでしょう。ビッグバン宇宙論が間違っているからではないでしょうか。原因は、銀河の赤方偏移の解釈が間違っているからです。赤方偏移の原因が、空間膨張という、今の物理学では解明されていない現象のせいにしたことです。今分かっている現象、銀河の光が宇宙に浮かぶ水素を中心とした分子に当たって赤方偏移したということにすれば、今の物理学で説明できる物質やエネルギーや現象が95%を以上を占める宇宙ができます。ありえない現象だけでできているインフレーション宇宙も、95%が見ることも触ることもできない幽霊より存在のない何かでできているというビッグバン宇宙も造る必要はありません。
宇宙は物質と4つの力からできている定状宇宙でいいのです。そうすれば、光速の10の44乗倍で膨張する宇宙も、95%のものが見えない触れないという、今の物理学では説明できないものでできているという宇宙は必要ありません。
宇宙は定状でたった一つの宇宙空間が広がっているだけです。その空間の中に物資が散在しているのです。それでは、ビッグバン論や、インフレーション論にある、この宇宙を生んだ「無」の宇宙がなくなってしまいます。キリスト教では困ってしまいます。たった一つの宇宙しかなければ、神様の住む世界が人の住む世界と同じになってしまいますから、神様と人が同列になってしまいます。「光あれ」といって、この宇宙を造るためには、私たちの住むこの宇宙の外に神様が住んでいる世界が必要です。インフレーション宇宙やビッグバン宇宙にはこの宇宙とは別に、神様が住んでいてもいい宇宙がこの宇宙ができる前から存在するのです。定状宇宙にはそれがありません。私たちの住む宇宙しかありません。これはキリスト教にとっては非常に重要なことです。科学者は言わないけれど、欧米文化にとっての宇宙はなんとしても2重でなくてはならないのです。そのためのビッグバン宇宙であり、インフレーション宇宙であるのではないでしょうか。
また、インフレーション宇宙にしても、ビッグバン宇宙にしても、ほとんどが人知を超えた現象でできています。書いたように、人では考えられない超光速の膨張やありえない大きさのエネルギーだけでできているインフレーション宇宙、宇宙の95%が謎のエネルギーや物質ででき、人が分かるのはたった5%だけというビッグバン宇宙。宇宙について、人の知ることができるのはおそらく1%もないのです。これこそ神が作りたもうた人知をはるかに超えた宇宙です。
なにから何まで新新訳聖書です。それが今宇宙論者が信じているインフレーションビッグバン宇宙です。科学ではありません。
これで「インフレーション宇宙論」についての反論は終わります。ここまで読んでくれた方ありがとうござます。佐藤氏へ非礼があったかもしれません。ご容赦を。
2021,10,22 完
著者 田 敞