パイロットの彼女、医者の彼女




 今日、当直中に「GOOD LUCK!!」を観ながら考えた。
 「パイロットの彼女は大変よ」という黒木瞳に、考え込む柴咲コウ。
 確かに、天候によってフライトの予定が左右され、連絡が取れないところにいるパイロットという仕事は、
彼女や妻にとっては辛いものだろうな、と思う。

 医者という仕事も、ちょっとパイロットに似たところがある。
 仕事は朝早くから夜遅くにわたることがほとんどだし、患者さんの状態が悪ければ、夜中に突然呼ばれたり、
何日も病院に泊り込まないといけないこともある。
 カンファレンスの前の晩など、午前様が当たり前だ(ただし若手)。
 けっこう頻繁に、当直なんてものもある。
 まあ、この「急患」とか「当直」という名目で悪いことをしている医者もいるし、それを厳しくチェックする彼女や妻、というのも現実なのだが。
 そういえば、僕がまだ研修医だったころ、学生だった彼女には、本当に悪いことをしていた。
連絡もせずに夜遅く帰ってきては「疲れた…」とか言ってバッタリと寝込んでしまったりしたこともあったし、
家に彼女を送って、その帰りに路肩に激突して救急に運ばれたこともあったっけ。
 研修医の最初のころって、社会人として自分でお金を稼げるようになって、ちょっと偉くなったような気分と、
患者さんにも看護師さんにも、もちろん上の先生にも頭を下げてばっかりで、自分と同じ身分は同僚研修医と新人看護師さん、
そして威張れる(ただし、あまり質問されても困る)のは実習に来た学生だけ、という状況だった。
そして、家に帰ったら、彼女に「遅い!」とか言われて「俺だって一生懸命仕事してたんだ!」とか、逆切れしたりして。
 まあ、彼女も医者の卵だったので、理解があったのだとは思うのだけれど。
 しかし、当時を思い出すと、まったく恥ずかしい限り。

 でも、ほんとうに医者の彼女や妻というのは、大変だと思う。
 だって、「当直」とか「急患」なんて言われたら、責められないもんなあ。
 それに、一般的に男はええ格好しいだから、あんまりたいした用事じゃなくても、いかにもすごいトラブルが起こったように言いがちだし。
 でも「たいした用事じゃないんでしょ?」とか言われても腹が立つ。

 僕は、医療関係者以外の女の子とつきあった経験がないので(というか、一般的な女性経験そのものが、たいしたことないので)
そうじゃない女性が医者とつきあうと、どう感じるのか?というのは、よくわからないのだ。

 医者と付き合うために大事なことは、たぶん普通の男とつきあうのと、あまり変わらないんだと思う。根本的には、人間だからさ。
 ただ、気をつけておくべきことがあるとすれば、実は医療現場で威張っている医者というのは今はそんなに多くはないし、
けっこうストレスを感じていることが多いと思うので、できれば、家でくらいちょっとは威張らせてあげて欲しい、
ということ、そして、当直とかで家にいないことについて、あんまり詮索しないでもらいたい、ということです。
 あの、仕事でバテているときに「ほんとに仕事なの?」とかいつも言われると、ほんとに厭になっちゃうからさ。
 ただ、たまには軽く「浮気してんじゃないの〜」と心配しているフリをするくらいはいいのかもしれない。
 こういうのって、大概の男には(&医療従事者の女性も、かもしれない)あてはまりそうなものだけれど。

 医者同士のつきあいは、どうかって言うと…
 う〜ん、一般論はよくわかりませんが、うちはもう慣れてます、というか、
「今日当直」と言われると、「よし、今日は頑張ってサイト更新しようっと」と思うくらいのものです。
 これは、単に僕たちのつきあいが長いからなのかもしれないけれど。
 でも「当直の空き時間に、自分の好きなビデオとか観るのが幸せ」という既婚ドクターは、けっこう多いですよ。

 いかん、寄り道多すぎ。
 この話、機会があればまたいずれ。
 しかし、今日の「GOOD LUCK」を観ていて感じたのだが、実は男ってやつは、
「ゴメン、今日は仕事で忙しくて会えない…」
っていう言葉に、すごくカタルシスを感じてしまう生き物なのではないかなあ。
「仕事に生きるオレって、カッコイイ!」ってさ。

 あっ、ゴメン、石投げないで…