市長問責決議への反対討論
日本共産党市議団
藤、この庁舎の基礎工事が終わり来年度から庁舎の本格的建設が始まろうとした矢先に、防衛施設庁は4つの理由を挙げて財務省に対して予算要求をしないという暴挙を行いました。
かかる暴挙は絶対に認めるわけにはいきませんし、私は、この場からも防衛施設庁に厳重に抗議の意思を表明するものです。
こうした防衛施設庁の暴挙に対して批判も無しに、井原市長に一方的に責任を押し付け、問責決議を提出するなどということ自体が重大問題であります。
岩国市民を代表する議員であれば、予算をつけないといっている防衛施設庁に対してこそ問責決議をするべきであって、本末転倒もはなはだしいと言わなければなりません。
私たち日本共産党市議団は昨日、赤嶺政賢衆議院議員、仁比聡平参議院議員、春名なおあき、中林よしこ元衆議院議員(久米慶典前県議)と一緒に防衛施設庁を訪れ調査、抗議を行いました。岩国市への「通告文書」の説明を求め要請、抗議を約一時間にわたって行いました。
施設企画課企画室長補佐の伊藤重樹氏が対応しました。
私たちは今回防衛施設庁が補助金を財務省に要求しなかった理由としてあげているKC−130空中給油機の岩国移駐について説明を求めました。
防衛施設庁はKC−130は岩国に配備はするがローテーションで鹿屋、グアムで訓練するから岩国の負担は軽減されると言っているが、SACO合意時には岩国でどれぐらいの訓練が予定されていて、米軍再編でどれぐらいの負担の軽減になるのか騒音やコンター図で示してほしい。何がどのように軽減されるのか繰り返し説明を求めましたが「ローテーションで廻すから」と繰り返すだけで何の根拠も示すことができませんでした。
また今回の調査、要請で驚くべき国の卑劣さが明ら
かになりました。
それは私たちが「庁舎建設事業はSACOのKC−130の移転に伴う岩国市の要請に基づいて約束していたものを当てはめて庁舎建設を進めていた。その約束を破って庁舎建設の途中で補助金を打ち切るのは理解できない」と追及したことに対して、防衛施設庁は「約束したものではない」と答えました。
ではなぜ庁舎建設が
15年度から始まり17年度18年度で
14億円の補助金をつけたのか?と問うとそれは単年度、単年度庁舎建設のすすみ具合と予算を考えて単年度単年度処理しているのであって約束しているわけではないと平然と述べました。
わたしたちは、では「将来的にどうするか約束していない、いつ切るかわからない補助金として岩国市に出していたのか」とさらに説明を求めましたがまともな回答はなく「周辺整備法
8条に準じて単年度単年度予算措置してきた」との回答を繰り返すだけでした。
そこでさらに「8条に準じると言われたが、全国で8条の補助金を途中で打ち切った例があるか」と質問したことへの返事はありませんでした。
私たちは改めて「岩国市が住民投票で、これ以上の負担には耐えられないととして空母艦載機の受け入れに反対しているから庁舎建設補助金を打ち切る」…… としか受け止められないがそのとおりかと質問。それに対して岩国市へ説明しているとおりだとしてこれを認めました。
大西議員団長があなた方はこういうことをやって岩国市と岩国市民が艦載機を受け入れるように態度を変えるとでも思っておられるのか。絶対にそんなことはありませんよと言い渡し要請行動を終わりました。
そもそも基地の沖合移設は騒音被害を解消し、山パルや帝人や三井化学などへの墜落の危険をなくするための工事であったはずです。
国はこの目的に外れて厚木の空母艦載機を岩国に移転させるということを持ち出して岩国市と岩国市民をだましました。
そして今度の市庁舎補助金についても、ずーと完成まで補助金を付けるとは約束していないと言ってまた市民をだまそうとしています。
国のやり方はなんと汚いのではないでしょうか。今教育の問題をめぐって「イジメ」問題が大きな社会問題になっています。「イジメ」をなくする立場にたたなければならない国が、人口わずか15万人の岩国市と岩国市民をいじめるというあってはならないことが今私たちの目の前で行われています。
問責の対象は井原岩国市長ではなく防衛施設庁であり国ではないでしょうか。
またこのような問責決議を出して井原市長をいじめるやり方、このような決議を提出した保守系会派のみなさんの良識を疑わざるを得ません。
しかも、艦載機受け入れ問題の最大の責任者は、住民投票で受け入れ反対を選択した岩国市民です。市長問責ということは岩国市民を問責するということにほかなりません。
国の卑劣なやり方に同調するのではなくて、今私たち議会がやるべきことは、市民と市長と手を携えて安全安心の岩国を子供たちや孫たちに残してやるこの事こそ最も大切なことではないでしょうか。
なにとぞこのような決議が成立することがないように、岩国市議会の長い歴史に大きな汚点を残すことになります。多くの議員が本決議に反対してくださるようお願いして私の討論といたします。ありがとうございました。
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