愛宕山開発について

 

愛宕山開発事業 とは、およそ850億円かけて愛宕山を切り崩し、跡地に一戸建て850戸、集合住宅650戸分の宅地を造り販売する計画です。

けれども、県住宅公社が 2002年に行った需要調査で、一戸建てが160戸、マンション需要は60戸、賃貸住宅でも380戸ほどしか需要はないとの予測結果が発表されました。

愛宕山開発の大赤字が市民へ

一戸建て850戸に対して、需要予測はたった160戸です。

このまま土地が売れ残ったら、岩国市の負担は当初の計画(坪33万円)で売りだした場合で66億円の大赤字。

値下げして坪25万円で売っても、約57億円の負担になるという予測が発表されました。*赤字負担は県2、市1の割合

さらに岩国市は別に、公共下水道事業費が約77億円、公園、学校など公共用地を買う費用が約57億円も必要です。

合計で、およそ200億円もの財務負担が市民の肩へのしかかるのです。

 

米軍基地の滑走路沖合い移設のための計画が根本原因

愛宕山開発は、市民の要求や願いによる街づくりではなく、基地の沖合い埋め立てに必要な土砂を持ち出すことを前提にした事業です。

きちんとした調査もしないで、国の押し付けに言いなりになって、巨大な団地開発に突き進んだところにも大きな問題があります。

私たちは、人口が減り続けているなかで、無理に「新住宅市街地開発事業法」を適用して巨大開発をおこなうと、財政上危険であると指摘してきました。

● 「新住宅市街地開発事業法」  団地完成へあわせて、公共下水道、学校、福祉施設、公園の建設などが義務づけられています。

 

巨大投資の一方で福祉を削減

本体の「沖合い移設」事業はいつのまにか計画の1.5倍になっています。

最初1600億円だった「沖合い移設事業」は駐機場建設で400億円増え、液状化対策を理由に400億円増え、合計2400億円にもなっています。

みんな私たち国民の税金です。

その一方、岩国市では障害者のタクシー券を月4枚から3枚へ、入浴券を月10枚から8枚へ減らすなど、基地や愛宕山につかう税金にくらべたら、本当にほんのわずかな福祉のための税金すら削られています。

 

ムダな大型公共事業をやめて、福祉・教育の充実へ

2002年9月市議会で、日本共産党は松田恭輔市議が代表して「愛宕山開発問題」をとりあげました。

この事業の「沖合い移設と連動している危険性」を指摘し、一貫して明確に反対してきた基本的立場を明らかにしました。

松田議員は「凍結を含む抜本的見直し」を迫りましたが、市長はこれを推進するとし、何の反省もしめしませんでした。

長野県など、「ダムなど無駄な公共事業を中止し、教育・福祉を充実する投資に振り向ける」新しい政治の流れが起きています。

地方政治の本来の姿はここにあるのではないでしょうか。

 

 平成12年度の包括外部監査報告書の中の「愛宕山開発」関連部分です。 事業の概要や進捗状況、資金計画などが載っているのでぜひご覧ください 2003年7月5日更新

 2004年12月議会で開かれた愛宕山地域開発推進調査特別委員会に、基地対策課が出した資料の中の2004年11月までの土砂搬出状況です。2004年12月13日更新 Adobe Readerのバナー(PDFファイルです)

 

愛宕山開発事業の土砂契約実績

  土砂(㎥) 販売収入(千円) 販売単価(円) 調達原価(円) 逆ザヤ(千円) 契約時期
1998年度 2,059,100 3,564,225 1,731 1,731  
1999年度 4,183,800 7,625,100 1,823 1,823  
2000年度 5,169,300 9,607,059 1,858 1,858  
2001年度            
2002年度 1,813,200 3,693,480 2,037 2,037    

変更後

4,112,000 2,258 2,037 −400,808 2004年12月変更
2003年度 1,870,400 4,222,428 2,258 3,146 1,661,850 05年8月見直し予定
2004年度 3,553,000 8,770,000 2,468 3,146 2,407,738 2005年3月
残量 3,751,200 9,257,962 2,468 3,146 2,543,314  
合計 22,400,000 47,158,774     6,212,094  

※山口県岩国沖合い移設対策室資料をもとに、日本共産党県議団が試算

 

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