SLAPD.REPLOG

Section: File Formats (5)
Updated: 2005/01/24
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名前

slapd.replog - slapd 複製ログのフォマット  

所在

slapd.replog slapd.replog.lock  

説明

ファイル slapd.replog はスタンドアローン LDAP デーモン slapd(8) により作成されるもので、ローカルデータベースに変更があった 場合に、このファイルに変更内容を書き込んでおき、このファイル の内容にもとづいて1つ以上のレプリカ slapd への反映が行われます。このファイルは0個以上のレコードから成っています。 各レコードは slapd データベースに対して行われた更新、追加、削除の内容を持っています。 このファイルはスタンドアローン複製デーモン slurpd(8) が読み込んで処理することを想定しています。 レコード間は空行によって分けられていて、 個々のレコードは次に示すフォーマットになっています。

レコードの始めには変更を反映するレプリカを示す次のフォーマットの行が 1つ以上あります。

        replica: <hostname[:portnumber]>

その後に、変更が生じた時刻を示す次のフォーマットの行が続きます。 時刻は 1970 年 1月 1 日 00:00:00 (GMT) からの秒数として与えられていますが、 この時刻を一意にするために小数が追加される場合もあります。 この時刻を一意にする処理は slapd が行うのでなく、slurpd が replog ファイルのコピーを作成する際にすべての時間を一意にするために付加します。

        time: <integer[.integer]>

その後に変更されたエントリの識別名(DN)が与えられます。

        dn: <distinguishedname>

その後に変更の種類が与えられます。

        changetype: <[modify|add|delete|modrdn]>

最後に変更情報自身が与えられます。 このフォーマットは先に示される変更の種類に依存します。 changetypemodify である場合は次のフォーマットのいずれかになります。 属性の追加は次のようになります。

        add: <attributetype>
        <attributetype>: <value1>
        <attributetype>: <value2>
        ...
        -

属性値の置換は次のようになります。



属性値の削除は次のようになります。

        delete: <attributetype>
        <attributetype>: <value1>
        <attributetype>: <value2>
        ...
        -

この属性値の削除において attributetype 行が与えられていない場合は すべて属性が削除されます。

changetypeadd である場合は次のフォーマットになります。

        <attributetype1>: <value1>
        <attributetype1>: <value2>
        ...
        <attributetypeN>: <value1>
        <attributetypeN>: <value2>

changetypemodrdn である場合は次のフォーマットになります。

        newrdn: <newrdn>
        deleteoldrdn: 0 | 1

ここで deleteoldrdn が 1 である場合は、古い rdn で使われていた属性を エントリから削除することを意味し、0 の場合は rdn に使わないながらも 値をエントリに残すことを意味します。

changetypedelete である場合、レコードに追加される情報はありません。

このフォーマットは ldif(5) に記述のある LDAP Directory Interchange Format でもあります。

ファイル slapd.replog へのアクセスは ファイル slapd.replog.lock に対する flock(3) の利用により同期化されます。このファイルを読み書きするプロセスは、 このロックの協定に従わなければなりません。  

サンプル

以下の slapd.replog ファイルのサンプルは、 各種類の変更の情報を1つずつ含んでいます。

        replica: truelies.rs.itd.umich.edu
        replica: judgmentday.rs.itd.umich.edu
        time: 797612941
        dn: cn=Babs Jensen,dc=example,dc=com
        changetype: add
        objectclass: person
        cn: babs
        cn: babs jensen
        sn: jensen
         
        replica: truelies.rs.itd.umich.edu
        replica: judgmentday.rs.itd.umich.edu
        time: 797612973
        dn: cn=Babs Jensen,dc=example,dc=com
        changetype: modify
        add: description
        description: the fabulous babs
         
        replica: truelies.rs.itd.umich.edu
        replica: judgmentday.rs.itd.umich.edu
        time: 797613020
        dn: cn=Babs Jensen,dc=example,dc=com
        changetype: modrdn
        newrdn: cn=Barbara J Jensen
        deleteoldrdn: 0
 

関連ファイル

slapd.replog
slapd 複製ログファイル
slapd.replog.lock
slapd.replog 用のロックファイル
 

関連項目

ldap(3), ldif(5), slapd(8), slurpd(8)  

謝辞

OpenLDAP は OpenLDAP プロジェクト (http://www.openldap.org/ )が開発/管理しています。 OpenLDAP はミシガン大学の LDAP 3.3 リリースより派生しました。  

和訳

稲地 稔 <inachi@kkd.biglobe.ne.jp>


 

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