第187夜 このゲームをトランスフォームしてくれ……『トランスフォーマー〜コンボイの謎』

参考リンク『トランスフォーマー コンボイの謎』



 ファミコンアクションゲーム史に残るクソゲーといえば、『バルトロン』『エグゼドエグゼス』、そしてこの『トランスフォーマー〜コンボイの謎』なのではないかと思います。
 そもそも、発売された当時の『トランスフォーマー』そのものが、日本ではタカラがどんなに煽ってもいまひとつの人気であったので被害者は少なかったようですが、それでも、このゲームのクソゲーっぷりは好事家のあいだでは有名だったのです。
 このゲーム、とにかく難しかったんですよね、しかも理不尽に。最初にプレイしたら、間違いなく数秒で死にます。

 とにかく敵の弾が小さくで見えづらく、おまけに背景とも重なり合って、判別困難。おかげで「なんでやられたのかわからないまま死ぬ」ことだらけ。
 このゲームをやっていると、同じ横スクロールタイプの『スーパーマリオ』や『グラディウス』の偉大さが非常によくわかります。
 いや、『フォーメーションZ』だって、この『コンボイの謎』と比べれば……
 先に進むために必要なのは、「偶然敵の弾に当たらない」という「運」のみ。
 敵はやたらと硬いわりにはバリエーションが少なく、ボスも似たようなやつばかりです。
 そして、このゲームのウリは「変形」なのですけど、これがまた、変形するとかえって敵の弾に当たりやすくなったり、操作しにくくなるのです。
 ファミコンアクションゲームの金言に「自機が変形するゲームはクソゲー率が高い」というのがあるのですが、このゲームはまさにその典型例。

 ちなみに、先日読んだ某雑誌のインタビューでは、映画『トランスフォーマー』の製作総指揮のスピルバーグは、このファミコン版の『トランスフォーマー』の存在は知らなかったそうです。それで、「今度新しく出る『トランスフォーマー』のゲームの話を一生懸命していたのですけど、知ってても知らんぷりしそうですよね……