SLURPD
Section: Maintenance Commands (8C)
Updated: 2005/11/18
Index
Return to Main Contents
名前
slurpd - スタンドアローン LDAP 更新複製デーモン
書式
/usr/local/libexec/slurpd [-d debug-level]
[-f slapd-config-file] [-r slapd-replog-file]
[-t temp-dir] [-o]
説明
slurpd
は、slapd データベースの更新を別の slapd データベースに伝播するために使います。
slapd が複製ログを作成するように設定しておけば、
slurpd
はその複製ログを読み取って、変更内容をスレーブの
slapd
に LDAP プロトコルを使って送ります。
slurpd
は通常、OS のブート時に(普通 /etc/rc.local から)起動されます。
通常
slurpd
を起動すると、フォークを行って起動した tty から自分自身を切り離し、
複製ログ(設定ファイルの
replogfile
ディレクティブかコマンドラインオプション
-r
で指定するもの)を読み取ります。
複製ログが存在しないか空であれば、
slurpd
はスリープ状態になります。その後、定期的に再開して伝播すべき変更が
あるかを確認します。
slurpd
がスレーブの
slapd
に伝播すべき変更があることを検出すると、
複製ログをロックし、プライベートなコピーを作った後に、ロックを開放します。
そして、スレーブの
slapd
のそれぞれに対して自己をフォークして更新処理を行います。
各子プロセスは、
slapd
設定ファイルにある
replica
ディレクティブの
binddn
オプションに指定されている DN で
スレーブの
slapd
にバインドし、変更内容を送ります。
スタンドアローン LDAP デーモンについて詳しくは
slapd(8)
を参照してください。
slurpd は
replication
ディレクティブの設定を
slapd.conf(5)
から読みますが、他の設定(TLS の設定など)は
ldap.conf(5)
を使うことに注意してください。
オプション
- -d debug-level
-
デバッグモードを
debug-level
にします。このオプションを指定すると、そのデバッグ指定が 0 であっても、
slurpd
はフォークせず、起動した端末から切り離されません。
一般的な操作と状態のメッセージが debug-level
の値に応じて出力されます。
debug-level はビットストリングとして扱われます。
その各ビットは それぞれ行ったデバッグ情報に対応しています。
詳しくは <ldap.h> を参照 してください。
- -f slapd-config-file
-
slapd 設定ファイルを指定します。デフォルトは
/usr/local/etc/openldap/slapd.conf
です。
- -r slapd-replog-file
-
slapd
複製ログファイルの名前を指定します。
通常、複製ログファイルの名前は、
slapd
設定ファイルから読み取ります。このファイルは read/write/execute
アクセス権を制限したディレクトリにあるべきです。
オプション
-r
は、この設定ファイルの指定に優先します。
オプション
-o
とともに指定して、複製ログを「ワンショット」モードで処理できます。
たとえば、
slurpd
が複製ログの処理でエラーに遭遇した場合、複製が失敗の原因を解決した後、
拒絶ファイルの名前を
-r オプションの引数に指定してワンショットモードで
slurpd
を起動できます。
- -o
-
「ワンショット」モードで起動します。通常、
slurpd
は複数ログファイルを処理し、さらに複製エントリが追加されるのを監視します。
ワンショットモードにおいて、
slurpd
は単一の複製ログフを処理して終了します。
- -t temp-dir
-
slurpd
は、複製ログを処理する前に、そのログを作業ディレクトリにコピーします。
このディレクトリの利用権は、read/write/execute アクセスを制限すべきです。
なぜなら一時ファイルに機密情報が含まれる可能性があるからです。
このオプションでは、この一時ファイルの置き場所を指定できます。
デフォルトは
/usr/local/var/openldap-slurp
です。
使用例
slurpd
を起動し、フォークして端末から切り離し、
slapd
によって生成された複製ログを処理するには、
次のようにするだけです。
/usr/local/libexec/slurpd
代替の
slapd
設定ファイルで
slurpd
を起動し、大量のデバッグ情報を標準エラーに出力するには、次のようにします。
/usr/local/libexec/slurpd -f /usr/local/etc/openldap/slapd.conf -d 255
関連項目
ldap(3),
ldap.conf(5),
slapd.conf(5),
slapd.replog(5),
slapd(8)
"OpenLDAP 管理者ガイド" (http://www.OpenLDAP.org/doc/admin/)
謝辞
OpenLDAP
は OpenLDAP プロジェクト (http://www.openldap.org/ )が開発/管理しています。
OpenLDAP
はミシガン大学の LDAP 3.3 リリースより派生しました。
和訳
稲地 稔 <inachi@kkd.biglobe.ne.jp>
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- オプション
-
- 使用例
-
- 関連項目
-
- 謝辞
-
- 和訳
-