在日米軍岩国基地への空母艦載機部隊移転の賛否を問う
住民投票、多くの市民が協力し投票し成功!しました。
反対票は87%、全有権者の過半数も超え、たしかに私たち住民の声を示しました。
2006年3月12日、日米両政府が発表した厚木から岩国基地への空母艦載機部隊(57機、兵1600人)移転案の賛否を問う住民投票が行われました。
基地にたいしておとなしいと言われる岩国で、投票のボイコット運動や安倍氏など政府長官の「住民投票の結果に関係なく米軍再編はすすめる」などの圧力の中、若い人も含め多くの市民が、基地を考え、子や孫のためにもと投票参加を呼びかけ協力し、成功させ自分たちの意思を示しました。
この米軍再編案が強行されれば、岩国に常駐する航空機は日本最多、ジェット戦闘機だけでも99機、この中には、従来の型よりもエンジン出力が増大しさらに爆音の激しいFA18E/Fスーパーホーネット26機も含まれる、最悪の騒音の町になってしまいます。
また、米軍機の墜落事故も今まで各地であり、岩国基地所属のジェット機が厚木基地から飛び立ってすぐに住宅に墜落し、幼い子どもたちと後にお母さんも亡くなる悲惨な事故もありました。一昨年8月には、岩国に配備されていたCH‐53E大型ヘリが沖縄国際大学の本館に激突墜落するなど、住民が巻き込まれる危険は今も常にあります。部品落下などの事故は、岩国でも数多く起こっています。
米兵による犯罪も、ひき逃げや横須賀での女性殺害、岩国でもこの2月に米兵2人が逮捕されるなど、イラク戦争の影響もあるのか最近特に相次いでいます。基地が大きくなれば、こうした危険もさらに大きくなると言えます。
長年の騒音や墜落の恐怖、厚木基地周辺の住民の苦難は一刻も早く解消されるべきですが、そもそも人口の密集した市街地に米軍基地があり騒音や危険をともなう訓練をするということは異常であって、その異常を許して国内でのたらいまわしではあまりに国民をないがしろにしているのではないでしょうか。
この住民投票は、岩国に住む私たちだけでなく、頭ごなしに負担を押し付ける政府への全国の「基地の街」の怒り、であったのではないでしょうか。
「地域エゴ」などと住民の声を無視する政府の姿勢は、もう許されません。
私たち日本共産党も住民投票成功へ市民のみなさんといっしょに全力をあげました。日米両政府が決めたからと言って、明日にも岩国にジェット機が来るわけではありません。沖縄県の普天間基地は名護市に移転すると決まっていましたが、住民の反対運動のために、10年たったいまも工事をはじめられません。
基地に対する考えはさまざまあると思いますが、これ以上の基地強化は受け入れられないという点では共通する人が多いと思います。私たちも引き続き、岩国基地の強化反対で、市民のみなさんとともにがんばります。あきらめず、運動を広げましょう。
岩国基地の機能強化問題については、以下もぜひご覧ください。
この住民投票について日本共産党地区委員会と市議団で発表し た声明です。
「空母艦載機の岩国移転案受け入れの可否」についての住民投票について
本日、岩国市の井原市長は厚木基地の空母艦載機を受け入れるかどうかについてその賛否を問う住民投票を行うと発表した。
空母艦載機の移駐問題が起きて一年余、この間、岩国市として、議会として、また自治会連合会などが6万人の反対署名をあつめて国に対して「情報提供と中間報告に盛り込まないように」たびたび要請してきた。
さらに県、市、由宇町の三者で33項目の質問書を提出した。
ところが国はまともな回答をよこさないばかりか、1月22日開催された全員協議会で「修正も白紙撤回も考えていない。」と住民の不安や心配に答えないで行政、議会、住民の意思を踏みにじってはばからない状況である。
厚木の空母艦載機が移設してくれば、騒音被害にとどまらず米兵犯罪、墜落事故の危険に市民がさらされることになる。
また、米軍再編は岩国基地が海兵隊とともに海軍の基地として運用され、海軍・海兵隊が共同して世界のどこへでも出かけていって、先制攻撃を行う任務を負うことは明確で、当面の一定の経済的利益という口実で、今以上の基地機能の強化と住民に犠牲を強いることは認めることが出来ない。
ここで、主権者である市民の意思を投票によって確認することは当然です。
日本共産党東部地区委員会ならびに党市議団は、住民投票が圧倒的市民の参加で、空母艦載機の岩国移転反対投票が圧勝するよう市民、住民団体の皆さんと力を合わせて奮闘することを誓うものです。
2006年2月2日
日本共産党東部地区委員会
日本共産党岩国市会議員団