ある「女性医師の彼氏」の独白



 最近、医者の彼女ってどんなことに気をつければいいの?という話を掲示板に書きこんでもらったりもしていたので、試しに「医者の彼女」というのをヤフーで検索してみた。さて、このサイトはどのくらいの順番かな?って。

 すると…出た出た、なんと17件中1番なのだ、この「Doctor's Ink」が(ちなみにページはココ)。

 ということは、今まで数々の「悩める医者の彼女」もしくは「遊んでる医者に翻弄される彼女の話を期待していた人々」に、なんじゃこりゃあ!と思われてきたのですね、ここは。申し訳ない。

 ということで、今日は気分を変えて、「医者の彼氏」について語ってみようと思うのだ。
ちなみに、これを検索すると、「医者である彼氏」(いわゆる、同格の「の」だ)のことを書いたページが、ヤフーで60件あまりヒットする。

 でも、いわゆる「女性医師の彼氏」という立場で書かれたものは、ほとんどないのだ。
僕は、ダブルミーニングで「医者の彼」であるので、今回は「女性医師が彼女であるということ」について語ってみたいと思う。
なんか違うな、今日の「Doctor's Ink」は。
(ちなみに、「女医の彼」で検索すると、ヤフーでも1件もヒットしないのだ。ビックリ)

 僕の彼女(Y嬢)は、研修医だ。

 今は大学院生になって、少しは時間に余裕ができたのかテレビゲームばっかりやっているが、それでも実験で夜遅く(24時とか25時とか)なったり、週末も実験に行っていることが多い。
 まあ、今回の話は、彼女が臨床の研修医のときの話にしようか。

 僕たちは学生時代からけっこう長くつきあっていて、彼女はちょっと離れた大学に研修しに行くことになった。

 なったというか、研修しに行くことに自分でしたのだ。

 しかも、そこで研修する理由というのが「雰囲気が良かった」とかいう、かなり僕にとってはどうでもいい理由(いや、研修を終わった身としては、見学に行ったときの雰囲気なんてのは、あんまりアテにならないものだとわかってたから)だったので、僕はけっこう腹が立った。
それで「あっちへ研修で行くということは、別れようってことだよね」と言ったら、泣かれてしまったのだなこれが。

 で、とりあえずは現状維持で行くことになったのだが、彼女が臨床の研修医だったころは、職場も家も離れていたので、平日に会うことは皆無だった。

 もちろん、僕にも仕事があるし、向こうはいつ帰ってくるかなんてわかりはしない。下手すりゃ病院に泊まってたりするし。

 土日も、お互いの当直やら重症患者さんやらで、ほとんど会わなかった気がする。おかげで、僕はすっかりパチンコが上手になったし、サイトまで作ってしまった。

 誕生日の夜(平日)、僕はなんとか仕事を早く終わらせて(それでも21時くらいだった)ケーキとプレゼントを持って、彼女の家に行った。帰ってきたら驚かせてやろうと思って、連絡もせずに家で待っていたのだが、帰ってこない。軽く一眠りしようと思って寝たら、朝だった。

 結局、帰ってこなかったのだ。プレゼントを置いて、ケーキを冷蔵庫に入れ、帰って仕事をしたのだが、「ごめん!」のメールが来たのは、さらにその翌日だった

 彼女が医者だったら、夜当直でいなくても、家が散らかり放題でも、仕事のストレスを撒き散らされても、約束をドタキャンされまくっても、辛抱できないといけない。

 おまけに彼女たちの多くはは頭が良くてプライドが高くてお金持ちで、「私もお嫁さんが欲しい」とか思っているのだ。

 でも、その一方、女性医師だって、基本は普通の女の子には違いない。別にみんながプライド高いわけじゃないし(でも、男だってそうだと思うのだが、「せっかく頑張って苦労してきたんだから、良い異性とつきあいたい」という意識は、全然特別なものじゃない。

 しかし、都会では医者と(世間的なイメージとして)つりあう職種はたくさんあるのだが(商社とか、法律家とか、若手実業家とか)、田舎では厳しい。おまけに、医者には時間がないし、時間の融通も利かない。

 残業があるどころか、定時に帰ると後ろ指をさされる。

 こうして、女性医師は男性医師とくっつく、という環境が生まれていく。

 だいたい、Y嬢の例からもわかるように、若い医者は病院からなかなか出られないから、外で異性と知り合う機会はものすごく少ない。

 しかも、医者だと言うとたいがい相手の男に引かれるし、自分からどんどん逆ナンパしようなんて人はほとんどいない。医者というのは、田舎では地域の信用が大事だったりもするし、病院内には男性が少なすぎる。

 男の場合は、院内の男女比からいって、病院の中だけでもさんざん「悪いこと」ができるのだが。

 しかし、女性医師とつきあうのは大変なんですよ、実際。

 まあ、僕の場合は、付き合いが長くて逆にちょっと自由が欲しい時期に距離をおけたので、それがプラスになったような気もしますが。

 それに、あんまりベッタリするの好きじゃないしね。

 それでも、「家庭」とか「子供」とかのことを考えると、それはまたワンランク上の厳しい問題だよなあ。

 臨床医夫婦の共働きで、親の援助もなしに子育て、なんてどう考えても無理。

 ジョン・レノンみたいに「主夫」になりたい男性にはいいのかもしれないけど、女性医師は、「そんな頼りにならない男はイヤ!」とか言ったりするんだよなあ、これが

 それでもさ、仕事に一生懸命で、知識が豊富で、自分を持っている女性とつきあうのは、意外と悪くないよ、本当に。う、嘘じゃないってば…