じゅんちゃんは、平成9年8月12日に3230gで誕生しました。
私達夫婦にとって、7年目に授かった待望の赤ちゃんだったのです。
「おぎゃー」と言う元気な泣き声を聞いたときは涙が出るほど嬉しかったです。
将来の夢や希望に満ち溢れていました。
しかし、じゅんちゃんが大きくなり成長するにしたがって、「あれ?」「どうして?」と言うことがどんどん増えて
きました。
「偏食がひどい」「ちょっとした事で癇癪を起こす」「夜寝ない」「言葉が遅い」etc...
巡回相談を受けたり、保健師さんとお話もしましたが、自閉症も知的障害も見逃され「なぜだろう?」「どうしてだろう?」と悩む日々が
続きました。
そんな不安な生活の中、ある保育園から「どういう子育てしてるの。
良いこと悪いことちゃんと教えないとダメじゃない」「クラス替えをする時、息子さんの面倒を見れる子と一緒にするなど、とっても大変だったんですよ」などと、とても迷惑そうに言われたりして、傷付き、そして居辛くなり、様々な保育園や幼稚園を転園するという、じゅんちゃんにっとも、親の私達にとっても何かと辛い時期を経験しました。
「どうしてお友達と同じ事が出来ないの!」「どうしてちょっとした事で、泣き喚いて先生に迷惑かけるの!」と何度も言って聞かせてもダメ…。最後には手を出してしまうという悪循環でした。
どうやって息子を躾れば良いのか、どうしたら息子が同級生のお友達と同じ事が出来るようになるのか…途方に暮れた気持ちで熊本の療育センターの門を叩きました。
そして障害告知…。「自閉症」との判定が出たのはじゅんちゃんが5歳になってからでした。
自閉症が一生治らない障害だと知ったとき愕然としました。
じゅんちゃんに色んなことを教えたい。伝えたいと思っていたのに、
そういうこともままならないのか…。深い悲しみが襲って来ました。
しかし私達の場合、判定を下されたのが5歳と遅かった事もあり、それまでが「親の育て方がなってない」などと無知から来る間違った見解から、辛い言葉ばかりを言われ続けてきたため、「じゅんちゃんは自閉症です。これは親の育て方が悪いとかそういうのではないですよ」と療育の先生から言われた時は、心からホッとする気持ちも正直ありました。「私達は親として失格なのではないのか?」とそれまで自分達を責め続けて来たからです。
障害告知を受け「ああ、これでやっとスタートラインに立てたんだな。じゅんちゃんに合った教育や指導をしてあげる事が出来る!」という前向きな感情も同時に沸き起こりました。
今までたくさんのお友達や先生にご迷惑をお掛けしました。
そしてそれ以上にたくさんのお友達や先生に優しさを頂きました。
今のじゅんちゃんがあるのは、皆さんのお陰です。
今思うと、診断の遅れに伴った悲しい出来事も有難いと思えるようになりました。
悲しい思いをした分、私達親も成長する事が出来ましたし、障害の告知を受けた後も考えを上手く切り替え、前向きになれたからです。