ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 3-5






先日Blantyreへ行く途中でちょっとしたスコールがあり、すぐ後に車窓から山から山に架かる大きな虹が澄んだ青空をバックに映えて見え、
清々しい気持ちになりました。
このところよく停電(計画停電?)に見舞われ、ホテルでは通常自家発電装置があってすぐ点くのですが、一晩中回復しなかった時もありました。
一日に2,3回停電する時もあります。まだまだ発電容量が足らないのでしょう。


日本から持ってきた降血圧剤が無くなってきたので、先日Zomba市内のはずれにある公立病院へ行きました。受付で聞くと直接院内にある薬
局へ行くように言われたので、そこで用件を話すとプラスチック容器に入った100錠入りの錠剤(インド製)を渡されました。値段を尋ねると無料と
のことでした。心配になったのでJICAの健康管理員に電話して、翌日職場の近くにあるインド人経営のクリニックへ行って血圧を測ってもらった
ところ、その薬を朝2錠・夜2錠飲んで毎日血圧を測りなさいとの診断でした(この診断費も無料)。簡易血圧計を持参しており、その後測ってみる
と標準値以下になっているので安心した次第です。マラウイの公立の病院では薬は無料のようです。


 一方業務の方はというと、地質調査所への通勤は朝8時にホテルから、夕刻5時にホテルへの車での送り迎えを毎日してもらっています。去年
のBlantyreの時とは異なって、運転手は時間どおり待っていてくれるので助かります。



地質調査所にて



4月の終りに、若い地質技術者と金の探査をしている現場に行って来ました。車で3時間ほど行った山の中では大きな日本製のボーリング機械
があり、既に150m余り掘進していました。聞くところによると、近辺の試料を化学分析した結果、かなりの割合の金が含まれている箇所があった
とのことです(裸眼では見えませんが)。その後マラウイ湖南にある他の現場にも立ち寄ってみました。ちょうど昼過ぎになったので作業員手作
りの「シマ(とうもろこしの粉を油と水で練って肉まんのように蒸したもの)やキャベツ・豆・チキン等の昼食をよばれました。ここの「シマ」は街中の
食堂で食べるものより香ばしい味があっておいしく、す〜と食べることが出来ました。帰途、近くの街で珍しい紙パック入りのビールを売っていた
ので、買って冷蔵庫にいれておいて後日飲んでみたら酸っぱくなっていて、殆んど飲めませんでした。すぐに飲むべきものなのでしょう。

昼食をよばれる  →



立ち寄った作業員の宿泊所では、集まって来た近所の子供たちがチチェワ語で「白い人が来た」と言っていたようです。珍しいのでしょう。


その後所長とも相談した結果、当初の予定どおりマラウイ湖南端部の山地で金・ダイヤモンドを主体とする探査業務に携わることにしました。7
月から現場作業にかかる段取りで、それまで資料集めをしたり、担当者たちと打合せをしたりという毎日です。日本でも金を産出する所は幾つ
かありますが、アフリカとは胚胎する地質構造が全く異なるためあまり参考にはなりません。


ダイヤモンドに至ってはKimberliteというダイヤモンドを含む可能性のある鉱物が日本には賦存していないので、外国の文献を取り寄せる必要
があります。日本の地質調査所他の知人に問い合わせたりしているのですが、あっても古い資料ばかりでどこまで役立つか心細い限りです。出
来れば資料収集がてらどこか周辺の国にダイヤモンドの原石を見に行きたいと思っているのですが、治安の問題でどうなるか……。1950年代
〜1960年代にかけてここマラウイでもダイヤモンドが産出されていたようですが、Kimberliteの中にダイヤモンドの原石が含まれている確率(重
さの)は1/10,000,000以下なので、これからが本番というところです。


所長に依頼していたLANも設置済みで、執務室でもインターネットが出来るようになりました(速度は遅いのですが)。これで昼も夜も繋げるよう
になり、一安心です。







                                         
                                           


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